茂央のその言葉を境に、コンピューター室内での会話は一切交わされなかった。
すっきりしない様子を隠しもせず、大高は茂央を睨みつけている。


―――ブツンッ『さあ、隠し終えた。制限時間は48時間。特進クラスの生徒諸君はコンピューター室のドアを開け、廊下に出ることを許可する。パズルを完成させ、職員室へ持ってくること。これが制限時間内にされなかった場合には… わかってるな? 以上だ』

――――ガラッ――――

放送が終わった途端、真っ先に扉を開け、廊下に出たのは、茂央だった。
廊下に出るや否や、階段の曲がり角にある壁の蓋を開け、中から消火器を取り出す。
「ここじゃないか。ってことはあの音はフェイク……」
もう用はないと言わんばかりに、消火器をしまい込み、蓋を閉める。すると次は、予め決められている行動であるかのように、四方八方を見回し、天井で視点が止まる。
クラスの茂央を除く全員は、その行動を見守るしか方法がない。
「あっ……!」