さてさて今回は、キョーコsideから見たお話です。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語になってます。

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私はいきなりミューズ様に手を引かれあるところに連れてこられていた。

そこには、宝田社長と呉前Pとレナード監督ともう1人老齢な品の良い女性がいたのだ。


『あ、あのう…これ一体どう言うことですか?揃いも揃って製作陣のお偉方が私に何の用で?』


『すまないな急に呼び出してしまって。レンの専属美容師は、一応君の専属でもあるとMr.宝田に聞いてたもので連れてきて貰ったんだ。君がどれ程化けれるか実際に見てみたかったのでな。』


はあ?化ける?どう言うことなんだろ?と首を傾げて社長の方を向いたら……


「最上君、昨日呉前Pに自分が二重国籍であること話してしまったんだって?呼び出された理由は、それが原因なんだなこれが。」


社長が少し呆れながら言ってきた。


「え?何でいけなかったんですか?別に構いませんよね?だってしょうがないじゃないですか。話の中で、呉前Pは私が純粋な日本人だと思っててPAとして働く上では、マネージャーさんと同じ興行ビザが必要になるからって、そのビザを申請するには映画会社が用意した契約書類がないと取れないからって言うのでその書類を貰ったんですけど。…でも私はアメリカ国籍持ってるからビザじゃなくて労働許可証を申請したって話す必要があったんです。」


「まぁ、確かにそうだけどな。君が二重国籍で労働許可証を持ってる事で、実は君は今ここで芸能活動も可能になってるんだよ。呉前君は、その事をレナード監督とそこの女性に話したんだ。そしたら、君をとある映画の配役に使いたいって言い出してな。

因みに、ルートの方では厳密に言うとキャストではなく、琴南君のスタントウーマンとして出て欲しいんだと。あ、それとアメリカ人キャストの日本語吹替えの声優キャスティングと二部作目の出演の打診は出ていてな。それはまた後で話すわ。」



はい?別の映画への配役?モー子さんのスタントウーマン?日本語吹替え声優?二部作への出演の打診?


「はい~~~~~~~~~~~~~~~( ´゚д゚)!?」


私は思わず驚き、すっとんきょうな声を出してしまった。

その様子に皆後退りしたけど、私はパニックになってしまい……


「なぜなぜなぜに?別の映画への配役が?ルートじゃなくて?ん?でもモー子さんのスタントウーマンやるから一応出演ってことにはなる?二部作目には一緒に出れるの?それはそれで嬉しいけど~~一体何がどうなってるんや~~!?」


「落ち着きなさい最上君!ちゃんと説明するから。取り敢えず座って聞きなさい!取り敢えずこれ見ろ!」


社長が私を宥めてきて、部屋に用意された大きなテレビ電源を付けて何かのDVDを入れた。

暫くすると、何か見覚えのあるシーンが出てきた。


「あれ?これって日本で皆で撮った全編英語で演技して作った模擬撮影作品の『CRISIS RIST』ですよね?」


「ええそうです。実は、アメリカにも持ってきてたんですよ。それでレオ監督を始めとする今回の映画に関わる製作陣や関係者だけを集めて鑑賞会を開いたんです。その中で、唯一日本人キャストの中に入っていなかったライヤー役の京子さんの事を気になった人物が数名いましてね。

貴女のアクションと英語の演技力に興味を持ってきたんですよ。その中の1人がこちらの女性です。」


そう言うと、一緒にいた60~70歳くらいの女性が私の隣にやって来た。そして何だか知らないけど、不思議な感覚に囚われた。あれ?この人何処かで……?

私がジーっとその人の事を見つめていると、優しい笑みになり言ってきた。


『久しぶりねキョーコ。それともカノンと呼ぶべきかしら?大きくなったわね。』


『え?あれ……あの…何処かでお会いしたことありますか?』


「え!?」


私たちの話に、その場にいた人達が皆驚いた。


「覚えてないのも無理もないわな。あんたはまだ赤ちゃんやったし冴ちゃんもお父はんも、あんたの子育てに大変だったんやで。」


「は、はい?いきなり京都弁?日本語話せるんですか?それに冴ちゃんって……母の事も知ってる?お父はんって…誰のこと?」


私はビックリして、その女性の顔をよーく見ると誰かに似てる事にも気付いた。そう、それは私自身だ。


正確に言うとショータローのPVに出た時の、天使の姿だ。

実は、渡米する少し前に天宮さんがスマホの面白アプリとかで、将来の姿をシミュレーション出来るのがあるから皆で試してみようと言われてやったことがある。


その中で、天宮さんが私が演じた天使姿を基に老後姿のシミュレーションをしたところ、完全な外国人のお婆さん姿が現れて皆で爆笑した、と言う経緯があったのよね。

そう、その時の写真の私に似てたのだ。


「お父はんは、あんたのひい祖父さんの事や。うちはキョーコちゃん、あんたのお祖母ちゃんの妹やで。つまり大叔母、アメリカ人の旦那と結婚して名前変わったけど旧姓は最上や。うちは、エーコ・ミドルトン。姉さんは、ヨーコやもんな。因みにお祖父さんが婿養子なのは知っとるんよね?最上家は、うちの代では女の子しか産まれてへんから次女のヨーコ姉さんが結婚する時にお婿さんもろうてくれたんやけど。」


ん?ヨーコは確かに亡くなった祖母の名前……。そう言えば、片桐先生もお祖父さんが婿養子だって話してたような……?


