8月1日(金)

7月はフェスに行ったこと以外に、これと言って本を読めなかった要因は思いつかないけれど、なんとか20冊を読めたという感じ。
やっぱり本を読むペースが衰えているんだろうなあ。
以前は1時間に100ページペースで読めていたけれど、今は60ページ読めるかどうか。
これでは1日1冊はなかなか難しいもんなあ。

とはいえ★5つは5冊。
面白く読めているのが一番ではないか、と思ったりもしている。

『書楼弔堂』の『炎昼』と『待宵』。
数年前にあった明治150年の頃、仕事で明治政府の仕事について調べたので、物語のベースの部分が割と読み取れたのではないかと思っている。
それとは別に、明治という時代に起こった出来事を重ねることで、時代の流れが見えてくる書き方がされていて、「本」と「人」を書きながら、明治という時代を通して今という時代に対する作者の思いが、強く表現されているシリーズと思う。
最優秀助演男優賞は勝海舟で。

『ワイルドサイドをほっつき歩け』
イギリスの労働階級の現状を書きながら、日本の現状をも浮かび上がらせていると思う。
「ゆりかごから墓場まで」のイギリスには及ばなかったけれども、日本も「一億総中流時代」は金持ちがいない前提で、それなりに国民に還元されるような政策がとられていた。
働いた分だけ評価されるという甘言に乗せられて自分は勝ち組になると夢想した結果、国に切り捨てられた福祉や教育行政が、国民の生活をものすごく圧迫しているのが現在。

『自転しながら公転する』『水車小屋のネネ』は、多少ドラマチックな部分があるとはいえ、ごく普通の人々が普通に日々を送っている、というだけの小説なのに、とても引き付けられる作品だった。
暮らしに余裕があるわけではないけれど、誠実に生きる人たちの姿はすがすがしく、思うに任せないことにぶつかることによって周囲が見え、そして成長できる。
そんな主人公たちの姿を読むことは、読書の醍醐味以外の何物でもない。

7月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:9080
ナイス数:669


BANANA FISH (8) (小学館文庫 よA 18)BANANA FISH (8) (小学館文庫 よA 18)感想
アッシュってすごいんだな、と改めて思い知ったのは、中国マフィアの重鎮であった兄をさっさと廃人にし、そのほかの兄弟を惨殺していったユーシスが、アッシュが絡むと小物に見えてしょうがないから。アッシュはもう、英二さえ無事でいてくれたら、自分の命なんてどうでもいいんだな。英二もいろいろ動いているけれど、彼の力で何とかなる相手ではないし、なんだかアッシュの命の火が消えていきそうで怖い。
読了日:07月01日 著者:吉田 秋生

QED 神器封殺 (講談社文庫 た 88-17)QED 神器封殺 (講談社文庫 た 88-17)感想
今回は全国にある神社が、ある意図をもって配置されているというタタルの説が最後に開陳されるけど、実際のところどうなのだろう。例えば仏教だと宗派ごとにトップがあるけれど、神道ってその辺がどうなっているのかわからない。もし、古来から天皇及び朝廷が神道を取りまとめてきたのであれば、神社の設置位置はかなり図章的なものになってもおかしくはない。けれど、その時その時の都合で置かれたものならば、偶然だろう。改めて自分の知識のなさに愕然としたけれど、何がわかっていないのかがわかったことが、今回の収穫なのかもしれない。★★★★☆
読了日:07月03日 著者:高田 崇史

受け月 (講談社文庫 い 63-19)受け月 (講談社文庫 い 63-19)感想
思う通りにならなかった人生の、ちょっとした瞬間。それはまるで人生の夕暮れのような、切ない痛みを伴う後悔にも似た。その感覚と野球とは、なぜかとてもしっくりするものを感じる。受け月に願い事をすると、願い事がこぼれないで叶うのだという。(表題作)長い人生の中で、自分の力を信じ、恃み、決して他者に頼ろうと思ったことのない、草野球の老監督が、引退したときに願ったものの優しさ。そして、「婆さんを忘れてたな」と思いつつ、引き返すのも面倒なので、「近いうちに、どこか旅行にでも連れてってやろう」と思う一連の流れが好きだ。★★★★☆
読了日:07月04日 著者:伊集院 静

