巧 | 1G1A

『堀池君、堀池君!』


「・・・ん?  うわー ば、化け物~!」


『ワタシだよ ワタシ  ほらほら』


「そ、その強烈なスピンを加えたリフティングは…セ、セルジオさん・・・?」


『何言ってるんだよ堀池ちゃーん よーく見てよー よーく』


「え? ・・・松木さん?」


『いえ違いますよ ピッチサイドの堀池さん』


「・・・角ちゃん? ・・・一体あなた誰ですか?」


『ワタシの名前は角ジオ安太郎』


「・・・」


『テレビ朝日が経費削減の為に僕たちを一体化させたんです』


「一体化・・・?」


『つまりアレだよあれ 実況とW解説が一人で出来ちゃうんですねー あっはっは やるねーテレ朝』


「・・・」


『特にアウェー戦で効果を発揮するだろうな 飛行機代も一人分だし』


「いや・・・ 明らかに そ、その姿では飛行機も何も・・・」


『ただ松木さん まだ完全体とは言えないんじゃないですか?』


「・・・」


『そうですねー 何かが足りないな何かが』


「・・・」


『冷静にピッチから状況を伝える力が必要となるだろうな ワタシはともかく二人はすぐに熱くなってしまうから』


「ひ、ひ~ 喋るたびに顔が変化してる・・・」


『そういう訳で堀池ちゃん 君も吸収させてもらうよ』


「や、やめて・・・」


『どうなるんでしょうね松木さん 堀池巧を加えた角ジオ安太郎は』


「助けてください・・・」


『そうですねー セル池角太郎あたりでいいんじゃないの?』


「い・・・嫌だー 助けてー」


『さあ堀池君 ワタシ達と一緒になろう さあおいで』


「誰か助けてー!」


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・ふー


・・・夢か・・・

 

えー 気持ち悪すぎる夢から見事に脱出した自分にです