札幌に引っ越してきたのが2000年。

官舎に住んだ後、今の家に引っ越したわけですが、当時この地域には徒歩10分圏内に2件の本屋さんがありました。

全国チェーンの老舗の本屋さんと、いわゆる町の本屋さん。

今はそのどちらもありません。

 

その代わり、全国チェーンの本屋さんが2件徒歩3分圏内にできました。

昨年の秋にそのうちの1件が撤退し、残った1件はいつもアルバイト募集の貼り紙と営業時間の短縮の貼り紙を店先に貼っていたのですが。

 

先日気がつくと、アルバイト募集の貼り紙がありません。

退職して貧乏になったら雇ってもらおうと思っていたのに、ついにアルバイトが決まったのだなと思いつつ店内に入ると…。

棚がスッカスカです。

 

新刊雑誌の棚がまるっと空いてる。

新刊文庫の棚もまるっと空いてる。

いやいやいや、これから夏の文庫フェアをやらなきゃいけない時に、棚が空でいいわけなかろう。

 

ヤバい。

というか、ついに。

 

ああ、退職したらここで『ゲーム・オブ。スローンズ』のDVDを借りることを楽しみにしていたのに。

もう、サツエキに行くかコーチャンフォーに行かないと、本屋さんがないことになるのか。(大通りにだって本屋はある)

 

悲しくて悲しくて、とてもやりきれなかったので、もう一度今日出かけてみると、棚の配置が変わったものの、新刊文庫及び雑誌もちゃんと販売していました。

アルバイトは募集していませんでしたが。

 

当分は大丈夫かな。

それともある日、なくなっちゃうのかな。

とりあえず『ゲーム・オブ・スローンズ』を見終わるまでは、我が家のそばにいてほしいです。

 

それにしても、いくら模様替え中だったかもしれませんが、新刊雑誌の棚が空ってヤバくないですか?

新刊文庫の棚も含めて、もう新しい本の入荷をしていないのかと思ってしまってではないですか。

あんまりショックで寿命が30メートルくらい縮んだよ。←単位のクセ

 

 

 

 

本日の読書:ぼくはこうして大人になる 長野まゆみ

 

カバー裏より
『だて眼鏡をかけ、まともな優等生を演じながら、平穏な中学校生活を送るはずだった。季節外れ、いわくつきの転校生・七月(なつき)がやってくるまでは……。十歳違いの双子の姉兄によって、ある時期まで自分を女だと思い込んで育った印貝一(いそがいはじめ)は、人には云えない不安を抱える生意気でユウウツな十五歳。――鎧をまとい、屈折した心と体をもてあましながら思春期をしのぐ、繊細で残酷な少年たちの危ういひと夏を描いた鮮烈な青春小説!』

主人公は中3の少年。
家でも学校でもよい子を演じているが、実は女子に興味がなく、男子に恋愛感情を抱く性癖があることを必死に周囲に隠している。

10歳離れた双子の姉兄にいたぶるようにかわいがられて育った彼は、幼い頃自分を女だと思っていた。
そう洗脳されたと思っている。
だから、女の子として育ってしまったから男の子のことを好きになってしまうのだと思っている。

20年以上前の作品だから、そういうことになっているのかな。
性癖は育てられ方のせいではなく、持って生まれたものだと思うんだけど。
と思っていたら、最後に衝撃の事実が明らかになる。

本人にもわかってはいたのだ、姉兄のせいではないことを。
だけど、認めたくなかった自分。
そして思い出したくない過去。
そういうことを認めるところから大人への一歩が始まるのだね。

学校の人間関係がリアル。
事なかれ主義のものぐさな教師、それとは対照的に必要なときに必要な支えをくれる教師。
教室内の力学に敏感で、人の痛みに鈍感なクラスメートたち。
あまりに自分勝手で、読んでいてちょっとキレそうになる。