ナースのお仕事 1 (扶桑社文庫 え 3-1)ナースのお仕事 1 (扶桑社文庫 え 3-1)感想
人気ドラマのノベライズですが、実はこのドラマを見たことはありません。「ドラマもいいけどノベライズもあるよ」と言われたので借りて読んだ。が、原作のないドラマだからなのか、ドラマとマンガの違いなのかは判りませんが、ちょっとこの朝倉いずみという看護婦は、度を越えているような気がします。新人なので、要領が悪いとか注射が下手とか、そういうのはいいんです。でもいくら新人だからと言って、心臓と肝臓の位置を間違えるのは、やりすぎでしょう。あと、恋愛依存度高めの登場人物たちにも、あまり好感は持てませんでした。★★★★☆
読了日:07月06日 著者:江頭 美智留,波多野 鷹

ゴーレムの挑戦―摩法の国ザンス〈9〉 (ハヤカワ文庫FT)ゴーレムの挑戦―摩法の国ザンス〈9〉 (ハヤカワ文庫FT)感想
どんな生き物の言葉も理解し、語ることができるゴーレムのグランディ。もともとは木切れと布でできたものだったが、魔法の力で命を得たけれど、体のサイズは変わらなかったので、いまだに人々から軽く扱われている。というわけで、今度の旅は通訳ではなく、リーダーとして出かけることになる。このシリーズはどれも自分探しの冒険であり、ボーイ・ミーツ・ガールの話でもある。そしてグランディが幸せになるところで、このシリーズの第一期が終了。正直言って、いい大人がワクワク読むような本ではないと思うけれど、それでも面白いんだよ。★★★★☆
読了日:07月07日 著者:ピアズ アンソニイ

文庫版 書楼弔堂 炎昼 (集英社文庫)文庫版 書楼弔堂 炎昼 (集英社文庫)感想
多分作者が描きたかったのは、柳田國男が民俗学の入り口に立つまでの、煩悶する姿だったのではないかと思う。が、白眉は乃木希典を描いた『無常』だろう。ここでは、客である乃木希典は多くを語らず、店主の方が強く厳しく客を諫める。これほど強く、店主が客にものを言ったことがあっただろうか。旧知の仲とはいえ、あまりにも厳しい物言いに読んでいるこちらの方が怯みそうになるが、この店主の言に対して乃木希典が行ったことは歴史の知る通り。女学生の平塚らいてうが出てくる『変節』もまた、面白かった。いつもより体温高めの京極夏彦でした。★★★★★
読了日:07月08日 著者:京極 夏彦

マスカレード・ゲーム (集英社文庫)マスカレード・ゲーム (集英社文庫)感想
今回は本格ミステリというよりは社会派寄りの事件だった。事件に巻き込まれ亡くなった被害者遺族たちが、ホテル・コルテシア東京に集まる。その目的は?やり場のない怒りを犯人にぶつけようにも、犯人は法律によって守られている。しかし恨みを抱き続けることは、心身がすり減るような辛さがある。事件は解決したもののいろいろあって、今後このシリーズは形を変えて続くという解釈でいいのでしょうか?新田vs山岸がこのシリーズの肝だったけれど、今回は新田vs梓だったわけで、再び新田vs山岸に戻せるかどうかがカギだと思う。★★★★☆
読了日:07月10日 著者:東野 圭吾

蒼色の大地 (単行本)蒼色の大地 (単行本)感想
〈螺旋プロジェクト〉の一冊。また組織の対立か…と思った。けれど今作は組織の中にいる個人の話だった。組織を動かすのも巻き込まれるのも個人、組織の暴走を止めようとするのも個人。灯(あかし)は青い目を持っていたため、村八分にされている。ただ一人彼に温かいまなざしを向けてくれたのは、鈴だった。しかし、育ててくれた爺が亡くなった後、灯は村を出た。灯は海族で鈴は山族なので、二人の思いとは裏腹に、憎悪・暴力・裏切りと辛いことが続いていく。ハッピーエンドとは決して言えない。でも、それでも…と希望が持てる終わり方。よき。★★★★☆
読了日:07月13日 著者:薬丸 岳

