それは毒を喰らい毒を溜め込み
美しくなる妖鳥ーーー




初読み作家さまですーー!
大当たりーーーーーークラッカー

面白かったーー!
これを機に文善さんに注目です!
ストーリーも良かったけれど、
全編カラーで読んでいるような、
そんな錯覚をさせるような鮮やかで美しい紙面でした。

鴆と呼ばれる妖鳥とその鴆ツァイホンを管理する武官であり鴆飼でもあるフェイ。
フェイのツァイホンに対する感情はとても複雑なのよね。
ラストまでどうなるのかな?と思わせてくれたので、
最後まで楽しめましたよーー!


文善 やよひ著コミック「鴆ージェンー」

鴆-ジェン- (Canna Comics)/プランタン出版
¥734 Amazon.co.jp
将軍×人外!いつも澄ました顔してるくせに、私相手でも勃つじゃないか。
この国には、鴆(ジェン)という鳥人がいる。有毒の食物を好んで食べ、体内に溜め込んだ"毒"を"色"に変えると、鮮やかで美しい羽根をつくる。毒の強さは鴆の誇りだった。しかし、いつしか人々はその羽根の美しさに魅せられ、より美しい鴆を飼うことをステータスとするようになり……。一番美しい鴆と名高いツァイホンと、かつてツァイホンの毒によって兄を殺されたフェイ将軍。憎しみと愛が交わる人外BL――!



鴆はもともと中国の伝説上の猛毒を持つ鳥なのです。
古い文献にはこの鴆の羽を酒につけた鴆毒での毒殺記録が
多くあるようですね。
でも伝説や伝承上だけのものとも言えないのかな。
実際にパプアニューギニアにはピトフーイという毒鳥がいるんですよー。
私は知らなかったけど・・。
毒を持つ生物は警告色として鮮やかな色をまとうものが多いですよね。
この漫画の主人公でもある鴆も、
毒性が強ければ強いほど鮮やかで美しい羽を持つようになる。
だからどれだけ危険であっても、美しい鴆を持つことは
権威の象徴ともいえるのだ。
うーむ、いつの世もお金持ちの考えは同じですねー。


武官のフェイは兄の死の知らせを受け、
鴆飼だった兄が最後に育てた鴆ツァイホンの面倒をみることになる。
しかしこのツァイホンこそが、兄をその毒の牙で殺害した本人なのだ。
ツァイホンは兄が丹誠こめて育てた稀にみる美しい鳥だった。
兄が死ぬ前に書いたと思われる手紙には
ツァイホンをフェイの上官に譲ることが記され、
何があってもツァイホンが処分されぬようにと書かれていた。
上官からの依頼もあって、
もともと兄と共に鴆飼であったフェイはツァイホンの飼育係となる。
気位が高く、我がままなツァイホンに振り回される他の鴆飼だったが、
フェイは兄を殺したツァイホンに兄の最後の頼みを聞きたいという気持ちと
兄を殺した張本人という憎しみの複雑な心境のなかにいた。
しかし、ツァイホンが兄に本当に懐いていたこと、
身体を壊していた兄をツァイホンが献身的に支えていたこと、
今でも本当は兄を思って寂しく思っていることなどを知ったフェイは、
ツァイホンに自分の身の上を話すのだった。
フェイもまた鴆飼であったが、自分に懐いてくれていた鴆が
自分の毒でフェイを苦しめたくないと食事も人間と同じようなものをとっていた。
毒を持つ草花を食すことで羽の色や艶が美しくなる鴆。
それを食べないということは体内に留める毒は薄くはなるが、見目が劣ってしまうのだ。
そして毒抜きほど鴆を苦しめるものもない。
そんな鴆を可愛がっていたフェイは、性格の良い鴆だから客の元でもきっと可愛がってもらえると、
その鴆を売ったのだったが、見目の悪い鴆は用無しであると、殺/されてしまうのだった。
以降フェイは鴆飼をやめ武官に、兄はならばそんな悲しい思いを鴆にさせないようにと
誰よりも美しい鴆を育てることに心血を注ぐのだった。
フェイの身の上を聞いてツァイホンもまた、兄の死の真相を話し出し・・・・


