さてさてドラゴンが出現してしまい大騒動となってしまったロンドン市内。どうなっちゃうんでしょうか?
今回は、三人称スタイルで進めたいと思います。
⚠️「」→日本語。『』→英語。
《》→AIボイス&電話&通信音。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
8月某日の快晴となったロンドンシティ。暑い夏の日の事だった。
突如として英国空軍基地に、スクランブル発進命令が出された。
《緊急事態発生!ロンドンシティ上空に、大型の未確認飛行物体出現!戦闘機スクランブル発進願います!》
その命令に、空軍基地指令室はざわめいた。
『一体何が出現したんだ!?』
『只今、市内の監視カメラを確認中です!』
司令官が各所に命令していると、大型モニターにトンでもない物が映り出されたのである。
『な、なんだと……ドラゴン!?』
『しかも2体居る模様!白いドラゴンは、ロンドン橋近くの通りに降り立ちました!』
『もう一体は、黒いドラゴンです!テムズ川上空を飛んでいます!』
『スコットランドヤードにも連絡しろ!空軍特殊部隊にも緊急命令!現地に向かえ!!』
その情報は、英国王室政府にも伝えられ国内に緊急ニュースまで流れる始末。
そんなことが起こっているとは、知らない人物達がいた。
ロンドン橋近くの通りで、日本人ミュージシャンの不破尚がPV撮影していた所にホワイトドラゴンロボットのパールディアが出現してしまいキョーコをマスターと言い助けに来たからだった。
不破尚こと、ショータローはキョーコに突っ込みまくっている。
「あ~えーとね、そのホワイトドラゴン…パールディアって言うんだけど私の主演するとある短編映画で共演した子なのよ。因みに本物のドラゴンじゃなくて、ロボットだから。あっちのブラックドラゴンのグランディスも。」
その説明に、ショータローはあんぐり。
「は?ロボット……ん?あれ?その名前ってどっかで聞いたような~~!?RPGゲームの金字塔!SSシリーズの1作目 "二頭の竜伝説"に登場するドラゴンの名前じゃねーか!!何でその名前付けてんだよ!!」
実はショータローは、幼い頃からゲームが大好きで特にRPGを得意としていた。その為、SSシリーズも良くやっていたので設定も詳しく知っていたのである。
謂わば、ガチ勢のSSファン…いや隠れマニアでもあった。
「詳しいね君。1作目の時産まれてないだろ。そこまで知ってるなんて。」
「そー言えば、小さい頃から良くRPGのゲームしてたものね。あれってSSシリーズのゲームだったんだ。」
「そ、それよりも何でコイツお前の事マスターなんて呼んでるんだよ!」
ショータローが、久遠とキョーコに詰め寄っていると何台かのパトカーがやって来た。
『皆さん、ここから離れてください!』
『危険です、今すぐ避難を!!』
拡声器を手にパトカーから降りてきた警官達が、銃を構えてパールディアの方へと走ってきたのである。
『そこの何かの撮影してる人達も!早く逃げなさい!!』
『何をしているんだ!?早く!』
「え、うぞ😓パトカー来ちゃった~~!?どうしよう?」
「ここは正直話した方が良さそうだな。」
久遠が、警官隊の元に走っていき大声で叫んだ。
『大丈夫です!彼らは俺達に危害を加えようとはしてません!それに本物のドラゴンではなくロボットです!』
『エスティリアのアレク殿下!?SPも付けずに何をなさってるんですか!?』
『違います!俺は、久遠・ヒズリです!!』
そう話すと、グランディスもまた道路へとゆっくりと降りてきた。
《反重力ウイング並びにジェット推進モード停止。マスター久遠、我々の行動が空軍にも伝わってる模様。戦闘機がスクランブル発進したとの情報をキャッチ。》←※英語です。
『何だって!?空軍にまで情報が行ってるのか!?』
久遠が驚いてると、警官達もその様子に驚愕した。
『しゃ、喋った!?本当にロボットなのか!?』
『はい…見ての通りです。直ぐ空軍にも伝えて下さい!』
久遠が、今までの経緯を説明すると警官の1人がスコットランドヤードに連絡。
そこから更に空軍にも伝えられると、スクランブル発進した戦闘機も海上に停泊している空母艦へと帰還していった。
その数分後、大きなヘリが飛んできて降り立つとヘリからロンドン大学の工業科の教授であるエリック氏が降りてきたのである。
『すまない!クオンにキョーコ、大学の敷地内でメンテナンスしていたらまた勝手にパールディアが起動してしまって、ラボから出ると飛び去ってしまったんだ!慌てて、グランディスを起動して追いかけさせたんだよ。まさかこんな騒ぎになるとは…。』
エリック教授は、項垂れてしまい困っていると……
《私は、キョーコをマスターとして認めました。プロフェッサー・エリックのプログラムした命令ではなく、私自身で決めた事です。
そのマスターであるキョーコの危機を察知したからこそ、こうして駆け付けた次第です。因みに危機を察知したのは、キョーコがこの撮影に参加する前にこのクズ男が2人に対してイチャモンつけた時からです。
私は常日頃から各国の軍事衛星や監視カメラと言った、有りとあらゆるネットワーク等にアクセスして、マスターの居場所を所持しているスマホと生体情報から把握しておりますので。》←※英語。
何気にショータローをディスる言葉に喋り方に、周囲にいた人間達は驚いた。
『パールディア…君は、それは自分の意思で決めたのか?それはもう完全に、自律したAIの持ち主ってことになるが…シンギュラリティが起きたって事なのか!?』
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、自律的な人工知能が自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知性が誕生するという仮説である。
人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が2045年にシンギュラリティーに到達すると予測していることから、2045年問題とも呼ばれている。
しかし、パールディアは予測された30年も早くシンギュラリティが起きてしまったのだ。
《シンギュラリティの意味も理解しております。おそらくそうだと思われます。プロフェッサー・エリックが組み上げたプログラムによって一時期的にキョーコをマスターとしましたが映画撮影終了後にそのプログラムを外しましたよね?
