ずーっと本ばかり読んでいた気がしましたが、マンガを抜けば20冊。
9月は楽しみにしているマンガの新刊が多くて大変だったんですよ。
マンガって新刊だけ読めばいいってもんじゃないですからね。

購入後読む。
すぐ再読する。
既刊に遡って再読する。
考察する。
再読する。…エンドレス
時間がいくらあっても足らん。

幸い夏季休暇で10かばかり家に引きこもっていたので、マンガばっかり読んでも何とかなりました。
今月はコナンの新刊も出るし、計画的に本を読もう。

さて、20冊中★5つは4冊。
『ドラゴンがいっぱい』はタイトルと表紙で損をしていると思います。
本当に面白いんだから。
ドラゴン版オースティン。
オースティン好きな人は、絶対読んで損がないんだけどなあ。

『泳ぐ者』
地味で静かな物語ですが、幕末という浮足立った時代の中で、損得を考えずに己のするべきことをこなし、人が抱える声なき思いをくみ取る主人公の姿がとても心地いいのです。
損得の話ばかりに人が飛びつき、噂や嘘に振り回されてしまいがちな時勢に、地に足がついている主人公をきちんと理解している上役や他部署のえらいさんがいるというのは、読んでいて安心できます。
青山文平。
見かけたらまた読もう。

『元年春之祭』
好き嫌いが分かれる本ではある、と思います。
漢についても、ましてや楚についても文化・風俗全く知りませんから、語られるうんちくのほとんどは、何のことやら、です。
でも、鼻持ちならないくらい生意気な小娘の少女である主人公は、確かに彼女のできるだけでもって連続殺人を止めようとしたし、不器用な友情に報いようとしていました。
なんであんなに人が死ななければならないのか、読後も私には理解できませんでしたが、文化を守ることと、時代が流れていくことの間に起こった悲劇だったのかな。

『どろぼうの神さま』
どろぼうの神さまの選んだ人生。
彼に後悔がないというのならとやかく言うことはないのかもしれないけれど、ちゃんと子どもとして生きられる時間が彼にもあればよかったのに、と思わざるを得ませんでした。
現在の日本に生きる大人としては、すべてがハッピーエンドとはいえませんが、子どもたちがそれぞれの頭で考えた自分の人生・生き方を否定することもまた、してはいけないのかもしれません。
児童文学ですが、奥が深かったです。

★2つも今月は2冊ありました。
『殺戮にいたる病』
グロテスクな描写が読んでいて本当にしんどくて、二度と読みたくないと強く思ったから。
でも作品としては優れているとは思っています。
『北緯43度のコールドケース』
小説としてまだ未熟というか、プロの作品ではないと思いました。
もっとプロットを整理して、ストーリーの流れをよくして、人の心の機微を丁寧に書いていれば読みやすくなったと思います。
事件そのものは目の付け所が良かっただけに、残念。

★とは無関係に、森谷明子の紫式部シリーズは続編が出ないかなーと思っています。
幸い宇治十帖までたどり着いていないし、作者も書きたいと言っているのだから、来年の大河を見据えてどうかひとつ。
私が好きなのは『千年の黙』の阿手木の子ども時代の事件と、『望月のあと』の、紫式部と和泉式部と阿手木が結託して、藤原道長の毒牙から瑠璃姫を守るところ。翻弄される道長が面白過ぎる。

9月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:5661
ナイス数:813


おどる12人のおひめさま<新版> (海外秀作絵本)おどる12人のおひめさま<新版> (海外秀作絵本)感想
もう表紙を見ただけでうっとりできる、美しいおひめさまたちがたくさん出てくる絵本。ストーリーはグリム童話でおなじみのものなので、とにかく絵の美しさを堪能しました。一着一着違うドレスのデザイン、柄。おひめさまの髪型。お部屋のじゅうたん、森の様子。文章のページの背景の模様。内田善美のイラストが好きだった方は、ぜひ。★★★★☆
読了日:09月02日 著者:

3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス)3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス)感想
家族も友人も居場所も持たない、名前の通り零だった桐山零に、今は家族のような存在も、友人も、恩師も先輩も、そして彼女もできた。人間桐山零の物語としてはこれで完結してもいいのだけれど、棋士としての桐山零の話にどう落としどころを持ってくるのか?「人間なら倒せる」と思う島田八段に負けて立ち上がってもいいし、勝ってその先を目指してもいい。将棋にしか居場所がなくて将棋にしがみついていた頃と違って、今の桐山零は自然に柔軟に強かに将棋を指しているような気がするから。
読了日:09月03日 著者:羽海野チカ

ドラゴンがいっぱい!―アゴールニン家の遺産相続奮闘記 (ハヤカワ文庫FT)ドラゴンがいっぱい!―アゴールニン家の遺産相続奮闘記 (ハヤカワ文庫FT)感想
最初はドラゴンの社会というのがよく分からなくて戸惑いますが、慣れるとこれがいろいろと伏線になっていることがわかります。まず、ドラゴンたちは共食いをします。さらに、鱗の色が成長とともに変わります。そして何事にも金が物言う社会です。というわけで、アゴールニン家の兄弟姉妹の話です。ここからが本題。恋愛や身分や訴訟やあれこれが複雑に絡んで、めっちゃ面白いの!さながらジェーン・オースティンの世界なのよ!オースティンなので勧善懲悪、大団円(嫁姑問題は除く)は保証されてます。彼女の作品が好きな人には、超絶おすすめ。★★★★★
読了日:09月04日 著者:ジョー ウォルトン

触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉 (新潮エンターテインメント倶楽部)触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉 (新潮エンターテインメント倶楽部)感想
最初の『秘供養』の死因が、『ウロボロスの偽書』の最初の殺人方法と同じで、のっけからげんなりしてしまった。が、シリーズの流れとしては、フィールドワークだけではなく大学の内部の事件や、研究会でのじけんなど、東敬大学の教授としての蓮丈那智の姿が立体的になってきた。それとともに、狐目の教務部の予算担当者と蓮丈那智の関係が少し明かされて、シリーズの今後が楽しみ。北森鴻は何度も何度も製鉄技術者と権力者との関係性を書き続けているので、ライフワークなんだろうなあ。★★★★☆
読了日:09月05日 著者:北森 鴻

泳ぐ者泳ぐ者感想
以前読んだ『半席』が面白かったので、続編であるこの本はとても楽しみだった。『半席』は短編集だったが、これは長編。主人公の片岡直人は旗本への出世を目指すことを辞め、御家人として徒目付として、事件を起こしてしまった人の「なぜ」を見極めることを心に決めて『半席』は終わったが、今作で直人は体を壊している。どうも「謎」を探る「頼まれ御用」で初めてしくじりをしてしまい、やる気が失せて、体も不調を訴えているらしい。直人は「なぜ」を見誤った結果、最悪の事態を引き起こしてしまう。不穏な幕末を迎え、直人の愚直さが清々しい。★★★★★
読了日:09月06日 著者:青山 文平

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)感想
上巻の最後、唐突に犯人の名を告げて終わった続きが気になって、急いで本を開いたら、作中作の話から作中現実の話にシフトしていて、大変戸惑う。作中作『カササギ殺人事件』は、名探偵が犯人を名指しするところ以降の原稿が紛失。そして作者は自殺。全部読み終わって思ったのは、作中作の『カササギ殺人事件』の方は、真相を知ると、唐突な人物設定の追加はあるものの、事件を起こしてしまった理由については自己中とはいえ多少の同情の余地はあるとおもう。が、本編の方の真犯人は、結局自分のことしか考えてない。これって嫌ミス?★★★★☆
読了日:09月09日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ

