毎日毎日本を読んでいて、それはそれで不満はありませんが(むしろもっと読みたい)、ちょっと旅に出たくなりました。
それは強烈な日差しと、我慢ならない湿度が落ち着いてきたからかもしれません。
しかしよく考えると一人で旅に出ようものなら、車窓に見向きもせず本を読んでしまうので、旅行は同行者がいる方がいいのです。
さあて、どうしましょうかねえ。

さて6月の終わりにブックカバーをもらったきり放置していましたが、カドフェスです。
ことしの対象文庫のうち既読はこちら

・時をかける少女 筒井康隆
・夜市 恒川光太郎
・こころ 夏目漱石
・羅生門・鼻・芋粥 芥川龍之介
・兎の眼 灰谷健次郎
・セロ弾きのゴーシュ 宮沢賢治
・李陵・山月記 弟子・名人伝 中島敦
・空想科学読本 柳田理科雄
・ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦
・夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦
・キケン 有川浩
・青の炎 貴志祐介
・マリアビートル 伊坂幸太郎
・ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾
・はなとゆめ 冲方丁
・ロマンス小説の七日間 三浦しをん
・気まぐれロボット 星新一
・星の王子さま サン=テグジュペリ
・ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~ 三上延

96作品中19作品。
去年が98作品中27作品だったから、既読率は下がりました。
敗因は、細田守作品を中心とした「感動する」のカテゴリー作品をほとんど読んでいないからだと思います。

唯一読んだ「夜市」は、確かに好きだし、個人的には心のどこかがギュッとなりましたけど、「感動作」とはちょっと違うような…。
確かホラー大賞受賞作だったよね。全然怖くなかったけど。

あと、映画化・ドラマ化作品をあまり読んでいないことも理由の一つでしょう。
なにせ角川だから。
「ペンギン・ハイウェイ」は映画観に行くかどうか考え中。
自分の頭の中で結構完結しているので、特に観なくてもいいか、と。
近々読むでしょうなのは「ふたりの距離の概算」。
今、古典部シリーズを読んでいるので。

はい。今年はこんな感じでした。


本日の読書:深い疵 ネレ・ノイハウス



カバー裏より
『ホロコーストを生き残り、アメリカ大統領顧問をつとめた著名なユダヤ人が射殺された。凶器は第二次大戦期の拳銃で、現場には「16145」の数字が残されていた。司法解剖の結果、被害者がナチスの武装親衛隊員だったという驚愕の事実が判明する。そして第二、第三の殺人が発生。被害者の過去を探り、犯行に及んだのは何者なのか。ドイツで累計200万部突破の警察小説シリーズ開幕。』

これはもう、一気読み。
事件が起こって、手がかりが見つかれば見つかるほど、事件の謎が深まるというストーリーの上手さ!

これはひとつの、いや、ふたつの家族の物語でもあり、戦後のドイツの混乱が生んだ悲劇でもある。
「深い疵」というのは最初、ドイツが負わせた疵のことであり、ドイツが負ってしまった疵のことかと思ったのだが。

“…、六十年経っても癒えない深い疵を負わせたのです。”
たった一度、本文の中に出てきた「深い疵」は、ひとりの人間の失われた人生のことだった。
誰が誰の人生を奪い、誰が誰を糾弾したかを書いてしまうとネタバレになってしまうから書かないけれど。

そうか。
だからあの人は最初からああいう態度を取っていたのか、と腑に落ちた。

ただ、ナチスの武装親衛隊に入るような人は、生粋のドイツ人のはずだけど、ユダヤ人を名乗ってばれないものなのかが疑問。
だってイメージとしては、ドイツ人は金髪碧眼で、ユダヤ人はカギ鼻という特徴があって、見た目が全然違う気がするんだよね。
勘違いかな。

で、元は迫害した側でも、60年間ユダヤ人としてユダヤとドイツのために働いてきたのなら、それでも罪は許されないのかな、なんて最初のうちは思いながら読んでいたけど、読了後は、思想で評価すべきなのか行動で評価すべきなのか、わからくなった。

哀しい事件の大本は胸が悪くなるような自分勝手で、それが是正されなかったことで、負のドミノ倒しが起きてしまった。
そんな事件でありました。


ペタしてね
BGMは甲斐バンド『漂泊者(アウトロー)』でした。

昨日の夜からブーシュカが繋がらない。
サービスが終了したんだろうか。
大量にえさを購入したばかりなのに…というのはどうでもよくて、毎日コメントをやり取りしていた人と繋がらないのがとても不安。
なんのアナウンスもなかったと思うんだけど、アメーバさんどうなってるんすか?