今回は、三人称となったお話です。
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眼鏡をかけたクー・ヒズリのソックリさんと着物を着た女性は、蓮のイトコ達の方に慌てて駆け寄ってきて二人をいきなり叱り始めた。「ったく、二人とも何しとるんや!こんな騒ぎ起こしてもうて!」
最初に怒ったのは男性の方。しかも顔立ちは、ハリウッド俳優クー・ヒズリにソックリなのに京都弁で叱りつけているので皆が唖然としてしまった。
「まあまあ、あんた落ち着きや。皆も見とるで。」
「そうや。父さんの顔がクー叔父さんにソックリだから、皆も驚いてるしなぁ。父さんの方が、2歳年上なのに双子みたいに瓜二つやし。」
着物の女性がソックリさんを宥めて、蓮のイトコの悠人が『父さん』と呼び蓮は『伯父さん』と呼んだ事で、正体が判明。
「伯父さんに、伯母さん…。お祖父さん、お祖母さんまで何でまた皆、TV局にいるんですか?」
蓮が、そう言うと着物を着た威厳のある御老人が、蓮とキョーコの元に近寄ってきて口を開いた。
「久しぶりやな久遠。面と向かって会って話すのは6年ぶりか。先日、電話で話したけど元気そうでなりよりや。キョーコちゃんも大きくなって、綺麗になったなぁ~。本当に妹の雪菜(ゆきな)の若い頃にソックリや。ワシの事覚えとるか?ん?」
キョーコは、蓮のお祖父さん。つまり自分から見ると、お祖母さんの兄である大伯父に声をかけられて、ビックリするも…じっ~と見つめ続けて、とある言葉を発したのである。
「じぃじ…?」
「「え!?」」
キョーコの発したその言葉に、その場にいた全員が驚いた。
「ど、どういう事だよ!キョーコ!!お前何でまた敦賀のじいさんに向かってそんな、じぃじなんて言ってんだ!?会った事ねーはずだよな!?」
無視続けられた、ショータローは思わずキョーコに突っ込んできたが…直ぐに京介の話に阻まれてしまった。
「いや、会ってるぞ。冴菜がキョーコ産んだ時、冴菜は体調を崩してな。少し長めの入院をしてたんだよ。俺はその時、海外にいて直ぐに駆けつけられなかったからな。両親も亡くなってたし。
そこにいる父方の従姉妹の鞠子さんが先に退院したキョーコを連れて、暫くの間ヒズリ家で二人が両親代わりになって、育ててた事がある。
まだ二人には子供がいなかったし。冴菜が退院しても、時々仕事の合間とかに預けてる事も幼稚園に上がるまであったしな。そんときに、伯父がキョーコの事を猫可愛がりしてたって聞いてるし。キョーコは、殆ど覚えてなかったみたいだけど…さっきの反応だと何となく思い出したか?ん?」
京介の長ったらしい説明に、キョーコが呆然としつつも無意識に出てしまった『じぃじ』と言う呼び方に対して照れてしまい、徐々に顔が赤くなっていき…
「ご、ごめんなさい~😳💦いきなり、じぃじなんて言ってしまって~!大伯父様~~!!ははぁ!!」
いきなり土下座をして謝りだしたキョーコ。
「キョーコちゃん…頭上げぇな。そんな土下座なんて滅多するもんやないで。確かにワシから見れば、孫姪やけど…殆ど孫と同じみたいなもんや。昔キョーコちゃんがワシに対して呼んでいた、じぃじでええよ。カイ君とヒビキ君にも、じいちゃんって呼んでええって言ってあるしなぁ。」
蓮の祖父も腰を卸して、キョーコの頭を撫でて優しい笑顔で宥める姿は、殆ど祖父と孫娘のようにしか見えない。皆がそう思った。
「そうか…その時に、日本に連れてこられて何度か会ってたんだ俺とキョーコは。殆ど覚えてないな俺も。」
