そんな朝の軽い雑談をしている内に、2人は学校の門まで辿り着いた。
下駄箱で上履きに履き替え、三階の自分達の教室へと続く階段を上り終えて角を曲がると、2人と同じクラスの大高が茂央の肩に腕を置いた。
「朝から熱いね、お二人さん」
「お前、わかって言ってんだろ。俺達ゃただの幼なじみだよ」
「冗談だよ。そうムキになんなって、な」
教室の扉を潜ると、何時も通り男女混合で騒いでいる。
本当にこれが特進クラスの教室の風景かよ……。
別に何か不満があるというわけでもなく、茂央は内心でそう呟いた。
しばらくで教室のスピーカーからチャイムが鳴った。それと同時に各々が自由な場所にいた生徒達が自分の席に着く。何一つ不自然なことは無い。筈だった。
が、しばらく経っても担任教師が教室に来ないことに気付く。
ブツン――――『全校生徒に告ぐ。聡銘学園の特進クラス担任の安田寛の身柄は、我々が預かった。こいつの命が惜しければ、特進クラスを除く全校生徒諸君は、直ちに学校のグラウンドへと移動せよ。尚、特進クラスの生徒諸君は教室で待機。繰り返す――』
最初は馬鹿の悪戯だと思って薄ら笑いを浮かべていた生徒の表情を一変させたのは、廊下からの他クラスの担任教師の声だった。
「今の放送は本当です! 外にて下さい!」
「安田先生が危険な状態なの! モタモタしてないで早く出なさい!! おふざけじゃないの、早く!」
「特進クラスの生徒は教室で待機していて下さい!」
下駄箱で上履きに履き替え、三階の自分達の教室へと続く階段を上り終えて角を曲がると、2人と同じクラスの大高が茂央の肩に腕を置いた。
「朝から熱いね、お二人さん」
「お前、わかって言ってんだろ。俺達ゃただの幼なじみだよ」
「冗談だよ。そうムキになんなって、な」
教室の扉を潜ると、何時も通り男女混合で騒いでいる。
本当にこれが特進クラスの教室の風景かよ……。
別に何か不満があるというわけでもなく、茂央は内心でそう呟いた。
しばらくで教室のスピーカーからチャイムが鳴った。それと同時に各々が自由な場所にいた生徒達が自分の席に着く。何一つ不自然なことは無い。筈だった。
が、しばらく経っても担任教師が教室に来ないことに気付く。
ブツン――――『全校生徒に告ぐ。聡銘学園の特進クラス担任の安田寛の身柄は、我々が預かった。こいつの命が惜しければ、特進クラスを除く全校生徒諸君は、直ちに学校のグラウンドへと移動せよ。尚、特進クラスの生徒諸君は教室で待機。繰り返す――』
最初は馬鹿の悪戯だと思って薄ら笑いを浮かべていた生徒の表情を一変させたのは、廊下からの他クラスの担任教師の声だった。
「今の放送は本当です! 外にて下さい!」
「安田先生が危険な状態なの! モタモタしてないで早く出なさい!! おふざけじゃないの、早く!」
「特進クラスの生徒は教室で待機していて下さい!」