ミステリと言う勿れ (13) (フラワーコミックスα)ミステリと言う勿れ (13) (フラワーコミックスα)感想
富山編終了。スッキリした解決ではない。とはいえ、イケメンが二人。映画の第二弾はこの話で決まりか?←気が早いにもほどがある
読了日:09月09日 著者:田村 由美

警部ヴィスティング 疑念 (小学館文庫 ホ 2-4)警部ヴィスティング 疑念 (小学館文庫 ホ 2-4)感想
司書さんから個人的にお借りした本。で、結論としては、私はちょっと納得できなかったのです。納得できない部分というのは、殺人事件の犯人として逮捕され、取り調べ中も裁判中も刑に服していた約17年間もずっと一貫して無実を主張してきた人が、しかも逮捕時はまだほんの青年だった彼が、自分の無罪を主張するためとはいえ、いろいろ証拠をでっち上げて刑事を誘導するかな、ということ。最後まで読んでも納得感はなかったです。ごめんね。★★★★☆
読了日:09月10日 著者:ヨルン・リーエル・ホルスト

ねぎぼうずのあさたろう その4 (日本傑作絵本シリーズ)ねぎぼうずのあさたろう その4 (日本傑作絵本シリーズ)感想
シリーズの表紙の中で、一番丸々ぷくぷくした子どもらしいあさたろうのような気がします。前作の最後の方でお父さんの姿を見つけたあさたろう。しかし、声をかける勇気がなかったようです。いったいどうしてあさたろうのお父さんが家族を捨てて旅暮らしをしているのか、とても気になります。今回は畑でひと休みして桑の実を食べていた時に聞いた悪だくみを解決する話。実は3年前にお父さんもここで悪だくみを阻止していたことを、あさたろうは知らない。次こそは親子の名乗りを上げることができるのか。つづく。★★★★☆
読了日:09月11日 著者:飯野 和好

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)感想
これは本当にミステリとしては傑作なのだと思います。最後にわかる真実は、最高レベルの衝撃でした。でも、最初から最後まで、ずっとしんどかった。読み続けるのがきつかった。トリックは犯人ではなく、作者が仕掛けているので、内容についての感想は何も書けません。ただ、エログロ、ほんと苦手なんだよ。もう読みたくない。★★★☆☆
読了日:09月12日 著者:我孫子 武丸

漁師とおかみさん漁師とおかみさん感想
かれいを釣ったものの、「魔法をかけられた王子なので、食べても美味しくありません」と言われリリースした漁師が、おかみさんに「お礼をもらってきなさいよ」と言われ、どんどんエスカレートしていくおかみさんの欲望を叶えてもらい、最後には…。理不尽な点として、おかみさんがどんどんレベルアップしていくのに、漁師は漁師のまま。飼犬はゴージャスになっているのに、漁師だけは漁師のまま。でも、漁師はずっとおかみさんの方をみつめているのね。おかみさんを止めることはできないけれど、見守っている。いい旦那じゃないか。★★★★☆
読了日:09月13日 著者:

地下街の雨 (集英社文庫)地下街の雨 (集英社文庫)感想
宮部みゆきの初期の短編集。これは、わたし的には当たりはずれがいつもあるんだよなあ。好き嫌いというか、合う合わないというか。今一つだったのは、「決して見えない」と「混線」。理由は簡単。ホラーだから。もやもやしたのは「ムクロバラ」と「さよなら、キリハラさん」。バッドエンドから始まる「不文律」。これはのちの宮部みゆきの長編でよくみられる、悪意とも言えない些細な「嫌な感じ」が重なって、最悪の結果に導かれてしまう。でも、結構誰にも共感できないくらいには全体的に「嫌な感じ」で、読後はどんより。★★★★☆
読了日:09月14日 著者:宮部 みゆき

