遅くなりましたがレッスルキングダムの感想をたっぷりと。
ちなみに会場入りが遅かったので第0試合は見ていません。

第1試合 IWGPタッグ選手権試合 3WAYマッチ 60分1本勝負
[王者]ジャイアント・バーナード&カール・アンダーソン
VS
[挑戦者]ジェームス・ストーム&ロバート・ルード
VS
[挑戦者]中西学&ストロングマン

第1試合目からIWGPタッグって、ずいぶんとIWGPタッグの価値が下がってしまったなぁとは思いつつ、まぁ他のカードの注目度からすると仕方ない位置だろうか。
今回、総合的にも言えるのは映像や入場演出をとっても頑張っていたということ。
才能のある映像クリエイターを入れているのでしょう。やはり観客の気持ちを煽る映像ってのは大事なもので、PRIDEやDREAMの佐藤氏なんかは既に伝説化しているけど、新日本もなかなかなレベルになってきているな。
そんな中でも実は、今大会でさりげなく一番「お!」と思った演出はカール・アンダーソンの入場時にお得意のマシンガンぶっ放しの動きをしたんですが、その際に銃口が向けられた入場ゲートのビジョンに弾丸が撃ち込まれた跡がたくさん付いたんです。この演出、素晴らしいよ!
こういうところに遊び心を入れれるかどうかって、とっても大事。感心しました。
試合内容は、3WAYなので見る側も混乱しますが、印象的なのはストロングマンがバーナードをリフトアップで持ち上げたシーンかな。バーナード持ち上げるって、単純に凄いよ。
ただ、元々3WAYがあまり好きじゃないし、しかもタイトルマッチでやるってがどうかと思うんですね。だって、前にもそういう試合あったけど挑戦者と挑戦者の間で決着がついてベルト移動っていう王者が絡まない決着だってあるわけで、それはどうかと思ったりしますね。
ちなみに結果的にバーナード&アンダーソンが勝ったので、よかったんだけど、本当は中西&ストロングマンが勝つのかなぁと思ってました。だって昨年度のプロレス大賞取ったタッグだからね。ちょっと意外な結末。


第2試合 ROAD TO FANTASTICAMANIA 30分1本勝負
獣神サンダー・ライガー&エクトール・ガルザ
VS
マスカラ・ドラダ&ラ・ソンブラ

昨年から参戦し、面白い試合を繰り広げているドラダ&ソンブラ。
そこにライガーとガルザが加わり、メキシコのルチャを思う存分楽しめる試合だった。
メキシカンの試合は、想定外な動きが出てくるから面白い。
日本のプロレスの教科書にはない動きが出るから楽しいね。
「お!」「すげ!」という声を上げやすいし、単純に楽しめる。
今回、ライガーがピンフォールを取られたのは驚いたけどね。


第3試合 DEEP SLEEP TO LOSE 無制限1本勝負
天山広吉
VS
飯塚高史

何かと因縁が続くこの二人。今回のルールはどちらかが失神するまでやる!というもの。
天山人気は高い。そして飯塚のアナウンサー襲撃は相変わらず面白い。
ただ、試合内容はどうだっただろう?実はあまり印象に残ってない。
最後はアナコンダクロスでTKOとなったけど、正直「失神」という究極の状態になるまでの「死闘」とはなっていない。そもそも完全に意識確認する動きをレフェリーがしないままにゴングが鳴ってしまった。そこ、凄く大事なとこ。よく腕を上げて、3回「ダラ~っ」と落ちてきたら「失神」と判断するけど、それもなく終わってしまった。どうも煮え切らない内容だったなぁ。


第4試合 NJPW-TNA Greatest Showcase ハードコアマッチルール 30分1本勝負
ロブ・ヴァン・ダム
VS
矢野通

RVD新日本初参戦。やはりアメリカのトップでやってきただけあって、華がある。
入場時からなんともかっこいい。
で、相手の矢野もキャラが立ってて良い感じ。
対極になるようなキャラの2人だからこそ面白かった。
凶器も使い放題だし、アルミの柔らかそうな(笑)ゴミ箱が登場したり、ラダーが登場したり、まさにアメリカンプロレス!って感じで楽しめた。
ある意味で痛みの伝わるプロレスだし、観客も感情移入しやすいね。


第5試合 NO JUSTICE, NO LIFE 30分1本勝負
永田裕志
VS
鈴木みのる

やはり鈴木のプロレスラーとしての良い匂いっていうか、オーラっていうか、一流だ。
VTRから入場から「面白い」し「かっこいい」。
これが出来るのって他には武藤敬司くらいなのかもしれない。
一方の永田はあの白目がお約束になり、もはやもう新喜劇的なものになってきた。
猪木さんが見たら怒りそうだけど、まぁ観客もそれを求めているし、とてもいいんじゃないでしょうか、白目!
内容的にもこの2人は噛み合うし、意地のぶつかり合いが生まれるし、安心して見れる。
ただ、あのバックドロップホールドを返していたら、もっとこの試合の質が上がったように思った。
あ、終わる!と思わせておいて終わらせないのって、単純にお客さんは好きだからね。


第6試合 IWGP Jr.ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王者]プリンス・デヴィット
VS
[挑戦者]飯伏幸太

やはり極上の試合になった。
戦前からハードル上がりきってる試合なんだけど、ちゃんとそれを超えるってのが素晴らしい!!
2人の相性も抜群だし、何も言うことなし!
日本のジュニアのレベル、すげーよ。


第7試合 NJPWvs.NOAH Battle Combustion I 30分1本勝負
後藤洋央紀&岡田かずちか
VS
杉浦貴&高山善廣

この試合、もちろん岡田のための試合。
一時帰国したわけで、どれだけ成長したかを見せる試合。
だいたいそういう試合ってのは、その選手が爆発するもの。
しかし、岡田は爆発しなかった。
いや、もちろん相手が強すぎたっていうのがあるけど、とても意外だった。
正直、厳しいことを言えば何も爪あとを残せていない。
VTRで高山、杉浦に小ばかにされたのをひっくり返せなかった。
まだまだ修行が足りないということなんだね。
岡田は身長もあるし、ルックスもいいし、スターになれる逸材だからもう一度アメリカで修行積んで、ビッグになって帰ってきてほしい。
そして、いつか高山や杉浦とのシングルでリベンジを果たしてほしい!