最初にも書いたようにモノクロの紙面が
カラーで見えるかのように緻密で美しい絵柄でした。
いっちばん最初に思ったのが
描くのが大変だろうなぁってw

ツァイホンのツンデレ具合がとっても良かった!
私的にはツボですねグッド!
最初は本当にフェイに対して敵意剥き出しというか、
毒を持つその牙で脅したりしていたのよね〜。
だけどフェイの兄との生活っぷりを知ると
とっても可愛いツァイホンなのです!
だからこそなぜその兄を殺/害してしまったのか?
私は本当はツァイホンは殺してはいないんじゃないか?と思っていたんだけど、
これははずれでしたw
じゃあ、なぜあんなにフェイの兄に懐いていたツァイホンが
彼を殺してしまったのか・・・
これが一つの謎でもあり、ストーリーの大きな鍵となるものなんですねー!


ネタバレになるけど、
兄が身体を壊したのは実はツァイホンの毒にやられていたからなのね。
もちろん、ツァイホンは何もしてませんよ。
ツァイホンは寂しがり屋でよく夜鳴きをする子だったの。
その度に兄は寝かしつけたりして常に一緒にいたんだよね。
でも猛毒である鴆の毒は、徐々に彼の身体を蝕み始めたの。
薬をもってしてももう手の施し様がないくらいに・・・
あとはもう死ぬまで鴆の毒に苦しんで苦しんで生きていくしかない。
その事実をツァイホンは知ってしまうんですね。
大好きな人が自分の毒で苦しんでしまう。
ある日倒れてしまったフェイの兄を見てツァイホンは決意をするのよ。
自分で「けじめ」をつけなくては・・と。
そしてその後は誰も自分に近づかないよう、
誰ももう自分の毒で苦しまないよう、
高圧的で好戦的なキャラを演じていたんですね。

それを知っちゃったら、何なのー、もうこの子の健気さは!!!
って逆に愛おしさ倍増しちゃうじゃない!!

本当のツァイホンは優しくて寂しがり屋で健気で可愛い子なのです!

だけどさ〜、これって一応はBLじゃない?
でも毒を持っているとHなんてできやしないので、
この二人はどうやって結ばれるんだろう?と思っていたのよ。

そうしたら・・・・
ラストにもやられてしまいました!!

元は健気っ子ですよ。ツァイホンは。
そうすると彼のとった道は・・・・


身体から毒をすべて抜く事なのです!


だけど、上記に書いたように、
毒抜きは鴆にとってはとっても苦しいこと。
だけど、フェイへの愛が勝ったのでしょうねー。
ラストの一コマは本当に印象深かった!

七色に輝いていたツァイホンの自慢の羽は
全身見事に雪のように真っ白になっていたんですねー。
愛の力です!


ところで毒抜きは、
食事を人間食にするだけではありません。
そこはBL。
精抜きも立派な毒抜きになるのw
だから綺麗な鴆のままでいるということは精通もさせちゃあいかんのだよww

描き下しは、その後の二人でしたー!

真っ白になっても自分の毒でフェイがやられてしまうのではと
怖がっているツァイホン。
だけど、とうとう一線を越える日がやってくる・・・という、
精抜きはちょいちょいやっておりましたが、
初Hは描き下しとなりましたーww


ただ一つ気になっていたところがあるのだ。
鴆は羽があるけれど、毛で覆われているのは
頭と羽と尾なのね。あとは人と変わりない。
足の爪は鳥のものだけど。
あと、腕はありません。そこは天使ではないので、腕が羽なのです。
だからご飯は基本食べさせてもらっている。
ということで鴆はお洋服を着てます。
でも腕がないから当然自分では着ることができないよねー。
トイレ・・・・どうしているのかしら・・・というのが
私の一番気になったところなのでした☆


H度ドキドキドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月満月




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