なんということでしょう。

2017年のノミネート作品を読み終わったのに気づかず、2018年のノミネート作品に進んでいました。

2018年以降のノミネート作品をほとんど読んでいないので、気が逸っていたのかもしれません。

ま、いつもの凡ミスですが。

 

さて、2017年のノミネート作品

1位 蜜蜂と遠雷 恩田陸

2位 みかづき 森絵都

3位 罪の声 塩田武士

4位 ツバキ文具店 小川糸

5位 桜風堂ものがたり 村山早紀

6位 暗幕のゲルニカ 原田マハ

7位 i 西加奈子

8位 夜行 森見登美彦

9位 コンビニ人間 村田沙耶香

10位 コーヒーが冷めないうちに 川口俊和

 

翻訳小説部門

1位 ハリネズミの願い トーン・テレヘン

2位 すべての見えない光 アンソニー・ドーア

2位 ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン ピーター・トライアス

3位 熊と踊れ アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ

 

発掘部門

錯覚の科学 クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ

 

私的第1位は、恩田陸の『蜜蜂と遠雷』です。

作中で演奏される曲が脳内で再生され…ということはないのですが、読んでいる間中、音楽はつねに私のそばにあったような、そんな読書体験でした。

音楽とともに再生される自分の半生。

自分の死期が近いのかと思ってしまうほどでした。

 

第2位は『すべての見えない光』です。

これは逆に、静寂と共に在った読書でした。

登場人物の一人が目の不自由な少女なので、作中に音がないわけではないのですが、近づく戦争の足音、または戦時下の生活の中で、息をひそめながら、かすかに聞こえるラジオに耳を澄ます。

見える光ってなんだかわかりますか?

見える光は、色です。

色のない、けれども美しい世界を味わわせていただきました。

 

第3位は『コンビニ人間』ですね。

『みかづき』も『罪の声』も『i』も良かったのですが、読後ずっと考え続けたのは『コンビニ人間』のことでした。

普通って何?

誰が決めるの?

普通じゃなきゃダメなの?

どう答えるのが正解なんだろう。

まだ分かりません。

 

そして今回は、合わなかった作品も多くありました。

 

『ツバキ文具店』『桜風堂ものがたり』

どちらも人気作で、続編も出ていたと思いますが、私はだめでした。

主人公の生活にリアリティが感じられなかったので。

代書屋も、書店員も、本好きの人なら割と受け入れやすい職業だと思うのですが、「その程度の売上で生活できるのですか?」というくらい営業努力をしていない。

お店やさんごっこの上にいくらほっこりできるいい話を書かれても、心には刺さりませんでした。

 

もう一作。

『コーヒーが冷めないうちに』

これは小説ですらないと思いました。

戯曲なら戯曲、小説なら小説として書いてほしいと思います。

でも、これも人気作なんですよねえ。

 

さて、2018年からはノンフィクション部門も始まります。

正確に言うと本屋大賞ノンフィクション本大賞という名称で、発表時期もこれだけ違うので、もしかすると別物なのかなあ。

本当は小説だけ読んでいたいという気持ちもありつつ、こういうきっかけがないとノンフィクションに手を出さないからなあという気持ちもある。

いちおう本屋大賞とついているので、ノンフィクションも読みます。

多分。