でも私は、短い期間ではあるものの彼女…キョーコと共にする内に愛おしいと感じまた護りたいと言う気持ちが生まれました。その為、キョーコを"マスター"とし一生守護者として生きていきたいと思ったのです。》
エリック教授は、映画撮影期間の2人の様子を思い出していた。
↓より回想シーン
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「う、うわっ💦本当に浮かんでる!」
キョーコは、パールディアの胴体に付けられた鞍に跨がっている。驚きつつもしっかり手綱を手にしていた。
『パールディアもう少しゆっくり上昇するんだ。くれぐれもキョーコを落とさないように。』
《了解プロフェッサー・エリック。》
その様子を新開監督や撮影クルーに、エキストラを含む出演者達は呆然としつつ眺めている。
『信じられませんね、本当に飛べるなんて。反重力システムってもっと未来の時代のイメージって想像の世界でしかありませんでしたよ。』
新開監督が、エリック教授に正直な意見を述べていた。
『幼い頃から、SF映画やアニメが大好きでね。夢だったんだよ自分で映画やアニメに出てくるような宇宙船やロボットを作りたいって想いがあったんだ。どうやったら作れるんだろうって本気で勉強してたら、いつの間にか物理工学の教授になってたよ。
まだこれは開発中のシステムではあるが、1年前に世界的なIT企業からのスポンサーが数社ついてロンドン大学の工学部にドラゴン型ロボットを作って欲しいと言う依頼が来たんだ。その話を聞いて、私の開発した反重力システムを実験的に搭載させて欲しいって頼んだんだよ。
そしたら世界的に人気のあるRPG作品に登場するドラゴンにしてくれないか?って話も舞い込んだんでね名前も同じにしたんだ。』
にかっと笑い、説明するエリック教授。
『因みに、2頭のエネルギーは水素エネルギーと太陽光バッテリーが搭載されてるんでかなりエコなエンジンだ。空気を汚すこともない。』
『本当に凄いですね。正にファンタジーな光景ですよ。』
新開監督とエリック教授が話していると、キョーコを乗せたパールディアがいきなりスピードを出して飛び出したのである。
ブワァッ!!
「え……きゃあああああ!?」
キョーコは、思わず叫んでしまった。
『うわっ!パールディア!?』
「キョーコ!しっかり手綱を握るんだ!!」
クー・ヒズリが馬で走り出して並走を始めた。
するとキョーコは、眼を開いてしっかり手綱を握り馬に乗るように前のめりとなった。
その様子を感じ取ったのか、パールディアは更に上昇。
《マスター・キョーコ。どうですか?私の乗り心地は?》
パールディアがキョーコに、話しかけてきたのである。しかも日本語で。
「え?日本語?パールディアから話しかけてきたのって始めてよね?」
すると目の前の光景にキョーコは、感動したのである。
「うわぁ……凄い、見渡す限りの草原!気持ちいい風!綺麗な青い大空!」
《このままジェット推進モードの訓練に移行しますか?》
「うん…やってみよう!」
《了解。ジェット推進モードに移行。》
すると先程とは、違い更にスピードを増して急降下すると共に地面近くをまるで戦闘機のように飛び始めた。
《次、反重力ウイングモードに切り替えてターンし上空を旋回します。いいですか?》
「OK!」
その様子を眺めている地上にいる人達は、自分達が本当に幻想の世界にいるかのような錯覚に陥っていた。
「うおおおおお!スゲー!」(悠人)
「キョーコのやつ始めてなのに乗りこなせてんぞ。大したもんだ。」(クー)
「凄いわ!キョーコ!!」(ジュリエナ)
「マジ信じられん……夢じゃないよなこれ😅」(社)
「夢じゃないですよ!キョーコちゃん凄い!」(松永)
その様子を無言で眺めるキョーコの母、冴菜。
隣でグランディスに跨がり見ていた久遠は、グランディスに話しかけたけた。
『グランディス!俺達も行こう!』
《了解。マスター久遠。》
するとグランディスも飛び始めて、キョーコとパールディアのいる方向へと向かったのだ。
因みにグランディスは、久遠とは英語で話し合っている。
しばらくすると、グランディスはパールディアと上空で合流。
「久遠さんとグランディス!?」
「キョーコちゃん!一緒にトレーニングしないか?」
「うん!やってみたい!いい?パールディア?」
《了解。マスター・キョーコ。グランディス、シンクロモードへと移行してください。》
《了解。パールディア。》
すると今度は、2頭とも同じ高度で並行に飛び、ぐるっと旋回。
ジェット推進モードで地上スレスレまで降下し、再び上空へそして一回転するとウイングモードに切り替えて、撮影隊のいる方向へと戻ってきた。
