予想ではあまり読めないのではと思った12月でしたが、実は結構読めていました。
というのも、どうにも年末感がなくて、一応小掃除や買い出しはしましたが、普通に空いている時間を読書に充てたからです。
小掃除を中掃除にしようなんて気はさらさらありませんでした。笑

24冊読んだうち、★5つは7冊。
どうした自分、歳末大安売りだったのか?

『日航123便 墜落の新事実』は圧巻のノンフィクション。
隠蔽され、恫喝され、それでも一つ一つの目撃証言から事実と思しきものを組み立てていく作業。
与えられた真相ではなく、実際に何があったのかという事実を追い続けるのは、精神的に身体的にもとてもしんどいことと思うけれど、今もなお事故の真相を追い続ける著者に本当に頭が下がります。

『きりえや偽本大全』これは本当に面白かった。
隅々まで手を抜かない作業と、溢れるユーモアと。
大爆笑でお気に入り。

『日日雑記』
なんということのない日常を、このように切り取れる感性に憧れます。
すでに年末年始に現実感を感じられないくらい感性が鈍ってきた私は、一体どのような訓練をすればよいのだろう。

『「十二国記」30周年記念ガイドブック』
久しぶりに読み返したい!と思ったタイミングで『ミステリと言う勿れ』を大人買いして一気読みしちゃったので、未だ再読ならず。
せめて、朱晶と、陽子と、延王と延麒の話だけでも再読したい。
そしてもう一度このガイドブックを読み返したい。(無限ループ)

『この30年の小説、ぜんぶ』
読んだ本について、この本のように熱く語り合いたい。
「私はこう読んだ」「あなたはそう読んだのですか」
意見は違うからこそ面白い。
この本に触発されて、さっそく図書館から借りた本もあり。

『ファーザー・クリスマス』
サンタさんからの手紙を書いていた時、その手紙に入れるイラストを描いていた時、どれほど父親として幸せだったことか。
子どもたちが大人になって、どれほど自分たちが父に愛されていたのかを、強く感じることができただろう。
泣きたくなるほど温かい愛情にあふれた絵本。

『モンテ・クリスト伯』
7巻通して、ぜんぶ面白かった。
話の流れも結末も知っているのに、急かされるようにページをめくってしまいます。
本当に面白い本にはネタバレなんて関係ないのですよね。
久世番子さんが、翻訳物は登場人物の名前が覚えられないからと、黒岩涙香の訳(登場人物はすべて日本名)で読んだと言っていたので、翻訳物苦手な人も是非。
めちゃくちゃエンタメで面白いから。

12月の読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:7562
ナイス数:816


日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る (河出文庫)日航123便 墜落の新事実: 目撃証言から真相に迫る (河出文庫)感想
日航123便墜落事件。国内で、満席のジャンボジェット機が墜落するようなことが起きるなんて!と、とても衝撃的な事件でした。この事故を題材にした本も多く出版されています。私も小説を何冊か、ノンフィクションも数冊読んでいました。それでもこの本を読んだとき、自分が何も知らなかったことに気づかされました。追尾が目撃された二機の戦闘機、胴体下部に見えた物体は何か、墜落現場特定の遅れ、事故原因の意図的な漏洩…。陰謀があったかはわかりませんが、隠ぺいは確かにあります。ここまで調べ上げた著者に頭が下がります。★★★★★
読了日:12月01日 著者:青山 透子

すしそばてんぷら (ハルキ文庫)すしそばてんぷら (ハルキ文庫)感想
朝の情報番組でお天気お姉さんをしている寿々は、祖母の家で暮らしている。隅田川に近い下町で暮らす料理上手の祖母、昔なじみの友達。何度も挑戦しているけれど合格できない気象予報士の仕事。直前まで進んだのに流れてしまった結婚話。社長の勧めに従って始めた「江戸町めぐり」ブログからのBSのお江戸番組のアシスタントに抜擢。なんか大きな風呂敷が拡げられましたが、風呂敷が畳まれることもなく終わったような感じです。一冊読み終わってここまで成長と無縁の主人公も珍しいかも。素材が良いだけに残念でした。★★★☆☆
読了日:12月02日 著者:藤野 千夜

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)感想
そもそも殺人を行おうと計画する者が善人の訳はないのですが、あまりにも禍々しい上に現実主義的なところがもう救いがないというか。あまりにも心弱く夢想的な良家の子女が集う読書サークル「バベルの会」は、それゆえに猟奇的な事件を呼び寄せるのか。どの作品にも「バベルの会」がゆるく関わっているのとともに、雇われ人がキーパーソンとなっている。弱者の中に潜む強かさだったり、過剰なプロ意識のたまものだったり。唯一のハッピーエンドといってもよさげな『玉野五十鈴の誉れ』。しかし最後の一行の驚愕を、どう解釈したらいいのか。怖い。★★★★☆
読了日:12月03日 著者:米澤 穂信