「ええ~~!?お祖母さんの妹さん?昔会ってます?だから何か懐かしい感じがしたってこと?何でこんなところに?ってゆーか、ひいおじいちゃん今何処で何してるんですか?生きてるんですよね?元気にしてるんですか?まさか寝たきりになんて…?って事になってませんか?

は!まさか、知らないうちに亡くなっているなんてこと…私には知らせてなかったとか?どうなんですか、大叔母様!」


私は、怒濤のごとく質問責めにしてしまい、息もゼーゼー言って周りの事が目に入ってなかったのだ。


「落ち着きなさいキョーコちゃん。皆、驚いてるで。大丈夫やからお父はんは、生きてるし全然元気や。」


「本当に?ひいおじいちゃん生きてるの?良かった~。」


「まさか…ミドルトンPが京子さんの大叔母さんだとは思いもよらずです。もしかして、最初から気付いていたのですか?」


呉前Pが、大叔母様に驚きながら聞いてきた。すると英語に切り替わったのである


『いいえ。最初は、普通にCRISIS RISTを見てライヤー役の子に興味が出たのよ。それで色んな資料を取り寄せたいから貴方に事務所やら出来れば名前と出身地も教えて欲しいって言ったでしょ。そしたら京都出身で、ドラマの打ち上げパーティーでのドレスアップ姿を見せてくれたじゃない。そしたら姉の若い頃に似ている事にも気付いて、もしかしたら?って日本にいる姪の冴菜に電話して聞いたのよ。

娘が芸能活動してますってね。しかも今は、別の仕事でハリウッドに滞在してますって言うもんだから。だから直接会って話をして確認しようと思ったのよ。

勿論、私がエグゼクティブプロデューサー(EP)を務める別の映画への配役の話もウソじゃないわよ。』


そう言って私にウインクしてきた。


『映画のプロデューサーしてるんですか?』


『彼女は、ハリウッドでも敏腕で知られる名プロデューサーだ。しかしキョーコの身内だったとわな。これはまたビックリだ。しかもあの大物監督の曾孫でもあったとわな。』


レナード監督が言った事が気になった。大物監督?どう言うことなんだろ?

そしたら大叔母様がレナード監督の前に立ち塞がった。



『その話は後にして頂戴、本題に移らせて。実は、私はルートプロジェクトとは関わってない人間なんだけど、先日たまたまヘルナルド監督と話してる時に、呉前Pを紹介されて面白い鑑賞会を開くから見ていきませんか?って誘われたから私も『CRISI SRIST』を見させて貰ったの。

そしたらライヤー役の女の子に目が行っちゃってね。でもルートのキャストの中には入ってないって言うもんだから詳しく聞いたのよ。

その話の中で、もしかして冴菜の娘のキョーコじゃないかって思ってね電話して確認したのよ。それならアメリカとの二重国籍の筈だから、芸能活動が可能って事に気付いたのよ。その後に、呉前Pからも貴女が二重国籍者だって連絡ももらってね確信したのよ。

私がEPを務める映画があるんだけどね、こちらも日本人キャストが多く配役されてる作品なの。もう既に撮影が始まっていて、ルートの撮影スタジオから少し離れた真向かいにあるここのスタジオで撮影してるの。』


指で床を指しながら話を続けてきた。すると今度は少し困った顔をして…


『でもねぇ1人だけ未だに決まってない配役があるのよね。そんなに登場するシーンはないんだけれども、かなり重要な人物でね。こっちの作品も三部作を予定してるんだけど、次回作の主演ヒロインに予定してる役でもあるのよ。こっちの映画は、部作品毎に主演ヒロインが変わる設定にしてあるのよね。そのヒロイン像にキョーコ貴女が合うのよ!若い女性で日本人でアクションが出来て、英語での演技も申し分もないってね。直ぐに、こっちの監督と演出家にも話してDVD借りて見させたら気に入ってくれて使いたいって言ってきてくれたのよ。』


『ええ?そちらの監督さんも?』


私は、まさかのハリウッド映画への出演交渉を受ける事になってしまったのだ。


何でもその作品は、近未来のアメリカを舞台にした世界中で大人気を博してるSFRPGシリーズの実写映画。

日系アメリカ人の青年が主人公で、ヒロインはシリーズ毎に変わっているらしく、その内の1人を私に演じて欲しいとの事だった。



「それでいて君に取り敢えず、こちらの映画の衣装を着せてヘアメイクさせてみて外見的にも違和感がなければ、最終的に演技テストもして確認して、配役を決めたいと言ってきたんだよ。どうだやってみないか?上手くいけば君が目標としているアイツと一緒に立ち並ぶのに相応しい人間に近づくことが出来るぞ。」


