パイロットの立場から今回の事故を見る。
今回の調布飛行場での事故 まずは犠牲者の皆様のご冥福をお祈りします。
さて、今回の事故にはパイロットにしかわからない心理的な盲点が隠されていると思います。
事故の原因はズバリ 離陸時のスピード不足。
その理由はいろいろ言われてますが、高温多湿だった、エンジンが不調だった、重量が多すぎた のどれか 全部であろう。
その結果パイロットは十分に加速していない状態で操縦桿を引いてしまい、操縦不能に近い状態で空港に戻ろうと旋回して失速 墜落 というのが私の読みだ。(十分スピードが出てない状態での急旋回 それも離陸直後は致命的)
しかし、そんな事はパイロットなら誰でも知っている。離陸には エアースピードという 前方から受ける風をがどれだけ大切かという事も。
そこで、盲点とは
飛行機にはセスナ172やゼロ戦のような エンジンがひとつで前方に付いている 単発 またはシングルエンジンと呼ばれるタイプのものと、エンジンが二つ以上羽根に付いている多発 マルチエンジンタイプがある。安全を考えて定期運行には多発が採用されているのが先進国のスタンダードである。(途上国は例外あり)
私は両方操縦できるのだが、単発を操縦し離陸する際に滑走路が終わるまでに離陸に必要なスピードに達しないだろうなんて事はエンジンが普通に回ってかぎり考えない。つまり、エンジンをひとたびフルにしたら空に上がる事だけ考える。
えっ普通そうじゃないの?って声が聞こえて来そうだが、実は二つ以上のエンジンの飛行機を操縦する場合 離陸時 パイロットの心理は「いつエンジン止まるか、止まったらどうするか、滑走路足りてるか 」など 結構ドキドキしながら離陸してるのである。
つまり、離陸時に十分なパワーとスピードが出てない状態をいつも頭に入れいつでも離陸を取りやめる準備が出来ているのである。
しかし、単発では 空港は通常 多発の飛行機のために作られてて 多少計算ミスしても 重くても 距離十分過ぎるほど長く 離陸時に離陸速度まで達しないなんで事は頭にない。(本当はダメだけどね。私もそうでした。反省します。
でもグアムでセスナで離陸したら 通常 2kmくらい滑走路余ってるもんねー)
つまり、単発はいつも余裕のよっちゃんで離陸し スピードが足らなくなり、滑走路もなくなるなんて考えずに離陸する毎日。
それに対し 多発のパイロットは いつ止まるか 離陸速度は 滑走路の長さはとビクビクしながら飛ぶ毎日。(実際訓練ではどっちかのエンジン教官に止められる!離陸時に!ぎゃー)
このパイロット心理による油断が今回の事故に繋がったと見てます。
ではまた。
http://www.asahi.com/…/artic…/video/ASH7W3DF0H7WULZU006.html