極小農園日記 (毎日文庫)極小農園日記 (毎日文庫)感想
中に収録されたエッセイはもちろん、あとがきも文庫あとがきにかえても荻原節炸裂。表紙絵も中にある挿絵も、著者本人の手によるもの。荻原浩100%。タイトル通り、一番生き生き書かれているのが家庭菜園の顚末。我が家のベランダ菜園など足元にも及ばないくらいの手間と愛情をかけて、それでも思ったように育たない野菜たちに翻弄されながら、毎年毎年試行錯誤を重ねる姿に頭が下がる。終始ニヤニヤ笑いながら読んでいたのではないかと思うけど、時々ぷっと噴いてしまう。人前で読むにはお勧めできないエッセイ集。★★★★☆
読了日:12月04日 著者:荻原 浩

きりえや偽本大全きりえや偽本大全感想
切り絵作家の著者が、本屋さんでの作品展示イベント用に作った偽本のブックカバー。実際に販売もしているそうですが、北海道でイベントやってくれないかなあ。見開き2ページで1作品。表紙の書影と帯、裏表紙のイラストと解説に初版特典読者プレゼント。元となる作品は有名なものばかりなので、大抵はすぐわかるのですが、しばし考えてしまったのが『アーム状』。帯を見て納得「ただ1本のパンのために」。『ああ無情』か!逆に元になった名作を読みたくなるものもあったりして、存分に楽しめました。★★★★★
読了日:12月05日 著者:高木亮

ダレン・シャン / 8〔小学館ファンタジー文庫〕ダレン・シャン / 8〔小学館ファンタジー文庫〕感想
一作ごとにどんどん新しいステージへ進んでいくダレン。ところが今回は、再びクレプスリーの故郷の町に行き、そこでダレンのガールフレンドだったデビーと再会する。デビーは教師として、ダレンは15歳の少年として。そしてダレンがバンパイアになるきっかけを作ったスティーブとも再会。ダレンは親友との再会に喜ぶけれど、これまた彼の登場には裏があって。絶体絶命に陥ったバンパイアに対して、取引を持ち掛けるバンパニーズ。自分達の方が有利なのに持ち掛けるって、あやしすぎるな…ってところで次巻に続く。デビー、生き延びてくれよ。★★★★☆
読了日:12月06日 著者:ダレン シャン

ぶたぶたの本屋さん (光文社文庫)ぶたぶたの本屋さん (光文社文庫)感想
なかなか友達ができない女子大生とか、ひきこもりとか、いじめとか、重たいテーマも、なんとなく解決してしまう。短篇だからしょうがないのかもしれないけれど、実際に悩んでいる人はどうなのだろう。この作品を読んで力づけられるのかな。ぶたぶたさんなので、そんなに重苦しい話を求められてはいないのだというのはわかるけど。普通に本屋さんの話でよかったのにな。★★★★☆
読了日:12月07日 著者:矢崎 存美

「田中真紀子」研究「田中真紀子」研究感想
いつの間にかすっかり姿を見せなくなってしまった田中真紀子。気持ちのいいほどはっきりした物言いをする半面、我を通す強引ぶりに辟易もした。そんな彼女って、どんな人なの?っていう本ではありませんでした。この本を読んで詳しくなったのは、田中角栄について。金権政治の中枢にいて、日本の政治を腐敗させた張本人と思っていたけど、そしてそれは間違ってはいないのだけど、読んだ後田中角栄を少し好きになった。所詮田中角栄は「おやっさん(親父さん)」で、田中真紀子は「お嬢」なんだな。★★★★☆
読了日:12月08日 著者:立花 隆

モンテ・クリスト伯 6 (岩波文庫)モンテ・クリスト伯 6 (岩波文庫)感想
モンテ・クリスト伯があちこちに蒔いた罠が、いよいよ仇敵たちを追いつめる。まず最初に舞台から去ったのはカドルッス。「これで一人」とは、カドルッスを看取ったエドモンのセリフ。最初から殺すつもりだったのか?フェルナンは全てを失い自殺し、ダングラールは破産。メルセデスとの会話で若かりし頃の愛情と絶望を思い出したエドモンだが、フェルナンに父を殺されたエデと今後恋愛関係になりそうな予感。そこまでしなくてもいいのに、サービス精神の旺盛な文豪です。新聞小説だったというからというのもあるのかな。★★★★☆
読了日:12月10日 著者:アレクサンドル デュマ

