こんなに人を馬鹿にしたドラマってある??
テレ朝で年末の深夜に放送された「ブスだって I LOVE YOU」。
放送後、第二話はいつやるんだろう?と思って調べたら、どうやら一話完結のドラマだったみたいで…
えっ??ここで終わったら、最悪なドラマになっちゃうよ?
そう思って色々調べたけど、次回放送の予定は無し…やっぱりあの結論で終わっちゃうんだ…
はっきり言って最悪なドラマでした。
ごめんね、最悪とか言って。でも、そう言わざるをえないほど…うん…最悪な結論を出したドラマだったよ…
ドラマの冒頭部分は、こう。
ブスで異性から全くモテない三十路前の主人公・川端湯菜乃。勤務先の美容室の店長も、容姿について散々バカにしてくる。同僚の美里は美人で、店長や湯菜乃が憧れる男性美容師からチヤホヤされている。「顔さえ美人になれば、全てがうまくいくはず…」と整形手術を受けるが、医療ミスによって昏睡状態に。顔は全く変わらないまま目覚めたが、目覚めた世界は今までとは価値観の違う世界になっていた。ブサイクがモテる世界になっていた。さあ、どうなる?
もう、この説明読んだだけでもね、皆うんざりすると思いますけど…
お察しの通り、思いっきり女というものを馬鹿にして下に見て、男が悦に入るみたいなシーンが多数。これ、一体どんな人が視聴するのを想定して作ったの??女も男も不快じゃない?あんな店長からのいじめシーンなんてさ。
で、男に認められるのが女の幸せなんだよーの古価値観で終始物語が進んでいくわけですけれど…
でも、そんな見るに堪えないいじめシーンが流されても、古価値観で物語が進んでいったとしても、私はテレビを消さなかった。
何故なら、番組ホームページには「湯菜乃が最後にたどり着く“幸せ”とは!?」って書いてあったから。
そう書いてあるからには、あのいやーなホモソの価値観やら、そっから派生する店長の湯菜乃いじめに、脚本家なりのNOを突きつけるってことだもんね?この展開からどう湯菜乃の幸せを描くの?
私は脚本家の出した答えを見るために、結論を見るために、ドラマを最後まで見続けたんです。
…でも、見事に裏切られた!
いや、嫌な予感はしてたんですよ。冒頭部分、湯菜乃が仕事を終えて帰るなか、美里は閉店後の店内で腕を磨くためにカットの練習…みたいなシーンが強調されてたりとかね。
「見た目の美醜」というものをテーマにドラマを描くなら、湯菜乃と美里の内面の部分は似通わせないと駄目じゃない?とまず最初に思ったんだけど。そしてその違和感はドラマの最中ずっと続くわけ。
美里は努力家で控えめで聡明、湯菜乃は馬鹿…みたいな感じでずっとドラマが展開されてく。「美醜以前の問題」をずっとずっと視聴者は観せられ続けるんですよ。
ドラマの後半、湯菜乃は自身の至らない性格や努力不足が原因ということで仕事で美里に差をつけられる。彼氏にも振られる。
…え??
そして、周囲は湯菜乃に向かってこう諭すんです。
「自分が自分を好きじゃないんじゃないですか?」
「大切なのは、見た目じゃないんじゃないですか?」
…ああ、嫌な予感。
その後、世界は反転し、また湯菜乃はブスに戻る。店長からのいじめも再開されるが、湯菜乃は憧れの男に自分の思いを告げると宣言する。「大事なのは見た目じゃない!」と言って。
で、ラスト。憧れの男性には振られたけど、新しい恋の予感…みたいな感じで終わるんだけど。
いやいやいや、何これ?
何、この結論。
長くなるので、明日に続きます。
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