まだインターネットも

普及していなかった時代。


奥歯が痛くなって

歯医者に行った。


医師は、

『歯に問題はない。

もしかしたら、副鼻腔炎かもしれませんね』

と予測を立てた。


私は、

その足で

耳鼻科に向かった。


耳鼻科医の診断は

歯科医の予想通り、

副鼻腔炎だった。


漢方薬を処方され、

鼻の症状が改善するとともに

歯の痛みは消えた。


……


子供が不登校から引きこもりになったとき、

私の目は

子供だけにフォーカスしていた。


【『子供の』

どこをどうすれば子供の心と身体は

改善するのか?】

に、毎日毎日取り組んでいた。


だけど、ちっとも改善しない。


私は焦りと不安でいっぱいになり、

子供の心は、

私からますます遠ざかっていった。



そんな時、

私に助言をくれた人がいた。


『あなたは、見ているところが違う。

あなたの問題はそこ(子供)じゃない。

視点を(自分に)変えるといい』と。



…正直、胡散臭い、と思った。


だって、私は元気に生きられているもの!

困っているのは子供のことだもの!


とはいえ、

現実が膠着状態なのは否めない。


私は、

その助言を受け入れることにした。


心は半信半疑で、

いや、実際はゼロ信ヒャク疑だったけど、

子供を元気にしようと

あれこれ試してもダメで、

藁にも縋りたかった私には、

『視点を自分にうつす』という

選択肢を選ぶ他は、なかったのだ。




結果、時間はかかったが、

家族全体が快方に向かっている。



……


もしも、歯科医に

『副鼻腔炎は歯痛をもたらすことがある』

という知識がなかったなら、

歯科医は、

私の歯をいじくりまくっただろう。


レントゲンをとり、

原因はよくわからないけれど

鎮痛剤を出すという、

なんともトンチンカンな治療を施したことだろう。


でも、

視点を変えることのできる

医師だったからこそ、

本当の原因に辿り着けた。


心の問題も同じで、

『本当の原因』を見つけ、

向き合わない限り、根治は望めない。



……


体験者のブログ等で学んだ方は、

子供の生きづらさの原因が

子供にあるわけではない

(もちろん、すべてではない)ことを

熟知していることだろう。


だけど、

世の中を見渡すと、

まだまだ、

その知見は浸透していないように思う。




どうか、

気づきを得る人が増えますように。


みんなが、苦しみから抜けられますようにショボーン