日日雑記 (中公文庫)日日雑記 (中公文庫)感想
昭和の末期から平成の初めにかけて連載していた日記。体調がすぐれない時もあったようだけど、筆者の観察眼の鋭さ、描写の的確さは鈍っておらず、それどころかますます冴えわたって、このような文章をかけたらと思わずにはいられない。夫を亡くした母と夫と別れた娘の二人暮らしは、なんだか気楽で楽しそう。けれど文章に書かれていない空隙に、夫のいない寂しさが感じられて切ない。楽しいことがあったら、素晴らしいものがあったら、それを分かち合いたい相手はもういない。年をとるとはそういうことか。★★★★★
読了日:12月11日 著者:武田 百合子

絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV (文春文庫 い 47-25)絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV (文春文庫 い 47-25)感想
池袋の町は変わっても、マコトたちは変わらないのかと思った。そうしたらGボーイズも年をとり家庭を持つものも出てきて、逆に少子化の成果若者は入ってこないので高齢化が進んでいるらしい。なんか少し安心した。一緒に同じ時代を生きているのね。と思って読んでいたのだけど。表題作は貧しい祖国を出て日本で稼ごうと思っている日本語学校の留学生の話。今、日本の若者は、不景気の日本を見限ってアメリカで一攫千金を狙うとラジオで言っていた。たった4年前の小説が、もうすでに現実の社会と乖離し始めているのだから、時代の流れは猛烈に早い。★★★★☆
読了日:12月12日 著者:石田 衣良

不滅 (集英社文庫)不滅 (集英社文庫)感想
ふと見かけた見知らぬ女性の、軽やかにひるがえる手の動きを見て心を惹かれた私は、その女性にアニェスと名付けて、彼女の家族とその関係性について思いを馳せる(妄想する)。不滅。不老不死とはまた違う。体は死んでも思いは残るとか、作品が残るとか、思想が残るとか、生きてきた証が残れば、その人の存在は不滅なのかもしれない。偉人だけではなく、今ならSNS上に、永遠に顔や姿が、発言が消えることなく残されてしまう。この作品が発表されたときはアルバムの写真の中だったけれど。不滅は喜ぶべきことなのか、それとも罰なのか。★★★★☆
読了日:12月13日 著者:ミラン・クンデラ

サガレン 樺太/サハリン 境界を旅するサガレン 樺太/サハリン 境界を旅する感想
今年90歳になった私の父は樺太からの引揚者だ。だから、何度も国境線が引き直された樺太の、父が暮らしていた頃の風景が読み取れたら、と思って読んだのだ。この本は二部構成になっていて、第一部は著者が寝台特急でユジノサハリンスク(豊原)からノグリキまでを往復する旅。第二部は宮沢賢治の旅をなぞる旅。この本を読んで、改めて、父が生まれたのは大日本帝国だった日本なのだと思いました。今、樺太は石油などの資源で景気が良くて、都市化も進んでいるそうです。東京から飛行機で行くと、沖縄より近い樺太。だけど遠いよなあ。★★★★☆
読了日:12月14日 著者:梯 久美子

ノモレノモレ感想
アマゾン川流域に広がるジャングルには、近代文明とは関わらずに暮らしている先住民族(イゾラド)がまだ何十部族もいるらしい。選挙権を持ち納税の義務を負う正規の国民のほかに、そのどちらも持たず自給自足と僅かな援助で暮らす先住民族、そしてその存在すら確認されない先住民族。先住民族の処遇は一向に改善されず、一時は親しく交流を深めたイゾラドの一家は森の奥で姿を見せなくなる。けれど、自分の子どもか孫の時代にはきっと、また交流できればいいと、ロメウ(語り手)は思っている。「ノモレ(友よ)」という言葉のもつ大きさよ。★★★★☆
読了日:12月15日 著者:国分 拓

今こそ読みたい児童文学100 (ちくまプリマー新書)今こそ読みたい児童文学100 (ちくまプリマー新書)感想
私の児童文学においての師匠というか指標と言える赤木かん子さんの本。文学全集に収録されるくらいの作品は読んでいる。けれどもそれ以上の、またはそれ以外の読みどころのある作品を読めていなかった私。年をとって、今の文字が小さく感じられるようになる前に、なんとか児童文学を読みなおしたいと思いました。多分今が最後のチャンスなのだ。本当に座右の銘としてこの本を手元に置き、読むべき本を読みたい。思うほどに余生は長くなく、焦る気持ちをなだめながら、読書欲と向き合うこの頃。★★★★☆
読了日:12月16日 著者:赤木 かん子

