2017年の本屋大賞を読み終わったのが、昨年の3月。
ノンフィクション部門が増えてしまったので、5年遅れが定着しそうです。
一応ノンフィクション部門もノミネート作は全部読みましたが、この部門だけ発表時期が違うので、今後も読むかどうかは考え中。
結構メンタルにずっしり来る作品が多くて、しんどいのです。
だけど、読む意義というのは確かにあるわけで、多分結局読むんじゃないかな。
2018年のノミネート作品
1位 かがみの孤城 辻村深月
2位 盤上の向日葵 柚月裕子
3位 屍人荘の殺人 今村昌弘
4位 たゆたえども沈まず 原田マハ
5位 AX(アックス) 伊坂幸太郎
6位 騙し絵の牙 塩田武士
7位 星の子 今村夏子
8位 崩れる脳を抱きしめて 知念実希人
9位 百貨の魔法 村山早紀
10位 キラキラ共和国 小川糸
発掘部門
異人たちの館 折原一
翻訳小説部門
1位 カラヴァル 深紅色の少女 ステファニー・ガーバー
2位 13.67 陳浩基
3位 その犬の歩むところ ボストン・テラン
ノンフィクション本大賞
1位 極夜行 角幡唯介
他 一発屋芸人列伝 山田ルイ53世
他 軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い
他 告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実
他 日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る
他 ノモレ 国分拓
他 Black Box ブラックボックス 伊藤詩織
他 モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語 内田洋子
他 ユニクロ潜入一年 横田増生
他 43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層 石井光太
私が本屋大賞を差し上げるとしたら『かがみの孤城』です。
中学生にもわかる文脈で書かれていますが、決して子どもだましの作品ではないし、子どもに媚びているわけでもない。
今の多くの子どもたちにとって、一番最初の試練が無事に中学生を終えることなのかな。
『43回の殺意』は辛すぎるので、『かがみの孤城』を読んで、自分の人生を諦めず、全力で味方になってくれそうな友達や大人を探してほしいと思います。
ノーマークだったのにすごく面白かったのは『13・67』。
2013年からさかのぼって1967年までの、中国とイギリスの間で揺れ動く香港を舞台にしたミステリの連作短編集。
遡ることによって、登場人物の行動の理由が明らかになっていく仕掛け。
最後まで読んで、見事に最初に繋がっている仕組みに鳥肌が立った。
知らなかったでは許されないと思ったのが『告白』。
国際世論と国内世論の間で、ひとりの民間人の死すら封印されてしまったという現実。
思想信条はさておき、事実はきちんと報道されるべきだと思います。
で、やっぱり大好き伊坂幸太郎。
今まで一番好きなのは『マリアビートル』と言っていましたが、今は『AX(アックス)』とどちらにするか悩んでいます。
もう、主人公の、家族としてもヘタレっぷりが愛おしくてしょうがない。
最後は切なくて泣き笑い必至。
村山早紀と小川糸は2017年に続きいまひとつ。
多分作者が読者に届けたい思いと、私が読書から受け取りたいものが違うのでしょう。