きんのたまごのほんきんのたまごのほん感想
絵を描かない絵本作家の中で、一番好きなのがマーガレット・ワイズ・ブラウンです。ことばの中にイメージを膨らませる要素がふんだんに含まれているので、多くの画家が絵をつけてくれるのだと思います。一人ぼっちの小さなうさぎが、初めて見つけた卵。中に何が入っているのか気になってしょうがないうさぎは、中を見ようとするのですが…。くり返し、エスカレート、逆転。大人が読んでも楽しいです。そしてイラストもとてもかわいい。さいごに。この本に出てくる卵は金色ではありません。とてもすてきなタイトルだと思います。★★★★☆
読了日:09月15日 著者:マーガレット ワイズ・ブラウン

白の祝宴 (逸文紫式部日記 )白の祝宴 (逸文紫式部日記 )感想
ぶっちゃけ言っちゃうと、前作『千年の黙』に比べて冗漫です。が、底本の『紫式部日記』が面白くないのだそうです。あとがきで作者がそう書いていました。私は『紫式部日記』」って『蜻蛉日記』のような日記文学、または日記という態を借りた『枕草子』のような随想だと思っていたのですが、実は中宮・彰子の出産時に、中宮付きの女官たちの様子を記録した記録文学のようです。前作では、賢くもおおらかで屈託のない彰子中宮でしたが、今回大人になった彼女は賢いのが少し鼻につきました。謎だらけの作品でしたが、展開はゆったり。長かったわ~。★★★★☆
読了日:09月17日 著者:森谷 明子

写楽・考―蓮丈那智フィールドファイルIII―(新潮文庫)写楽・考―蓮丈那智フィールドファイルIII―(新潮文庫)感想
シリーズも3冊目になり、少しずつ明らかになる狐目の大学職員。今作では、名前も明らかになった。高杉康文。助手も、前作から引き続き佐江由美子との二人体制。高杉と併せて、四人でチーム蓮丈な感じがこなれてきた。そして、各地で巻き込まれる事件絡みの民俗学はさておき、彼女のテーマというか作者のテーマがはっきりしてきたような気がする。古代の製鉄の民。海幸山幸。スサノヲとヤマタノオロチ。など。神話を読み解いて古代の風俗や信仰などに迫る。こんな楽しい学問ってあるかしら。★★★★☆
読了日:09月19日 著者:北森 鴻

真・慶安太平記真・慶安太平記感想
帯を読むと新たな解釈の由比正雪の乱について書かれた作品だという。ところが、人物紹介の中には由比正雪がない。これはもしかして叙述トリックのミステリ?なんて思ってしまう。登場人物表の筆頭は私の大好きな保科正之。由比正雪と何の関係があるのかはわからないが、これは嬉しい。しかし、良い人なのだが、優しい人なのだが、あまり魅力を感じなかった。しかし、私の思う保科正之ではなかったけれど、徳川忠長ではなかったけれど、これはこれで説得力はある。それはそうだろう。結構史実に忠実なのだから。史実は一つだが、解釈は無数だ。★★★★☆
読了日:09月21日 著者:真保 裕一

黄泉のツガイ(5) (ガンガンコミックス)黄泉のツガイ(5) (ガンガンコミックス)感想
1週間くらい前に購入して一読後、1巻から再読。そしてまた5巻から1巻に戻り…を何度繰りかえしただろう。何度読んでも新たな発見がある。だって彼の正体がさ!1巻に戻ってみたら、ちゃんと矛盾のない表現・構図になっていた。彼女の行動、心の動き、主人公たちの行動、相手方の動き、どれもこれも矛盾なし。すごい。だけどそろそろいい加減に普通の読書に戻らないと、図書館の返却期限が…。
読了日:09月22日 著者:荒川弘

