今日は職場の人と晩ご飯を食べてきました。
3年前に私が札幌に戻った時は既にコロナ禍で、彼女はその時からずっと同居している高齢の両親のことも考えて、一切外食を我慢していたのでした。
随分とコロナ患者も減り、ようやく彼女も外で食べる気になってきたのでしょう。
外といえば、咋秋、河川敷で焼き鳥焼いた時は、彼女も食べに来ましたが。
おうちごはんではなかなか食べられないエスニック料理を食べました。
まずは生春巻き。
ローストビーフとエビがありましたが、エビを選択。
二人で分け分け。
本日の読書:笑う宇宙 中原涼
帯より
『ショート・ショートに挑もうという新人の出現は喜ばしい。一作や二作なら誰にでも書けるだろうが、プロとして連続的に発表することは至難である。僕の好みとしてはこの作家に、人間性への洞察や悲しみをたたえた、より文学的な方向へ進んでもらいたい。巻頭の三篇のように。なぜならラストの短篇ふたつにおいて作者の人間嫌いという貴重な資質は明らかなのだ。』
目次
・本物のサンタクロース
・地球嫌い
・落ちこぼれ
・ここが天国
・大物
・何かがわかった
・地球人によろしく
・地球のあいさつ
・超人的な生命力
・宇宙人の卵
・次なる課題は
・超エオン宇宙論
・あまりにドラキュラ的な
・象が電車に乗れるわけ
・困った奴
・まるむし
・虚人たちD-version
・青い竜の物語
・笑う宇宙
2年ほど前、作者が亡くなったことによって再読した人たちから火がついて、最近つとに評判の良かった作品。
1989年2月に出版され、未だ出版社に初版の在庫があるという。
再評価により地元の図書館に問い合わせたら蔵書がないとのことで、結局出版社から購入したという人の話も聞いていたので、札幌の図書館にあった(やっぱり初版本)のは幸いといえる。
第一章と二章はショート・ショート。
三章と四章は短編。
個人的には、ショート・ショートの方が好みだ。
ショート・ショートからにじみ出てくる悪意の切れ味に、思わずニヤリとしてしまう。
フレドリック・ブラウンや星新一が好きな人は好きだと思う。
短編の方は、読んでいる間中、人間という存在に対する嫌悪を突きつけられているようで、ちょっとしんどい。
特に『青い竜の物語』は、人間に対する絶望ですらない、全くの無であり拒絶。
作者は人間ではないのかもしれない。
『笑う宇宙』は筒井康隆的不条理な、家族の物語。
作品世界が狂っているのか、読んでいるこちらがおかしくなってきているのか。
どちらにしても孤独なのである。