毎日本を読んでいると、読んだ本と読んだ本がどんどん繋がっていくような気がすることがあります。
本たちがバトンを渡して読書を繋いでくれるというか。

あれ?
最近こんな感じの本読んだことあるなー、なんてことがあります。
本が本を呼ぶっていうんですかねえ。

今日、買ったまま積んでいたマンガを読んでいて、まさしくそんな体験をしました。
喋る鞄の中が図書館という設定の『鞄図書館』
良くお邪魔するブログで3巻が出版されていたことを知り、すぐさま買ったわりには積読。
今日ようやく読んだのね。

今回は結構好きな本が紹介されていて、とても楽しく読んでいました。
「わたしはロボット」「黒後家蜘蛛の会」「星を継ぐもの」「月長石」
あれ?
SFとミステリばっかりだ。

で、最後のエピソード。
“答えは一つじゃない。そしてすぐにはわからない”

これ、最近読んだ本と同じテーマだよ。
っていうか、さっき読み終わった本だよ。

というわけで、続きは以下に。
ちなみに紹介されていた本は『毒入りチョコレート事件』
この紹介文の中で『プリズム』についても触れています。



本日の読書:プリズム 貫井徳郎

カバー裏より
『小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が今週された箱詰めのチョコレート。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。』

ミステリの感想というのは書きにくい。
一番ネタバレしちゃいけないジャンルだからなあ。

これはひとつの殺人事件に対して、何人もの登場人物がそれぞれの推理をしていく話。
だから被害者とのつきあい方によって、被害者の人となりが違って見えてくる。
タイトルは『プリズム』
なるほど。

でも、この被害者は違う一面を見せているわけではないと思う。
彼女の性格を、受け取る側が好もしく思うか嫌悪するか。
これでは人物描写としては浅い。
まあ、ミステリは必ずしも人物を描かなくてもいい場合もあるのだけど。

部分的にも全体的にも、突っ込みたいところはある。
でも、登場人物たちがそれぞれの理由で事件の真相を知ろうと考え、推理するというスタイルは好き。
だって、ひとつの事件でいくつもの解決編を読めるのはお得でしょう?

必要なのは真実ではなく、自分が納得するということ。
そういった意味では、私は必ずしも納得できなかったので、自分なりの解答を考えなくてはいけないなあ。にこにこ。


作中で、学校で被害者のクラスの親を呼んで事件の説明会を行うシーンがありますが、クラスだけでいいのかな?
うちの子どもの学校では、先生が不祥事を起こして逮捕されたとき、先生が担当していた学年の親が対象だったけど。中学校の時も高校の時も。

小学校だからクラス担任はクラスの子だけを扱っていればいいかというと、意外と横のつながりが多いような気がするんだけど。
だけど、2組の子どもたちが職員室に行った時、3組の先生は彼らの名前を知らなかったんだよね。
10カ月も隣のクラスの教壇にたっていたのに。
今どきの学校ってそうなの?
都会の学校だからそうなの?
被害者の学校はずいぶんと横のつながりがないんだなあと思ったのでした。



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