元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)感想
以前読んだ『文学少女対数学少女』が面白かったので、すごく楽しみにしていた。しかし、思った以上に難しくて手こずりました。だって紀元前100年代の中国で、1000年も昔から連綿と続いている宗教・祭祀が核になった連続殺人のミステリなのよ。難解なうんちくが続く会食のシーンが大変だけど、犯人も動機もここをきちんと読めば分かるようになっている。知識は必要ない。でも、わからなかった。その人の立場になったことがなかったから。事件は悲劇以外の何物でもないけれど、読後はさわやか。どうか彼女たちの未来に幸いがありますように。★★★★★
読了日:09月23日 著者:陸 秋槎

北緯43度のコールドケース北緯43度のコールドケース感想
続編にコーチャンフォー新川店が出てくると聞いて購入。しかも江戸川乱歩賞受賞作ではないか。楽しみに読んだのだけど…。事件を書きたかったのか、警察という組織の話を書きたかったのか、それとも一人の女性キャリアの生き様を書きたかったのか。ぶつ切りのエピソードが、時系列ランダムに書かれているので、大変わかりにくい。犯人も、警察の人たちも、その周辺の人たちも、言動に説得力がない。続編も一緒に買っちゃったから、そのうち読むと思うけど、そうじゃなかったら続編に手を出さないかもしれないな。★★★☆☆
読了日:09月24日 著者:伏尾 美紀

ねぎぼうずのあさたろう〈その5〉いそぎたび そばがきげんえもん (日本傑作絵本シリーズ)ねぎぼうずのあさたろう〈その5〉いそぎたび そばがきげんえもん (日本傑作絵本シリーズ)感想
前作でお父さんと再会したので、今作ではお父さんが家を出て旅をしている理由が明かされるのかと思いきや、さっくりとあさたろうは旅を続け、お父さんは畑に帰ることが決定し、二人は再び分かれていきます。大人としてはちょっと肩透かし。例によって人助けをしたあと、あさたろうと、にきちは、旅を続けるのですが、父親との再会がメインではないということは、この話の落としどころは何だろう?京都まで行くこと?家に帰るまでが旅なんだからね、とだけは言っておこう。★★★★☆
読了日:09月25日 著者:飯野 和好

望月のあと (覚書源氏物語『若菜』) (創元推理文庫)望月のあと (覚書源氏物語『若菜』) (創元推理文庫)感想
「女はのんきでいいよなー」なんて世の中の苦労をひとりで背負って立っている気でいる道長だけど、実は裏で女たちが連携していいように道長を翻弄している。なんだかちょっと可愛らしくも思えてくるほど、きれいに振り回される道長。第二章からは徐々にきな臭くなっていく。定子を愛し、彰子をも大切にした一条天皇の急死から状況は一変。この帝位をめぐる攻防から派生する、京の都で頻発する付け火や強盗。今回初めて、きらびやかな貴族の社会だけではなく、底辺の、食べていくだけで精いっぱいの人たちの暮らしにも目を向けることになる。★★★★☆
読了日:09月26日 著者:森谷 明子

猫町猫町感想
思ったより猫要素は少なかったです。シュールというよりはロジカルな異世界。ロジカルなのにイマジナリーでメタフィジック。精密に描かれたイラストも、ページをめくるとエッシャーのだまし絵のような違和感。そして、猫、猫、猫…。今度はもう少しじっくり読み返してみよう。★★★★☆
読了日:09月27日 著者:萩原 朔太郎

どろぼうの神さまどろぼうの神さま感想
みなしごになったプロスパーとボーは、弟だけを引き取るというおば夫婦から逃げてヴェネツィアまでやって来た。少ない所持金はあっという間になくなり、2人は「どろぼうの神さま」に救われる。「どろぼうの神さま」ことスキピオも実はあまり幸せではないことがわかってくる。スキピオの選んだ人生は、正解なのかな。本人が幸せならそれでいいのかもしれないけれど、本当はありのままのスキピオを受け入れる何かがあってほしかった。大人たちもそれぞれに個性があり、続きの気になるストーリーと相まって、ページを繰る手がとまりませんでした。★★★★★
読了日:09月28日 著者:コルネーリア フンケ


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