御子柴くんの甘味と捜査 (中公文庫)御子柴くんの甘味と捜査 (中公文庫)感想
広域犯罪を捜査するために警視庁の置かれた捜査共助課。現場で捜査もするけれど、県と都の調整と根回しも大事な仕事。(やりがいはない)長野県から出向してきた御子柴刑事は、甘党の上司に振り回されながら、こつこつと仕事をこなしている。ほのぼの系の作品にもできるところを、若竹七海はいや~な感じに落としてくる。解決のめどが立った事件を長野の元上司に報告すると、事件の見え方が変わってくる。というパターンの連作短編集で、とても読みやすくて面白いんだけど、最近ちょっと重めの読書が続いていたから、物足りなさは否めなくて残念。★★★★☆
読了日:12月19日 著者:若竹 七海

べらぼうくん (文春文庫 ま 24-7)べらぼうくん (文春文庫 ま 24-7)感想
エッセイというより、青春記。ままならないこの時期を、ユーモアたっぷりに書いているけど、フィクションだけど『バベル九朔』で書いたじゃん。なんで今更?って思ったら、雑誌でエッセイを書けと言われ、出来ないと言うと、青春記でいいと言われたからだそうだ。なるほど。ユーモア小説でデビューしたけれど、本来は内省的な作品を書いていたそうだ。でも読者のために作品を書くのが作家だ、と方針転換。今に至る。そろそろ自分の書きたいものを書いてもいいと思うな。『悟浄出立』は良かったよ。★★★★☆
読了日:12月21日 著者:万城目 学

「十二国記」30周年記念ガイドブック「十二国記」30周年記念ガイドブック感想
ようやく読めました。「十二国記」読みなおした~い!寄せられたエッセイもイラストも、それぞれの方たちの「十二国記」愛を感じられて胸アツでしたが、編集や校閲などの本を作る実作業に携わった方たちの話が興味深かったです。校閲のために等高線ありの手書き地図を作るなんて!作者も地図を作って世界観がブレないようにしてたんだって。あと、全ての国について書くつもりはないと作者が言うのなら、クトゥルー神話のようにいろんな作家がその世界観を共有して作品を書くというのはだめかな。この世界のドラマをもっと見たいんじゃ。★★★★★
読了日:12月22日 著者:

金曜日のほろよい1000円ふたりメシ金曜日のほろよい1000円ふたりメシ感想
我が家も金曜日は飲みの日なので、参考になるかと買ってみた。材料と作り方だけではなく、材料費と所要時間も書いてあるのは助かる。基本3品で1000円以内なのだけど、メインが1品でサイドメニューが2品はちと少ないかも。←私が食べすぎ?
読了日:12月23日 著者:おづまりこ

この30年の小説、ぜんぶ ; 読んでしゃべって社会が見えた (河出新書)この30年の小説、ぜんぶ ; 読んでしゃべって社会が見えた (河出新書)感想
この30年って、バブルが崩壊して東日本大震災があって、コロナ禍の渦中なわけです。ほぼ平成。でも、昭和に思春期を過ごしたので、やっぱり昭和なんだなあ、とこの本で30年を振り返って思いました。本当の戦争だけではなく、学校ではいじめと戦い、家では家庭内暴力や育児放棄などと戦う現在の若い人たちは、日常がすでに非常事態というか、戦時中、油断すると傷つけられたり命を喪ったりをするわけです。学校ではいじめと戦い、家では家庭内暴力や育児放棄などと戦う現在の若い人たちは、日常がすでに非常事態というか、戦時中なんですって。★★★★★
読了日:12月24日 著者:高橋源一郎,斎藤美奈子

ファーザー・クリスマス―サンタ・クロースからの手紙ファーザー・クリスマス―サンタ・クロースからの手紙感想
クリスマスに読めてよかった。この本は、『指輪物語』で有名なトールキンが、サンタクロースとして自身の子どもたちにあてて書いた手紙を収録したものです。子どもたちはサンタさんからの手紙をどれほど楽しみにしていたのでしょうか。ふんだんに挿入されているイラストは、細部までしっかり描き込まれていて、眺めていても飽きない。子ども時代の幸福を、親としてこれほどに演出できる幸せ。永遠じゃないからこそ美しい。★★★★★
読了日:12月25日 著者:J.R.R. トールキン