第8試合 TNA世界ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王者]ジェフ・ハーディー
VS
[挑戦者]内藤哲也

この試合。とっても良くなかった…。
ジェフはトップクラスのレスラーだし、満を持して新日本も呼んで、たぶんギャラも張ったはず。
ただ、試合内容はジェフのスタミナが切れたのか、途中で何かしら怪我を負ったのか、覇気のないものに。それを内藤がカバーできればよかったけど、それも出来ず、なんだかなぁという内容に。
そもそも、ジェフ・ハーディーというレスラーの知名度ってのが無かったように思う。
自分はWWEでの試合は見たことあるし、TNAの試合は雑誌で追ってるし、どれだけ凄いレスラーかってのは分かるけど、新日本ファンにとっては何の脈絡もなくいきなりの参戦だし、「誰?」という空気はあったと思う。だから全く感情移入ができない。
ということは、ハイレベルな攻防で心を掴むしかないんだけど、そっちもダメだった…。
入場時のかっこよさは抜群だったけど、そこがハイライト。期待してただけに残念。
あと、内藤のTシャツでのファイトには「喝!」です。


第9試合 NJPWvs.NOAH Battle Combustion II 30分1本勝負
中邑真輔
VS
潮崎豪

この2人の試合は外さないだろうと思ってたし、実際に好勝負だった。
うん、良い試合だった。
でも欲を言えば、それ以上のものが見たかった。
中邑というレスラーが難しいのは、実はその部分なのかもしれない。
「決める!」ところで、決めるんです。当たり前なのかもしれないけど、引っ張って引っ張って、2・9をたくさん見せてから決めるというのがもう少し見たい。
ボマイエ決まったらおしまいっていう感じだけど、これ冷静に考えると膝蹴りなんで、その一発でフィニッシュするよりも、もっと違ったフィニッシュが見たかったりもする。
まぁ、平均点な試合は必ずやってくれるからいいんだけど、欲を言うとです。


第10試合 The Absolute Exhaust 30分1本勝負
真壁刀義
VS
田中将斗


この試合は「机」につきます。
そして真壁が田中に放った、場外の机へのパワーボム。
これがこの試合の全て。
あれを見れればいいんです。
他の攻防とかあんまり覚えてないもん。
一個、そういう衝撃があればだいたい満足です。
そもそもこの2人の試合ってのは今まで何度も見てきたし、飽きってのもあるにはある。
でも、そういう衝撃的なシーンを1個見れればOKです。
良い試合だった!



第11試合 IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王者]小島聡
VS
[挑戦者]棚橋弘至

まず、試合前に歴代王者の写真が出る煽り方はいいね!
テンション上がる。あ~、安田もチャンピオンだったんだぁという思い出しもできるし(笑)。
試合ですが、小島へのブーイングが意外と多いね。
G1の時は小島への声援を送っていたファンも、IWGP獲ったあたりから小島ブーイングになっていった。小島も新日本を挑発してたし、実力を大きく認めているからこそのブーイングだ。
そういう棚橋頑張れ!というムードの中でのこの試合は、非常に良い環境。
そして、奪還を任される棚橋さんはやはり新日本のエースなんだなぁ。
実際にトークライブでご一緒してるけど、棚橋さんから出る「陽」のオーラって人を幸せにするのでしょう。また、キャラを振り切ってるからそれもまた良いし、華もあるし・・・。
あと、思ったのはやっぱりあの美しい身体だね。
歴代の日本人レスラーの中で、あれだけの身体のレスラーっていたかな?
あんまり記憶がない。ジュニアにはいるかもしれないけど、ヘビーで、胸に厚みもあって、腹筋バキバキな漫画のような肉体って、貴重だと思う。ストイックの塊ですよね。素晴らしいです。
内容的にも、IWGP戦らしい良い試合だったと思います。
ただ、実は、予想は小島が勝つと思ってたんです。そううまくはいかないよ!っていう結末だと思ってた。そしてもう少し小島政権を引っ張ると思ってた。しかし、棚橋さん獲った。その「意外性」も面白かった。しっかりハッピーエンド!
これで、IWGPベルト持参のトークライブ、あるかな?楽しみ。



最後に。
私は1・4に関しては92年と、96年から今年まで欠かさず観戦しています。
1・4以外にも新日本のドームは、91年や95年のUインター対抗戦、4月とか10月とかにやってたドームは全て観戦してきました。
昔の良い時代を見てきた者からすると、どうしても2階席の閉鎖とかは寂しさも感じ、その当時の会場の熱と比べると、雲泥の差が生まれてしまう。
そんなこと言ったって仕方ないし、だからといってドーム撤退というのはプロレス界の風物詩として反対。
だけど、あの時代の凄さを忘れられないから、どうしても気になっちゃうんですね。
何かドームを埋める方法はないのだろうか?ないのかなぁ。
オールスター戦みたいなことやったって難しいのかなぁ。
どうにも解決策は見つからない。
一番の解決策は、古い頭を捨て、割り切って見ることなのかな。


でも、全体的に内容は良かったし、とっても満足はしています。

また来年のドームを楽しみに生きます!!