長い間、お疲れ様でございました。
一夜明けて、ご機嫌は如何でしょうか?
おそらく、肩の荷を下ろされて、ホッとしておられることでしょう。
あなたが最後の最後に、「ありがとうございました」と挨拶されたのを聞き、私もホッといたしました。
しかしながら、「いい大人」であるあなたが、千秋楽に「ありがとう」の言葉を発するのかどうかを、同じく「いい大人」である私が、未就学児か小学生の親のように心配していた……という事態は、あなたにとっても、私にとっても、情けないことでした。
あなたがケガをされ、大劇場を全休演されて以来、私はあなたのことを案じておりましたし、今でも案じております。
時を同じくして、忌々しい禍々しい流言飛語が飛び交い、真実はあなたと神様しかわかりませんが、ファンが振り回されたのは間違いのないことです。
残念ながら、復帰された東京公演を拝見することはかないませんでしたが、「心中・恋の大和路」を拝見した時、ラストで絶唱されるあなたを見て、号泣と同時に不安に駆られました。
大部分のファンの方は、いつになく熱唱されるあなたに、近い将来やってくる別れを予感されたようですが、私なぞ、宝塚どころか、この世まで去られるのでは……とバカなことまで考えてしまいました。
そして、退団公演の千秋楽、あなたは「今更自分の生き方を変えるつもりはありません!」と発言され、唖然としました。
でも落ち着いて考えてみると、あれは世間様と自分自身に対する誓約だった……のでしょうか?
全世界に向けて宣言しないと、新たな世界へ飛び立っていけない……そう感じられたのですか?
私、あなたに対して申し訳なかったな……と思っています。
私はあなたの人となりを、大人でクールで、でもユーモアもあって……と話したこともないのにイメージしていました。
でもそれは全て、あなたが作り上げてきた「未涼亜希」のイメージ、鎧だったんですね。
本来のあなたは純粋で傷つきやすい、ごく普通の女性だった。
ケガをきっかけに鎧が解けた、そしてもう結び直すのも辛かったんですね。
「プロなら最後までプロらしくしろ」との声もあるかと思います。
私も出来たらそうしてほしかった。
でも少なくとも、舞台は疎かにならなかったし、あなたが「悔いはない!!」と言い切っておられるのなら、仕方が無い……とも思っています。
あなたは才能ある素晴らしいタカラジェンヌだった……それは疑いありません。
あなたの舞台姿にどれだけの人が魅了されたか……
そしてそれをあなたが実感出来ていたら……と思うと残念でなりません。
今、あなたの周りに信頼出来る方はいますか?
あれこれ言われている方だけでなく。
いないのなら作って頂き、いるのなら連絡をマメにしておいて下さい。
大きなお世話なのは承知ですが、今傍におられる方は、あなたを不幸にこそすれ、幸せには出来ない……そう思えてなりません。
あなたの最愛のおじい様がご健在であればこんなことには……言っても仕方が無いですね。
でも、私はあなたの現在と近未来は案じておりますが、遠い将来はきっと幸せに穏やかに「あの時、私アホやったな……」と苦笑しながら、暮らしておられると信じています。
普通に生きると、あなたの人生は後、約50年あります。
退団してからの人生の方が長いのです。
どう生ききるかは、あなた次第。
生き方は変えなくても結構ですが、お身体は大事になさって下さい。
あなたは私始め、たくさんのファンに幸せなひと時を与えてくれました。
だからこそ、あなたの幸せを願わずにはいられません。
しかし、人の幸不幸はどちらも長続きしません。車輪が回るのと同じです。
「6勝4敗の一生」、最低でも「5勝5敗の一生」でちょうどいいのかもしれません。
お互い「6勝4敗の一生」を目指して、頑張って参りましょう。
どうか、お元気で……お幸せに……
Mary拝