自転しながら公転する (新潮文庫)自転しながら公転する (新潮文庫)感想
32歳で独身の都が、母親の看病のため仕事をやめて地元に戻る。母が心配というのはもちろん本心だけれど、先が見えない不安もまた本心。時折挟まれる、母視点の章に、私の心はどんどん寄り添ってしまう。自分の思う通りにならない心と身体。人生まだ先が長いはずなのに、将来が見えない不安。心配してくれているのはわかるけれど、時に重たい家族という存在。母娘どちらの気持ちもわかるから、泣きそうになりながら読み進める。やっぱり山本文緒はいいよなあ、だけどもう新作は読めないんだなあ、と泣きたくなる。★★★★★
読了日:07月14日 著者:山本 文緒

つけびの村  噂が5人を殺したのか?つけびの村  噂が5人を殺したのか?感想
山口県の山奥、たった12人しか住んでいない集落で、5人の村人が惨殺された。犯人とされたのは、その村の出身で、40代の時に村に住む親の介護を理由に川崎市から戻ってきた男。しかし、彼は村の人たちと交流することはほとんどなく、一方的に噂の的となり嫌がらせを受けていたという。有意義な読書であったことは承知の上で、この本についてはいろいろ問題があると思う。生まれた場所をいまさら動くことができないような人たちが住んでいるこの場所を、噂と悪意に満ち溢れた場所として書くのは、結局誰のためにもなってはいないのではないか。★★★★☆
読了日:07月15日 著者:高橋ユキ(タカハシユキ)

QED~ventus~御霊将門 (講談社文庫 た 88-18)QED~ventus~御霊将門 (講談社文庫 た 88-18)感想
茨城県に住んでいたことがあるので、平将門は割とよく聞く歴史上の人物ではあったけれど、東京で聞く祟り神としての将門と、地元で愛される将門像のずれの理由はそういうことだったのかと納得する部分が多かった。坂東市(当時は岩井市)にある茨城県自然博物館にはよく行ったけれど、その周辺に史跡が多く残されているとは全然知らなかった。よくお土産に頂いていた「将門せんべい」(めっちゃ美味)が、要するに地元に愛されるヒーローである証拠のようなものなのね。とはいえ、延々将門に関する蘊蓄が続くのにはちょっとうんざり。★★★★☆
読了日:07月16日 著者:高田 崇史

ナースのお仕事〈2〉 (扶桑社文庫)ナースのお仕事〈2〉 (扶桑社文庫)感想
看護婦と医者、看護婦と研修医、看護婦と患者…疑似恋愛も含めると異性に対する好意は全て恋愛なのね。付き合ってもいないのに、担当看護婦と結婚することを勝手に決意する患者なんて、怖くてしょうがない。でも、それがドラマの醍醐味ならしょうがないけれど。許せないのは、医療従事者であること、つまり人の生死を扱っている仕事であることへの責任感が希薄なこと。ギャグばかりではなく、もうちょっとリアリティのある話にできなかったのだろうか。多分この先、このドラマを見ることはないなあ。★★★★☆
読了日:07月17日 著者:江頭 美智留,藤村 尚介

BANANA FISH (9) (小学館文庫 よA 19)BANANA FISH (9) (小学館文庫 よA 19)感想
食事もろくに取らず薬漬けのアッシュが、英二が助けに来ると聞いて正気を取り戻し、気力体力を振り絞ってディノの元から脱出する。英二もアッシュも自分よりまず相手を逃がすことを優先して動くが、それらのことごとくをブランカに見破られる。だんだん逃げ込める範囲が狭くなってきているようで、読んでいると息苦しくなってくる。
読了日:07月18日 著者:吉田 秋生

