場面が戻って職場でのやりとり。
突然、課内からの嫌がらせがとまって、
不審に感じたK主任さんが私に問いかけてきました。
ちょっと二人だけで会議室でお話をしております。
私「まぁ、小物がおとなしくなって、
よかったじゃないですか?」
Kさん「仮にも上司に向かって、
小物って言ったぁ~!
絶対、しんじゅさんが何かしたんでしょ!?」
私「まぁ、白状しますと、
姉のアドバイスなんですよ。
きっと私がおとなしそうな見た目だから、
なめられていじめられているんだろうって。」
Kさん「え、あ、うん。」
私「それでいじめをしても、
やり返してこない相手を選んでいる、
姑息なヤツには、
いじめられている側が人気者になったら、
手が出せないだろうって。」
Kさん「はぁ~。
君のお姉さんは頭がいい人だねぇ。
それで急にイメチェンをしだしたんだ…。
納得。」
私「はい。
予想外にうまくいきましたけれど。」
Kさん「いや、そうでもないよ。
僕はたまにしんじゅさんが眼鏡をはずして、
レンズを拭いている姿を見て知っているからさ。
きっと、君は眼鏡をやめたら、
人気がでるだろうなって、
思ってたんだ。
正直に言うと、
君は顔採用じゃないかとかんぐってたぐらいだ。」
私「かおさいよう?なんですか、ソレ?」
Kさん「あ、関係なかったようだね、
ゴメン、聞き流して?
それにしてもそれだけで、
なんであの人たち、
あそこまでおとなしくなったんだろう?」
私「あぁ、飲み会の席で言ったんです。
『職場で謎の嫌がらせを受けている。
それで上司たちに迷惑をかけてしまって心苦しい。』って。」
Kさん「えぇっ!?
そんな言い方したのっ!?」
私「思った事をそのまま言っただけですけど?
それにやたら相手が
『何か困ったことが無いか?
なんでも相談にのるよ?』って、
言ってくるものですから、つい。」
Kさん「そうだった~!
この子、忖度無しで話してるぅ~!」
私「そんたく?」
Kさん「相手の事情をおもんぱかって、
言葉を選ぶってことだよ?
そこは年相応に知らないんだね、
ちょっと安心した…。」
私「そんたく…。覚えとこう。」
Kさん「この子、すごい…。
天然なんだな、容赦ない…。
敵に回したら怖いわ…。」
私「ま、そんな訳で、
社内のかなりの人数を敵に回したみたいです。
それに『新人の女の子をいじめて!』
って女の人たちが、
結託してくれたのも強かったですね。」
Kさん「はぁ~、勝因を分析している…。
ホントにこの子、高卒なのかな?
大卒にしか見えないってか、
院卒でも通用しそうだけど?」
私「何言ってんですか、
ピチピチの19才ですよ!」
Kさん「その言い方がオッサンくさいんだよな…。
相変わらず、年齢不詳な女の子だな…。」
私「しかし、本当に申し訳ありませんでした。」
私は主任さんに向かって頭を下げました。
Kさん「え?何が?」
私「私の不注意で、
主任にいらない心労と、お手間と、
ご迷惑をおかけして、心苦しかったんです。
未熟な私の不徳といたすところです。
申し訳ございませんでした。」
Kさん「いやいやいや!
僕が最初に印鑑の角度の事を教えていれば、
あんな目に合わなかったわけで…。
ってか、家でこの話をしたら、
娘たちにあきれられたんだよ…。
『印鑑の角度でおじぎって、
バカじゃないの?』って。」
私「はぁ。」
Kさん「『そんなことでいじめられている、
しんじゅちゃんがかわいそうだから、
絶対守ってあげてね!』
って言われてたんだ。
僕も言われてみればおかしな話だと思ったけど、
染まっていたから気づかなかった。
君はこの会社の事を何も知らない、
まっさらな状態だったから、
おかしい事はおかしいと気づけたし、
そう言ってただけで、
君の感覚の方が正しいんだよ。」
私「あ、はい。ありがとうございます。」
Kさん「それを僕たちの会社の昔からの因習や、
妙なしがらみがあって、
誰も注意できなかった。
ソッチの方がおかしいって話なだけで、
僕こそ数か月間、君が同僚たちから、
無視されていたのを助けてやれなくて、
すまなかったと思っているよ。」
私「いえ、大丈夫です。
そこは全然気にしてないですから。
それより主任がそちら側に立たなかっただけで、
どれだけありがたかったか…。
同調圧力に負けても仕方ない状況だったと思います。
今後のキャリアにも関わるでしょうに、
私の為に奔走してくださって、
ありがとうございます、
感謝しております。」
Kさん「いやいやいや、何言ってんの!?
君は入社一年目の新人なんだよ?
それは上司の僕が言うセリフで、
どこまで考えてんの?
ってか、不徳のいたすところって、
普通10代の子が言うセリフ?
なんか君の方が上司っぽくない!?」
私「アレ?そうですか?
きちんと敬語をしゃべろうと思ったら、
そういう風になっちゃっただけなんですけどね?
まぁ、小物が成敗できただけでも、
ヨシとしますか!(笑)」
Kさん「だから、どうして君は上から目線なの!?(笑)
なんだか、君を攻撃してくる人たちの気持ちも分かる気がするよ(笑)」