蓮は、京介の説明に納得し頷くと。今度は、京介の父方の従姉妹である鞠子がキョーコに話しかけてきたのである。
「ウチらの事は覚えてるか?京介くんと冴ちゃんの従姉妹の鞠子と旦那のソーやで。」
「え、えっと…。ごめんなさい、鞠子おば様…?あんまり覚えてなくて😳」
顔を赤らめて照れながら話すキョーコに対して、鞠子もまた頭を撫でて優しい笑顔を見せたのである。
「まぁ無理して思い出さんでもええから。まだキョーコちゃんちっちゃかったからなぁ。元気に育ってよかったわ。」
夜遅いTV局のロビーに一族が勢揃いした様子に、その場に居合わせた人々は驚きふためいた。
「スッカリ、一族が勢揃いしてしまいましたね。そういや何でまた皆さん、TV局にいるんですか?まさか、悠人君のバイトに皆気になってこっそり見にきたとか?」
蓮が祖父に質問すると…
「いや違うわ。ワシは、随分前からこのTV局のとある番組から出演依頼が来ておってな。ずっと断ってたんやけど…お前やキョーコちゃんが素性を公表したんで、ワシも出てみようかと思うてな。せっかくやから家族全員で東京見物も兼ねてきたんよ。ついでに言えば、二人にもサプライズで会おうと計画しとうたんや。まさかこんな形になろうとわな。ガハハハ!!」
豪快な笑いに、思わず後退りした蓮とキョーコ。
「こうして皆揃ったし…そうやな!皆で夕御飯食べに行こか?どや?ソフィ?」
「せやな。皆でレストランか、料亭にでも行って豪勢に行こうか。」
ソフィと呼ばれたのは、蓮の祖母。本名は、繁縷ソフィアと言うらしい。クー・ヒズリの母親でもある。
アイルランド系アメリカ人なのだが、着物を着て京都弁で話す姿に皆が面白がっている。中には、クスクス笑っている者もいた。
「悠人、さっさと着替えて来なさい。父さんも言うてるし。」
「分かった~~皆待っといてーな。」
ヒズリ家並びに最上家が談笑する姿に人々が驚いたが、皆も仕事があるため少しずつ人が離れていっていた。
それでも、色んな所で話す人もチラホラ。
「そういや…さっきからヒビキなんか静かだな。もしかして寝てるのか?」
京介が蓮に抱えられたヒビキを見ると、察しの通りスッカリ寝入っている姿が目に入った。
「本当だ。ヒビキ君どうもコーンの事気に入っちゃったみたいで、夕べも一緒に寝てたくらいだものね。フフっ可愛い❤」
蓮がヒビキを抱き抱え、キョーコが隣に立ち並ぶ姿に京介がニヤリと笑ってからかってきた。
「スッカリ、蓮になついちまったな。何か、コッチの方が親子っぽいぞ年齢的に。お似合いだな~蓮パパにキョーコママ?(笑)」
「………………冗談も休み休みにしてくださいよ!京介さん!もう!!」
蓮は京介に向かって大きな声で、言うとヒビキが起きてしまった模様で蓮は慌ててしまった。
「あ、ゴメンね。ヒビキ君、起きちゃったかな?」
ヒビキは、目が覚めたが寝惚けているらしく目線がボケッとしている。
何だか、しら~っとした目付きになっており蓮を無言で暫く見つめていると…大きく口を開けた!
「アイム、ハングリ~!!」
ロビーに響く大きな声。その言葉に、全員の目が点になってしまったのは言うまでもない…💧
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なんちゅう、オチや(笑)
やっぱりヒビキ君が1番面白いかも(*^-^*)
それとようやくキョーコの祖母の名前が出てきましたが、どんな名前にしようか悩みました。
その結果、冴菜さんの名前から連想して『雪菜(ゆきな)』に。
ローリィ社長、もしかしたら『雪花(セツカ)』の由来はここからとったのかな?と言う設定にしました。