ダレン・シャン / 9〔小学館ファンタジー文庫〕ダレン・シャン / 9〔小学館ファンタジー文庫〕感想
スティーブに騙されてバンパニーズに囲まれたダレンたち。
なんとか逃げ出したものの、連続殺人犯として警察に捕まってしまう。しかし、バンパニーズ大王を倒さないことにはバンパイア一族が全滅してしまうばかりか、人間たちだって命が危ない。なんとか警察から脱出してバンパニーズと対決することができたものの、その対決で衝撃の出来事が起きる。さらに追い打ちをかけるように囁かれたスティーブの一言。明らかにこの巻が物語の転換点と思われる。作者のストーリー運びは容赦ないなあと思いつつ、次巻を待つ。★★★★☆
読了日:12月26日 著者:ダレン シャン

ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)感想
『魔女の目覚まし』は多分、レシピが先にできてあとからストーリーをつくったのではないかな。インパクトのある見た目と味は、ちょっと試してみたいかも。『「おいしい」の経験値』は短編にするのがもったいなかった。もっと深い話にすることはできたはず。結構この話が刺さる人は多いと思うのだけど。『ひな祭りの前夜』ぶたぶたさんをはじめてみた大人の反応は、ちょっと飽きてきたけれど、子どもの反応は新鮮でいい。「おばあちゃん、さっきニャーニャ見たよ、変なニャーニャ!うんとねー、ピンク色でねー、立って走ってた!」ほか1篇収録。★★★★☆
読了日:12月27日 著者:矢崎 存美

ミステリと言う勿れ (10) (フラワーコミックスアルファ)ミステリと言う勿れ (10) (フラワーコミックスアルファ)感想
1~9巻まで一気に再読してからの10巻。青砥さんの娘さん誘拐事件の続き。これ、今までの事件の中で一番ややこしくて、何度も前を読み返してしまった。子供を巻きこんで物凄く嫌な事件のはずなのに、読後感がそれほど悪くなかったのはひとえに青砥さんが誠実な対応を貫いたから。にしても、親子関係の問題にぶつかることが多いなあ、整くん。個人的には一連の星座の案件よりも、整くんの家庭環境とこれからについてをもっと書いてほしいんだけどな。
読了日:12月27日 著者:田村 由美

ミステリと言う勿れ (11) (フラワーコミックスα)ミステリと言う勿れ (11) (フラワーコミックスα)感想
コミュ力の高い相良レンに誘われて変なバイトをすることになった『失われた時を重ねて』ライカさんと商店街を食べ歩く『果報の塩梅』我路くんがライカさんに会いに来る『気がつけば潮目』の3編を収録。どれも面白かったけれど、ライカさんがフルーツサンドやあつあつのコロッケやみたらし団子を美味しそうに食べている姿が良かったな。普通の生活をしたことがないライカさんは、実は感受性がとても豊かで可愛らしい。好き。我路くんとライカさんが繋がってしまった。整くんのこと、我路くんに託したってことだよね。
読了日:12月27日 著者:田村 由美

モンテ・クリスト伯 7 (岩波文庫)モンテ・クリスト伯 7 (岩波文庫)感想
遂に最終巻になってしまった。カドルッスは殺され、フェルナンは自殺。残る仇はヴィルフォールとダングラールだったのだけど。マクシミリヤンの最愛の人がヴィルフォールの娘で、毒殺される恐れがあるから助けてくれと頼まれることからモンテ・クリスト伯の復讐劇が狂い始める。ところでモレル氏の窮地を救った時にも思ったんだけど、どうして善行を施すときに勿体をつけるのかね。今回のマクシミリヤンくんなんて、何ヶ月も苦しい思いをさせられたよね。さくっと、幸せにしてあげればいいのに。「待て、しかして希望せよ!」待たせすぎだって。★★★★★
読了日:12月28日 著者:アレクサンドル デュマ

魔物の闇 (オオトリ国記伝 1)魔物の闇 (オオトリ国記伝 1)感想
日本の戦国時代を模した架空の国が舞台。隠者の村・ミノの少年トマスは、山できのこを取っている間に村が襲われ家族を喪う。ひとり助かったトマスはタケオと名を替えオオトリ国へ。命あるものを慈しんで生きてきたタケオは復讐に燃える刺客となり、さらに恋愛問題も絡み…。ってところでこの巻は終了。次巻に続く…はずなんだけど、一巻が出版されたのが2006年。未だ二巻が出版されない。どこか別のところに版権譲ってくれないかなあ。海外で評価高いだけに、続きがとても気になります。★★★★☆
読了日:12月29日 著者:リアン ハーン




2022年の読書メーター
読んだ本の数:264
読んだページ数:81687
ナイス数:8305
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