力加減について

 

普段の仕事で実験など手を動かすだけの作業のときはいろんなことを考えるようにしている。

基本は今向き合っている現象や観察する対象に集中しているのだが、それだけ考えるのはなかなかできない。

そこで少しメタ的な視点をするのが私の癖で、今向き合っている仕事そのものではなく、仕事の進め方とか、今後どうして仕事が進んでいくのかとか、一歩引いた視点で物事を考えている。

全体を見渡せると、今の作業の重要性が理解できると思うからである。重要性が理解できると、必要なコスト分だけ支払って物事を進めることができるのである。

1日、1週間、1月に支払えるコストは決まっている。

たぶんほとんどの人間がそのコストを使い切ることが目標になっている。本当に重要なのは、コストを使い切るよりもどれくらい進捗を生み出せたかなのに。

 

だからといってコスト重視で最低限の進捗さえ生み出せればよい、というわけではないのが世の中なんだと思ったりもして。

コスト重視はだいたい失敗する。最低限だけやると成長しない。これは私の短くて浅い人生経験でわかったこと。まあ、成長しなくてもよいような相当特別な場所であるならば良いのだが。

 

重要なのは、最低限は当たり前でそこからどれだけ力を乗せるのか、その判断をしてみて実行に移すことである。どれくらい意図して物事に取り組んでみるか。この力加減の調整によって、物事との距離がうまく測れる。これを利用すれば、コストの支払い方がうまくなり、仕事も円滑に進むのではないかと思うのである。