「まさかとは思うけど、既に手を出してるとか言わないでしょうね?この子は17歳。18歳未満や!あんたは21歳の成人男性、もしそうだとしたら…都市条例違反で告訴するで!!」

お母さんが突然、敦賀さんの首もとのシャツに手をかけて首を上下に揺らしながら、変な事を言い出したので私は慌てて止めようとしたら、お父さんが認めてきた。

「そんな事してませんよ!首揺らすの止めて下さい!」

「おいおい💦もが…冴菜やめないか!流石にやりすぎだ!」

お母さんを後ろから羽交い締め状態にして敦賀さんから離す事に成功し、私は首を揺らす彼に近寄り顔に両手を当てて揺れを止めると……

「大丈夫ですか?目回ってない?」
「ありがとうキョーコちゃん。少し回ってるけど大丈夫だよ。」

ホッとして互いに笑顔で話す姿を見て何かを察したのか、お父さんが私達に聞いてきた。

「もしかして二人って互いに恋愛感情を持ってたりする?実は、友人に親戚とは知らずに恋愛関係になった人がいてね。しかも最終的には結婚するまでに至った話があるんだよ。キョーコちゃんと久遠君もそんな感じかな?」

世の中にはそんな人もいるんだ……💧

「えっと~その…あの実は……さっき素性をカミングアウトした時どさくさ紛れに告白もしました。」

最初は、歯がゆい感じで話始めたけどばか正直に告白した事まで話してしまった敦賀さん。

「はあ?キョーコに告白した??どういう事や!何時から?この子の事好きやったんや?何がきっかけで好きになった?このロリコン!!」

「ちょっと、お母さん!ロリコンは酷い!!私と敦賀さんは4歳しか離れてないわよ!!それに!何で何時も、敦賀さんに対してそんなに態度悪く接するの!?」

「それに関しては俺もずっと疑問でした。何で何時もギロリとした目付きをしたり話かけようとすると機嫌が悪い事が多くて、不思議に思ってたんです。」

私だけでなく、敦賀さんも同じ意見だったのね。何で何時もそんな態度とるんだろうと思っていたら、この後の話でその原因が判明。

「それは、あんたが日本を飛び出して全く連絡も寄越さないで海外を放浪してるバカ兄貴にソックリだからや!ったく一体何処におんねん!?
最初は、年齢的にもあんたくらいの子供がいてもおかしくないから兄さんの息子かと思うてたんや!
でも、さっき伯父からの連絡で兄さんやなくてイトコの息子と知った時のウチの気持ちが分かるか!?ふざけるとるんか!本当にもう!!」

「「「はぁ!?」」」

三人で呆けてハモってしまい、目が点に。
口調も完全に京都弁へと戻っているお母さんは、性格もぶちギレ状態。完全にキャラ崩壊していた……💧

「そう言う事だったのか。そんなに俺って最上先生のお兄さん?キョーコちゃんの伯父さんか。似てるんですか?」

「確かに、黒髪黒目なら君のお祖父さんと冴菜のお兄さんである、京介さんの若い頃にもソックリだな。逆に本来の姿だと多分、冴菜の実父の若い頃にも似てると思う。かなり明るい茶髪に金茶色の瞳だったらしいからな。キョーコちゃんの薄い琥珀色の瞳は、お祖父さん譲りなんじゃないかな?」

そんなに似てるんだ……何か不思議。ヒズリ家と最上家ってどんな関係なんだろ?
元々、親戚関係なの?私は気になってしまいお母さんはまだ興奮してたので敦賀さんに聞いてみた。

するとビックリ!お祖父さんから聞いたお話をしてくれて、私のお祖母さん・お祖父さんの出逢いが私達の幼い頃の出逢いと似ている事や、曾祖母がイギリス人だったりそのまた上のご先祖様がフランス人だったりと驚愕の話を聞かされたのだ。

「何でそんな大事な事黙ってたの?」

「それは……まだ新人タレントである貴女に話して周囲にも知られたとしたら、それが原因で周りから謂われもない事を言われる可能性があったからよ。」

へ?どういう事だろ。そしたら今度は、お父さんが捕捉してきたのだが……

「いや、もう既に大概の人が知ってると思うけどな。更に言えば、敦賀蓮と京子は血の繋がった身内じゃないか?って言う噂も随分前から業界内には流れてはいたんだし。」

「ん?どういう事ですか?俺とキョーコちゃんが身内って噂が流れてるって……💧」

「そんな話、私も今初めて聞いた。何で?どういう事~~~~~!?」

私と敦賀さんが二人揃って疑問に思って聞くと、お母さんは大きくため息をついて……

「コレはもうちゃんと話すべきだな。キョーコちゃんだって今年で18歳になるんだし知る権利がある。
祖父母や曾祖父母の事。最上家とヒズリ家の関係から藤堂家との関係も全てを話す時が来たんだよ。もう腹をくくれ冴菜。」

「確かにいつまでも黙っている訳にはいかないものね。キョーコ、それと久遠君も私の話を聞いて頂戴。いいかしら?」

お母さんは、きりっとした顔立ちに戻り全てを話す決意をしたと言うので私達は黙って頷き神妙な気持ちで聞くことにした。

その内容は、私も敦賀さんも驚くべく内容だった。
お母さんの兄である伯父さんの話から、私がヒズリ家から離れて不破家に預けられた理由。
祖父母・曾祖父母の職業、それが知られると七光りやコネと言われるどころか嫉妬の対象になること間違いなし。
下手をすれば、森住さん以上の嫌がらせを受ける可能性があったから話せなかったらしい。

この時知ったのだけど、私が森住仁子さんから受けた傷害未遂の事を社長から聞かされていたらしく、藤堂さんと籍を入れて私とも戸籍上、親子になった事もあってセキュリティのしっかりした所で一緒に暮らした方が良いと勧められて敦賀さんの住むマンションを紹介された事が判明した。

「そうだったの……。だから同じ地元に住んでいながら親戚であるヒズリ家の人達と会うことがなかったんだ。ちゃんとした理由だったのね。」

「しかし、そんな理由でヒズリ家の人々がキョーコちゃんに対して接触禁止命令まで出てたなんて信じられませんね💧」

ヒズリ家の人々との私の関係は、後に世間も知ることになり物議をかもすことにもなるのだが……ここではまだ内緒である。

19へ。

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冴菜さんが話した話は、ここではまだ詳しくは出しません。これからの展開でお話しの中に、ちょこちょこ出していくつもりです。