借金のカタに内蔵売るか、漁船に乗るか、

それが嫌なら俺を惚れさせてみろ。

 

面白かったー!

身に覚えのない借金のために

真面目に支払おうとする琉星。

でもその金額は500万!

簡単には支払えない額に借金取りである雉真は

「催眠術で俺を惚れさせてみろ」と言い出した。

それで催眠術をかけてみたら

相手は自分に惚れちゃって‥‥!!

 

海野 幸著「あなたは三つ数えたら恋に落ちます」

500万円の借金と引き換えに出された条件は 「俺を惚れさせろ」!? コワモテ借金取り×売れないホストの 催眠術からはじまる恋v 夜道でサラ金に囲まれ、五百万の返済を 迫られてしまった――!? 身に覚えのない借金に 青ざめる、臨床心理士志望の琉星。そこに待ったを かけたのは、眼光鋭く威圧的な空気を纏う男。 助け舟かと思いきや、雉真と名乗る新たな 借金取りだった!! 琉星の経歴を面白がった雉真は、 「催眠術で俺を惚れさせてみろ」と挑発。 渋々暗示をかけると、鬼の形相から一変、 蕩けるような笑顔で愛を囁いて!?

 

面白かったけどこういう話を読むといつも思うのが

払う必要のない借金をなぜ支払おうとするのか。

相手が怖いってのもあるかもだけど、

琉星の場合はそれよりも迷惑かけたら‥って感じじゃん。

まず彼が駆け込む先は弁護士事務所だよ。

だってこれって有印紙文書偽造じゃん!

一人で解決しようとしないで

間にちゃんと人を入れようよと、といつも熱くなるw

‥‥と、こんな風に熱くなっていたらお話にならないので、

そういうところはさくっとスルーせねばw

 

ほんとそんなお人好しを絵に描いたような琉星と

その琉星から返済を迫るサラ金業者の雉真。

雉真は琉星が臨床心理士の資格を取ろうと勉強しているのを知り、

自分に催眠術をかけてみろと提案。

しかも琉星に惚れるという催眠術を。

渋々やってみると、雉真は人が変わったかのように琉星にベタ甘に。

なんてこった!催眠術がかかってしまった!!と

大慌てな琉星と、

催眠術なんてかかってないと言いながらも

返済を迫っていた人と同一人物とは思えない甘くて優しい雉真は

返済のかわりに晩酌の相手を琉星にさせる。

売れないホストをしていた琉星は

ホストをやめ、雉真のサラ金事務所でアルバイトと

同じビルに自室を持つ雉真の部屋にやっかいになることに。

とことん自分に甘い雉真に

再度催眠術で自分への恋愛感情を消そうとするけれど

雉真の態度は一向に変わらない。

それどころか、雉真の優しさに徐々にほだされていく。

 

借金取りの雉真と真面目な琉星は真逆なタイプだけど、

二人とも根っこのところは優しかったりする。

ただ雉真はそれがわかりにくいだけ。

雉真の会社は実は良心的な消費者金融のだったりする。

返済を求めるのは厳しく、

お金を借りにくる客に厳しい口調であっても

本当にここで借りるしか道がないのか、

もっと安く自治体で借りられることができるかもしれない、

ただ制度を知らないだけだろう、と

口は悪いが懇々と相手を諭したりしているんだよ。

銀行員になれば良かったのに‥‥と思ってしまうほど。

 

そして雉真は本当に琉星のことが好きで、

しかもかなり昔から彼のことが好きだったのだ。

もちろん催眠術なんてかかってませんよw

実は琉星には夜の公園が怖いというトラウマがある。

大人になっても怖くて一人で公園を通ることができない。

このトラウマに関わっていたのが

雉真だったりするんだよね。

まだ小学生だった琉星はあることがきっかけで

高校生の雉真と公園で話すようになる。

ある日雉真だと思って近づいた男が変質者で

琉星は襲われそうになったところを雉真に助けてもらう。

だけどこの怖い経験が公園を怖いと思うようになり、

それと同時に雉真のことも忘れてしまうことになってしまった。

 

過去に出会っていた二人が

大人になって再会、しかも借金取りと債務者として(まぁ琉星は厳密には被害者だけど)。

怖い人かと思ったらこと琉星には激甘な雉真も私的にはツボでした。

二人の関係性がとてもいいよね。

 

H度ドキドキドキドキドキドキ

ストーリー度満月満月満月やや欠け月