私の職場は、職員の男女比率はほぼ同じで、給与等待遇にも男女格差はない。

「そのためか」というと、とてもわかりにくいけれども、ある意味では

「性差」のように感じていたものが、そうではなくて「個体差」だったのかと後で思うこともたびたびある。



ある日、別部屋部署の男性課長が、大きな菓子折りを持って、やってきた。


「なんとやらのヘルプ要請に応じたので、そのお礼にと、ほにゃららさんから頂きました。」


なんとやらが何なのか、ほにゃららさんとは誰なのか、全くわからなかったが

課長は、外勤不在者の机の上に
一つずつお菓子を置きはじめた。

誰から誰へのなんたるか、がわからないものを「私が配ります。」というのも、なんだか図々しいかと思っていたら、

私にも「おひとつどうぞ」という風に、折りを差し出した。



「私、なんとやらのヘルプは
していないのですが、

ほにゃららさんは、私にも
『あげてもいい』と
言っていましたか?」
と聞いたら、

えっえぇ?
あっあぁ〜 はぁ。


と小さく言いながら、
それでも差し出してくれたので
遠慮なく受け取ることにした。


ランチタイムに、自席に戻ってきたアラフォー女性が「このお菓子は、どなたから?」と私に聞いたので、

「〇〇課長が、さっき、大きな菓子折りを持ってやってきて。」


「なんとやらのヘルプを〇〇課が請け負ったから、ほにゃららさんていう方が、そのお礼にって。〇〇課に届けてくれたお菓子みたい。」

と言ったら、やはり

「え?私は、なにもしていないのに。」
と言うので

「そうでしょ、だからね。
私はちょうどここにいたから聞いたの。『私にも、あげてもいいって言っていましたか?』って。」

と答えた。

すると、少し離れたデスクのアラフィフ女性(のちにブログ名みえさんとしてレギュラー化する)が、私たちの会話に口を挟んだ。



「まこさんは、どうして
そういうことを
わざわざ聞くの?」

「『たくさん頂いたから
みなさんもどうぞ』
ってことに
決まってるじゃない。」

「あんなに静かでまじめな課長に、そういうことを聞いたって、なんて答えたらいいのか、困るでしょ??」

「そうね。
『えっえぇ〜 あぁ〜はぁ。』 って言ってた。」





どうして、
そういうことを??

静かでまじめ?
男性? 
なんて答えたらいいのか??
困る??



私に、もっともらしい
苦言を呈した彼女は、

サンタ・クロースという
偉大な男性を
父親に持つ青年に




「うちの娘と、 
結婚してくれたら
500万!」
と言った女性である。





私の職場の男性たちが

「女性とともに働く」ことに、
難色を示すことがあるとしたら

それは、男尊女卑とか
女性差別とか

理解がないとか
いうようなことではなく


 

彼らの職場にいる「変人」が
全員女性である。


ということなのだと思う。