目が覚めるとそこは事務所の医務室のベッドの上だった。
すぐ隣には、敦賀さんが椅子に座って私の顔を見て心配そうな顔をしていた。

「キョーコちゃん大丈夫?いきなり倒れたからビックリしたよ。」

「ん…大丈夫です。」

そう言いながら、私は身体を起こそうとしたら今度はお母さんが敦賀さんに声をかけてきた。

「久遠くん、さっきの話の続きだけど…やはり娘の保護者代わりをして欲しいの。暫く一緒にいてやってくれないかしら?」

ん?保護者代わり?何の話だろ…?

「お母さん?どう言うこと?保護者代わりって…。」

すると敦賀さんが説明してくれた。

「あ~実は、キョーコちゃんのお母さんね、今担当しているクライアントの関係で暫くアメリカのロサンゼルスにあるウィリデ法律事務所の支部所で働く事になっちゃったんだって。」 

「へ?アメリカに支部所なんてあったの?」

「昨年出来たばかりよ。私も昔、貴女を産む前にアメリカのロースクールに留学してた時期があって国外での弁護士活動資格を取得していたし。でも、一応私は貴女の母親。海外に行ってしまったら、未成年である貴女の保護者は身内に頼らざるを得ない。
私の両親は既に他界しているし夫はいない。最上家の近い親族は海外にいる人ばかりで、国内にもいないこともないけれど殆ど顔も会わせた事もない親戚とは名ばかりの遠縁しかいない。
片桐先生に相談したら、貴女も幼い頃に会ったことのある母方の親族。ヒズリ家に協力してもらった方がいいと言われたのよ。」

幼い頃に会ったことのあるって…私全然覚えがないんですけれど…💧
あ、でも敦賀さんはコーン(久遠)でもあるから一応覚えるといってもいいのかな?クーお父さんとも去年会ってるし。

「でも何で去年、来日してたクーお父さんは私に対して親族だって話してくれなかったんだろ…。あの時感じた既視感って、昔会ったことがあったからなのかな?」

「お父さんって…💧ああ、確かに電話でキョーコと親子の盃交わしたなんて冗談めいたこと言ってたわね。何でも最初は、クーさんも気付かなかったらしいわ。
単なる同姓同名の人物だと思ったんですって。でもアメリカに帰る前夜に一応確認を取りたいからって伯父に連絡して、私のところに電話寄越したのよ。それで私の娘である事を知った。でも結局、身内であることを教えずに帰国したのよ。何でも、久遠くんの二の舞を心配して言わなかったらしいわ。」

敦賀さんの二の舞…。今朝、話してくれた事かな?
七光り……親のコネ……親のネームバリューが大きすぎて空回り…。
確かに、まだ芸能界入りしてそんなに経たない私に身内にそんな大物芸能人がいるって知られたら売名行為に成りかねないものね。

「そんな訳で、下宿先のだるま屋さんを出て俺のマンションで一緒に生活した方がいいと思うんだよね。どうかな?空いてる部屋もあるんだし。」

「ほえ?一緒に暮らす?」
私は呆けた顔をしながら、ギギギッとぎこちない動きで敦賀さんの方へ顔を向けた。

「うん。また動物変化しちゃった時、直ぐに人間に戻すには俺がいないと駄目でしょ?
ハトコ同士なら人間に戻れるんだから。いつも大好物を用意出来るとは限らないし。
それに父さんが連絡してきたのは、俺がもし動物変化しちゃった時に直ぐに人間に戻せる近くにいる身内は、キョーコちゃんと冴菜おばさんしかいないからってんで頼んだぞ!って言ってきたんだって。ったく何考えてるんだかあの親父は。」

私は、いきなり同居生活が決まった事に動揺していたら、医務室の扉が開いて沢山の人がドドドっと倒れてきた。

「な、何!?」

敦賀さんとお母さんも扉の方を振り向くと、タレントセクションの主任である椹さんを筆頭にブリッジロックの3人と社員数名、俳優セクションの主任の松嶋さんに松内瑠璃子ちゃんに女優の上尾君子さんと社さん、モー子さんと天宮さん、そして一番上にマリアちゃんがいた。

「れ、れれれれれ蓮!?おまおま、お前、クー・ヒズリさんの息子だったのかよ!」
社さんが吃りながら動揺しつつ聞いてきた。

「敦賀君、あなたって親子2代で嘉月役やってたのね💧まさかあの久遠君だったなんて…髪と瞳の色が違うから気付かなかったわよ。幼い頃の姿知ってる人が見たら言わなければ気づかないわね。」
上尾さんは、どうやら久遠としての姿を見たことがあるみたいな言い方をしていた。

他の人達も、ビックリしている様子。
ってゆーか…皆、今の話聞いてたの!?デバガメしてたーー!!

「み、皆さん…今の話、聞いちゃってたんですか💧」

「おう蓮。こりゃもう黙ってられんな。ここにいる連中に素性ばれちまったし。最上君も腹くくって蓮と身内であることを隠さず芸能活動するしかないな。」

倒れ混んできた人々の背後に社長が現れ、ニヤリとした顔で言ってきた。

10へ。

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怒涛の展開が起きていますねぇ(。-∀-)
蓮と一緒に暮らす経緯は『2人のヒミツ』と少し似ています。しかし皆には早くも素性バレ(笑)
これからどうなるのか?