中世文学漫歩 - はてなブログ
古活字探偵13
高木浩明さんの「古活字探偵事件帖13」(「日本古書通信」
を読みました。「伝嵯峨本の行方」と題し、源氏物語の古活字版、
中でも一時有名な収集家の手に渡った「伝嵯峨本」について
書いています。源氏物語の専門家には周知のことなのでしょうが、
門外の私は、古活字版が4種もあるとは知りませんでした。
あんな大部の(実用書や思想書ではない)本を、古活字の
ような手間のかかる方法で出したということが驚きです。
尤も、手間がかかると言えば源氏物語には奈良絵本もあり、
豪華な蒔絵箱に入った美装本もあって、他の物語と一律には
考えられないのかも知れません。その中で、当初足利末期の
光悦本と鑑定された、福島の個人蔵源氏物語54帖は、
貸借、借金の担保、転売などを経て大島雅太郎氏の手に渡り、
昭和10(1935)年には警察に捜索願が出され、新聞に
報道される事態になったのだそうです。新聞記事によれば、
この本には絵巻も付随していたとのことで、大島氏は
両方揃えば時価2万5千円(換算すれば現代では¥1億3千万、
多分それ以上)と語ったそうです。
私はこの本の活字が、字によって大小不揃いがあると書かれて
いることに興味を惹かれました。古活字版や初期の整版本の中
には時々そういう現象が見られるからです。何か意味、
もしくは理由があったのでしょうか。
@@@ @@@
この伝嵯峨本ー源氏物語を所蔵して
いたと新聞に記されているのが、
⬇
生花師匠
斎藤まさー57才
福島市置賜町22
長男
斎藤利彦(画家)ー35才
さてはさて、
この親子、何者か?
(キック・バックではなく
フラッシュ・バックの
うづらの卵)
検索してみましたが、ヒットなし。
一つだけ、滋賀県の画家名簿に
同じ名前あるがーーーー???
滋賀県出身【さ行】
斎藤紫山/齋藤利彦/沢宏靱
/柴田晩葉/柴谷道三/嶌章
/杉本哲郎/鈴木靖将
(追記)
ルパンではなくレパン、
レ点のパンで、レパン。
苦肉のレ点。
レ点とは、“レ”のすぐ下の字を先に読んで
から上の字を読んでください、ということを表す符合。
レ点や一二点の読み方はわかっていても
点や 点が組み合わさると一気に
難しくなった気がしますね。