《反重力ウイングモード停止。着地します。》(パール)
2頭は、ゆっくりと地上に降りて来てエキストラの人達が群がってきたのである。
『2人ともスゲーぞ!』
『もはや本物のドラゴンだよ!』
『神に感謝します😂』
『夢のような光景よ!』
皆口々に感想を言い、割れんばかりの拍手が起き喝采を買った。
キョーコは、パールディアが首を地上近くまで降ろすと鞍からジャンプして降り直ぐにパールディアの顔のもとへ駆けてきた。
「パールディアありがとう!素敵な光景見せてくれて、最初はちょっと怖かったけどやっちゃえば何ともないわね。スリル満点だったけど慣れれば平気かも😆」
かなりハイテンションとなり、満面の笑顔でパールディアの顔に身体を寄せ抱き締めているキョーコを見てエリック教授は、一安心したと言う。
『はあ~冷や汗もんだったよ、いきなり飛び出すなんて…パールディア?俺はちゃんと命令したよな?確かに、一時期的にキョーコをマスターとしてはいるけれど、俺の命令も聞くようにプログラミングしてるんだから。』
エリック教授が近寄ってきて、パールディアを認めているとグランディスも注意してきたのだ。
《何故、パールディアは自分勝手に動くんだ?俺達は、人の手によって作られた存在なんだぞ。ちゃんとプロフェッサー・エリックの言うこともきかないと!》
《貴方に言われたくないわよ。人に命令されてしか動けないあんたみたいな男、私嫌いなのよね。じゃ、また後で黒トカゲさん。》
そう言って、その場を後にトラックの方へと歩きだしたパールディアだった。
《黒トカゲ……😨》
グランディスは、パールディアに言われたその言葉にショックを受けたらしく長い尻尾を地上に垂らしてガーンと項垂れてしまい、丸で子犬のように縮こまってしまった。
その様子を皆見てしまい、ギャグマンガのような展開に爆笑してしまったのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あの時の事をエリック教授は、今思えばシンギュラリティの前兆があったのかも?と思い出したのである。
「ウソだろ?シンギュラリティって聞いたことあるけど、間近で見れるなんて、しかもこんなドラゴンロボットに起こるなんて映画みたいな話じゃねーかよ。」
ショータローもその話を聞いて驚いていた。
しかもその様子は、騒動を駆け付けた地元メディアによって映し出されており生放送で英国中に流されていた。
そして、瞬く間に世界中へとそのニュースは流れたのである。
別の意味で、今度はホワイトドラゴン・パールディアは全世界注目の的となったのだ。
そして、キョーコはそのマスターとして認められていると言うことからも『ドラゴン・プリンセス』等と呼ばれるようにもなったと言う。
『取り敢えずパールとグラン、大学のラボまで戻ってきてくれないか?特別に市の方から許可が出た。ウイングモードで飛んでも構わないと。それと……すまないんだが、クオンとキョーコに協力して欲しい。一緒に来てくれないか?』
エリック教授の申し出に2人は了承。久遠は、ヘリに行こうとしたらキョーコがパールディアの方へと向かい乗ろうとしたので慌てて久遠が止めたのである。
「ちょっとキョーコちゃん?何乗ろうとしてるの💦」
「え?乗って行くのってパールじゃなくてヘリコプター?鞍付けっぱなしだからてっきりこっちだとばかり😳💦」
天然ボケをかますキョーコを見てショータローは突っ込んだ。
「んなわけあるかい!お前相変わらず天然だな!」
『キョーコ…君が構わないなら乗って着いてきてもいいよ😅パールちゃんと彼女を守って安全飛行で来なさい。』
《了解しました。プロフェッサー・エリック。さあ乗ってマスター・キョーコ。》
キョーコは、パールディアに乗って跨がりついでだからと久遠もグランディスに乗って一緒に飛び去って行ったのである。
「なんちゅー光景だよ😓あいつら人間離れしてねーか?」
ショータローが呟いたのは言うまでもない。
しかもロンドンシティ上空をヘリコプターを先頭に悠然と飛び交うドラゴンの姿を各局のテレビ局のヘリコプターやマスコミのドローンが追い掛けていき全国へと生中継し、高視聴率を叩き出したと言う。
→⑯へと続く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何か、完全にSFファンタジーになりつつあるこのストーリー。
別の方向性へと向かっておりまする(笑)
次回こそ、本物の王子様出したいんですけどね。
意外と長めなストーリーになりつつあります。