宝田社長も、ニヤリとした顔をして提案してきた。


確かに、私は敦賀さんと立ち並ぶのに相応しい人間になりたい。本当は、ルートに出てる日本人キャストの人達が羨ましかった。

私もあの中に入って一緒に演技がしたいと思うようになってたからだ。

でも…私も出して欲しいなんて我が儘は言えない。あくまでも今回ばかりは、私はモー子さんのPAなんだからサポートに徹しようて決めていた。


「でも…琴南さんのPAの仕事もあるし、そちらの仕事が出来なくなりますよ。魅力的な話ではあるけれど…それに、琴南さんのスタントウーマンの話も出てきましたよね?それはどうするんですか?」


「それもなんとかなる。こっちの映画では1部作目での登場するシーンは少なめだ。殆どスタジオ内での撮影だし、若干ロケ撮影も入るが早ければ君の撮り分は、2週間程で終わるそうだ。その間の琴南君のサポート要員も急遽こちらで用意することにしたしな。安心しろ、撮影が終わればまたルートの現場に戻ってこれる。それとスタントの話はちょっと特殊な撮影なんで君の協力も必要なだけだ。そのシーンだけのスタントウーマンとして琴南君と一緒に撮影に参加して欲しいらしい。」


「キョーコちゃん……どうかお願い出来へんか?うちはあんたの夢も応援したい。このチャンスを逃すつもりか?」



私は、2人の説得に耳を傾け良く考えた…そして決めた!


「分かりました。私も海外映画へチャレンジしたいです!宜しくお願いします!」


深々と2人に頭を下げて、意気揚々と宣言したのである。


「さて!そうと決まったら早くヘアメイクして衣装に着替えなきゃね😉キョーコちゃん!」


「はい!ミューズ様お願いします!」


その後、ヘアメイクが終わり衣装に着替え終わり撮影スタジオまで歩きながらミューズ様と話していた。


「ミューズ様~?何でわざわざ時間かけて、地毛の色に染め直して更にエクステまで付けてロングヘアにしたんですか?ウィッグでも良かったんじゃ?」


「ヘルナルド監督からの所望よ。奏江ちゃんとのスタント撮影もあるから長くしといた方が後で楽だからって理由よ。それにミドルトンPからもお願いされてね。茶髪も悪くないけどやっぱり自然な黒髪のキョーコちゃんが見たかったんだって。そっちの方がこちらの監督さんも喜ぶって言ってたわ。」


ん?そー言えばまだこちらの映画の監督さんの名前教えて貰ってないような?どんなに人なんだろう?


因みに、こちらの映画のタイトルは

『STAR SEED~future of wing~』。


原作は、殆どTVゲームをしない私も名前を知ってるくらい超有名なゲームだ。日本のゲームメーカーが発売したゲームソフト『スター・シード(通称:SS)』シリーズとして色んな作品が出ている。

長年世界中で愛されてるゲームで、そー言えばショータローも良くやってたわね。


この度、ゲーム生誕30周年を記念して実写映画化が決定したんだって。今回の実写は、1~3作目迄の世界観を舞台にしたストーリーになってるらしい。


私がキャスティング予定されている人物は、超能力を持った10代の日系人少女の役。ほかにも、日系人や日本人キャラクターが多く出てるストーリーになってるので、こちらの映画にも日本人キャストが多く配役されてるんだって。

配役されてる役者さんの中には私が見知ってる人もいた。



「キョーコちゃんここのスタジオよ。いい?心の準備は出来てる?」


ミューズ様の声で気付いた。いつの間にか撮影スタジオの扉の前まで辿り着いていたのだ。

私は、唾を飲み込んで深呼吸をして扉を開いた。


そして…スタジオ内に入ると、大叔母様がいて私に手招きしてきたのでそっちに歩いていくと撮影は、一旦中断しているみたいだったので。大きな声でハッキリと言い放った。


『失礼します!京子馳せ参じました。演技テストよろしくお願いいたします!』


そして深々と頭を下げると、近くからドドド~~っと大きな駆け足が聴こえてきて後ろを振り向くと、いきなり大きなアメリカ人のおじいさん?が抱きしめてきたのである。


『キョーコ~カノン~やっと会えた~~(。>д<)!!』


ほえ?どゆこと?


3 へ続く。


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いやはやまたやってしまった…(^o^;)

キョーコの身内を大物にしてしまうクセがあるのよね私って。

全然、キョーコの身内って冴菜さん以外判明してないんだもの。んだから勝手に私は、オリジナル設定を作って二次小説書いちゃってます(笑)


ちょっと別のストーリーからの設定も引っ張って来ました。少し立場とか家族設定変えてはありますが。


⚠️5時頃に、一部分修正しました。