今回は、蓮sideから見たお話です。
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俺は、今日の仕事を全て終えて自宅に帰るべく車を走らせていた。
仕事の合間にアルマンディのアクセデザイナーの所に寄って、俺が頼んだ指輪がどれくらい進んでいるか確めたら予定よりも早く出来ていたのでそれを受け取った次第だ。
どうやってキョーコに渡そうかな…。

「ただいま~。」

玄関の扉を開けると、リビングの方からいい匂いがしてきた。どうやらキョーコは、夕御飯の支度をしている最中みたいだ。
リビングに入りキッチンを覗くと、鼻歌混じりに楽しそうに料理していた。

料理に夢中で俺が帰ってきたことに気づいてない様子。
肩口まで伸びた髪を斜め横にシュシュで縛っている。
ティアドロップ型のピアスも付けていた。
七分丈のシンプルなシャツに膝竹のフレアスカートを履き足元はモコモコのスリッパ。ピンク色のエプロンを着て料理をする後ろ姿…何だかいつもより大人っぽく見えるな。

と言うより、まるで新婚の奥さんみたいだなと思いつつ俺は静かにキョーコに近寄り、ちょっとイタズラ心が動いてしまい後ろから手を回しいきなり抱いてみた。

「ただいま。今晩のご飯何作ってるのかな?」

「んきゃあ!こ、コーン?いつ帰ってたの?ビックリさせないでよ~💦」

キョーコは、驚き振り向いた。するといつもより大人っぽく見えるのはメイクもしてたからだと分かった。

「何かいつもと少し違うと思ったらメイクしてる?服装も大人っぽくしてるし。珍しいねどうしちゃったの?」

「あ…コレは、学校終わりに直でバラエティー番組に出演してたんだけど。今回のゲストが全員、現役高校生だったの。しかも皆、学校終わりで制服で来てたものだからプロデューサーが急遽、全員制服姿で出て欲しいって事になって私も制服で出演してたんだけど…ゲーム対決で負けて水かぶっちゃって、制服水浸し。
しょうがないから自分で持ってきてた着る予定だった衣装に着替えて番組のメイクさんにもそれに合わせたメイクしてもらったのよね。それでそのままの格好で帰ってきちゃった。変かな…コレ?」

キョーコは、そう言うとその場でクルリと一回りして俺に見せた。
スカートがフワリと上がり太ももがチラリと見えて、思わず赤面。

「いや可愛いし、似合ってるよ。それだったらコレも似合うかもね。キョーコ、左手出して。」

俺はポケットから指輪ケースを出してキョーコに見せると…

「え…?コレもしかして…コーン😳??」

キョーコは、頬を赤らめて俺の顔を見上げた。

「うん。キョーコにサプライズプレゼント。付けてあげるから左手出して。」

俺は、ケースから指輪を取りだしキョーコの左手の小指にピンキーリングを嵌めた。

「小指…?薬指じゃなくて?」

キョーコは、少し残念そうに俺に言ってきたけど…

「ピンキーリングにしたのは理由があるんだ。知ってる?ピンキーリングにも意味があるんだよ。右手の小指に嵌めてるのは御守りの意味合いが強くて他人から贈られても恋愛感情は関係ない。。でも左手の小指は愛しい人や大切にしている人に贈るモノ。ペアでしてると恋人同士や夫婦、中には兄妹や家族同士でも嵌めてる人もいるらしいよ。」

「恋人同士や夫婦…。ソレを私にプレゼントって…あ、それじゃあ森住仁子さんにプレゼントした右手のピンキーリングって…。」

キョーコが耳にしたくない名前を出したけど、ここはちゃんと説明した方がいいなと思って話した。

「ああアレは、彼女におねだりされたんだよ。バレンタインにヴィンテージ物のお酒なんかくれるもんだから、お返しは何がいい?って前もって聞いたんだ。そしたら指輪が欲しいって。流石に普通に指輪をあげたら勘違いされると思って調べたら、右手のピンキーリングは御守りの意味合いがあることを知ってね。それだったら大丈夫かなと思ってプレゼントしたんだ。父親の森住Pにも、娘のワガママに付き合ってほしいと言われちゃったし。あの時は、人気が出始めた頃でもあったから、プロデューサーの顔を立てないといけなかったし。」

俺は、あの時の事を思い出してキョーコに説明した。

「そうだったんだ…。私オーディションの時にコーンから指輪を貰ったって知った時、嫉妬しちゃって感情が高ぶっちゃって危うくオーディション落とされる所だったのよね。」

嫉妬?キョーコが俺に?
俺は、思わず抱きしめてしまった。

「まさか嫉妬してたとはね。何か嬉しいよ、コレ受け取って貰えるかな?」

「うん…ありがとう久遠さん。」
腕の中から頬を赤らめたキョーコが見上げて笑顔で答えてくれた。
俺達は、そのまま自然と唇が重なりキスを交わして…次第に長く深いものへと変わっていき、俺の手がエプロンの紐に届いてほどきはじめていた。そして遂には、シャツの中に手が入ると…

「…ん、あん。はぁっ…。」

キョーコが煽るような甘い声を出して来たので、俺の理性の紐がキレかけているのが分かった。

ゴボコボッ!!

その時、変な音がして俺達は我に帰り、キョーコはキッチンに振り返った。

「んきゃああああ!鍋が吹き零れてる~💦ヤバい!火止めてなかった~!!」

後少しだったのに…。まだそう言う関係になるのは遠いのかな…?

38へ。
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んやぁ、蓮くん残念でしたね。ここではまだ桃色話書けないのよね~。
今暫くの辛抱ですな(笑)