悪魔の挑発 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-10 魔法の国ザンス 10)悪魔の挑発 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-10 魔法の国ザンス 10)感想
今作から新シリーズということだったけど、今までの作品と全くの地続き。人喰い鬼のメリメリとニンフのタンディの息子エスクは、人喰い鬼としての自分のアイデンティティに悩んでいる。そしてセントールのチェクスもまた、父ザップがヒポグリフであるため、混血は認めないというセントールの掟の前で、祖父母にすら会わせてもらえないことに悩んでいる。やっぱり、冒険、友情、勝利の話なんよ。ジャンプのようだが、実はディズニーっぽい。ボーイミーツガールは友情と同じくらい尊い。表紙のエスクとチェクスは友情で、恋愛は意外な相手と。★★★★☆
読了日:07月21日 著者:ピアズ アンソニイ

黄泉のツガイ(10) (ガンガンコミックス)黄泉のツガイ(10) (ガンガンコミックス)感想
今まで明らかにされていなかった、東村の成り立ちが明かされる。それでもまだ、ヤマハがユルを殺すことなく手元に置いていた真意はわからないな。ユルたちにとって敵なのか味方なのか。逆にキョウカさん以外の東村の大人は、早くユルが死んでほしいと思っていることはわかった。さっさと殺してしまおうと思うか、いつ死ぬのか待っているかの違いで。善意で考えると、ヤマハはそんな大人たちからユルを守っていたとも言える。そしてアキオの母…恐ろしい。
読了日:07月21日 著者:荒川弘

すっぴん魂 (文春文庫 む 12-5)すっぴん魂 (文春文庫 む 12-5)感想
女優の室井滋って結構文章が上手いと聞いて、いつかは絶対読もうと決めていたエッセイ集。しかし読後の感想としては、文章が上手いというよりもエピソードが強い!ビビッドメイクのミニスカポリス(エピソードが強すぎてマンガに無断盗用されたらしい)、ファストフード店のLサイズの紙コップに入れたアルコール飲料を飲みながら高速道路を運転するタクシードライバー、ポルターガイストに「出て行け!」と怒鳴って、本当に隣の家に移動させた霊感の強い友達。「おばあさんになるまでに、すっぴんでも文句言われない女優になってやるんだ、絶対!」★★★★☆
読了日:07月22日 著者:室井 滋

コイコワレ (中公文庫 い 124-2)コイコワレ (中公文庫 い 124-2)感想
理屈ではなく、もっと本能に近いところで湧き上がる、嫌悪や憎悪。東京から疎開してきた清子も、疎開先の村にいたリツも、周囲の人たちからいじめられていたけれど、これほどの憎悪を感じる相手は今までいなかった。理屈ではないので、嫌うことを止めることはできない。けれど、それを律することを学べ。好きになることは出来なくても。二人はそれぞれ信頼する大人から、そう言われる。「嫌いだという感情をただぶつけるのは、お腹が空いたから泣く赤ん坊と同じ。憎しみを抱いても、争わないでいることはできるはずです。」★★★★☆
読了日:07月23日 著者:乾 ルカ

書楼弔堂 待宵書楼弔堂 待宵感想
明治三十五年となり江戸は遠くなってしまったが、今回の語り手は甘酒屋の弥蔵。幕末に人を殺すことを生業としていたようであり、生きることに禁欲的な生活をしている。狂言回しは近所の酒屋の次男坊で、高等遊民(絶賛就活中)の利吉。私は弥蔵の正体は新撰組の誰かなのではないかと思いながら読んでいた。弥蔵は、どんな大義名分があろうと、殺しはいけないと心の中で常に思っている。幕末からこっち、自分の心と折り合いがつけられていないのである。自分の国のことはもちろん大切だ。しかし、愛国とは何だ。異国を敵視することが愛国なのか。★★★★★
読了日:07月24日 著者:京極 夏彦

ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち (ちくま文庫 ふ-52-4)ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち (ちくま文庫 ふ-52-4)感想
私が子どもの頃イギリスは超福祉国家で、「ゆりかごから墓場まで」国が面倒を見てくれていた。しかし今のイギリスは、それまでもゆるゆると財政はひっ迫していたのだろうけれど、緊縮財政に舵を切って以降、雪崩を打つように社会の様相が激変してしまったらしい。無料の医療システムはどんどん利用しにくくなる。一日8時間働き、定年まで勤めあげたら悠々自適の老後を送ることができる私たち世代とは違い、ケガをしたり病気をすると一気に転落してしまう不安を抱えながら、何の保証もない雇用を目いっぱいこなしながら働き続ける若い世代。きつい。★★★★★
読了日:07月26日 著者:ブレイディ みかこ

BANANA FISH (10) (小学館文庫 よA 20)BANANA FISH (10) (小学館文庫 よA 20)感想
あと一冊で終わりというのに、どうやって決着をつけるつもりなのか、先が読めない。いくらアッシュの能力が高いとはいえ、見方は素人の若者たちなのだ。それに対して敵は資金力はあり、元軍属という殺しのプロだ。今は何とかやり過ごしても、このまま逃げ切れるとは思えない。それにしても感を重ねるごとに、月龍が小物に思えてくる。逆に英二がだんだんたくましくなってきたぞ。
読了日:07月26日 著者:吉田 秋生

水車小屋のネネ水車小屋のネネ感想
読み始めてすぐはネグレクトの話だったので、読み進めるのが辛かった。第一章の語り手は理佐、18歳。母とその婚約者にうんざりした理佐は家を出る決心をする。家賃補助のある家。10歳下の妹の律に「一緒に来る?」仕事は蕎麦屋の接客、水車小屋の仕事と鳥の世話じゃっかん。この街で暮らす理佐と律とヨウム(鳥)のネネの40年の話。読み始めの重苦しい気持ちから、読み終わりには爽やかな気持ちへと連れていかれた。いつもどこかに別れの気配を感じながら、だからこそ誠実に生き、縁を大切にする。とても良い読書となりました。★★★★★
読了日:07月27日 著者:津村 記久子

QED 河童伝説 (講談社文庫 た 88-19)QED 河童伝説 (講談社文庫 た 88-19)感想
シリーズ初期に比べると、歴史の蘊蓄よりも実際の事件の比重が格段に増えて、大変読みやすくなったと思う。今作のように、現実の事件を追いながら、そこにタタルの蘊蓄がちょっと重なるくらいだと、あまり彼の断定も煩わしくなく、蘊蓄に対して興味を持ったまま読み続けられる。今後もこのくらいの蘊蓄量でお願いしたい。事件については、簡単に人を殺し過ぎるなあ、という感じ。突発的なわりには毒薬準備してるし、でも行き当たりばったりだから、殺さずにすんだ人を何人殺してるのよ!ってなってる。なんとも胸が悪くなる殺害理由。★★★★☆
読了日:07月28日 著者:高田 崇史

すっぴん魂カッパ巻すっぴん魂カッパ巻感想
相変わらず、面白エピソードのタネが尽きない著者ですが、立て続けに読むとやはり飽きるかなあ。(まだ2冊目だけど)知り合いが何か面白い出来事にあったり、怖い話があったりすると、「わたしもね…」と似たようなエピソードがすぐ出てくるあたりがすごいと思うの。でも、温泉施設の職員に大浴場でリラックスしているところをのぞかれたというのは、笑い話にはなりませんよ。★★★★☆
読了日:07月29日 著者:室井 滋

王子と二人の婚約者 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-11 魔法の国ザンス 11)王子と二人の婚約者 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-11 魔法の国ザンス 11)感想
ハンフリー一家が失踪し、見つからないまま三年がたった!アイビィの弟ドルフは9歳で、大人の言うことなすことがとにかく気に入らない。今回の肝は、ドルフが子どもから少年へと成長していく中で、王子としての心構えを学んでいくこと。「結果は手段を正当化しない」。ということで、仲間を助けるため、ドルフは二人の少女と婚約する羽目になる。今回はまだハンフリー一家が見つかっていないので、それも含めて今後のお楽しみ。★★★★☆
読了日:07月31日 著者:ピアズ アンソニイ


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