ハードディスクに撮りためていた映画鑑賞シリーズの第2弾(笑)。
1991年公開、アーノルド・シュワルツネッガー主演、原作はフィリップ・K・ディックのSF小説「記憶売ります」。2012年にリメイク作品が公開されていて、本作がテレビで放映されたのもその宣伝ということかもしれない。
原作小説は未読だが、フィリップ・K・ディックはどちらかというと難解なSF作家という印象(なにしろ私はアシモフ、ハインライン世代だからね)。しかしながら本作はいかにもシュワちゃん主演にふさわしいドンパチ満載のアクション映画だ。ミュータントが跋扈する近未来の火星を舞台に、景気よくマシンガンが乱射されて敵味方群衆を問わずどんどん人が撃ち殺されていく。シャロン・ストーンのニセスパイ妻もシュワルツネッガーにドーンと額を打ち抜かれて絶命するのだ。
「記憶の埋込み」が重要なファクターになっていて、主人公の意識が善玉(レジスタンス)と悪玉(火星の支配者)との間をめまぐるしく往きかううちに、おのれの実存とは何かというなかなかに哲学的な裏テーマが浮かび上がってきたりする。
最終的に主人公が火星に大気を蘇らせて支配者どもを倒しハッピーエンドとなるわけだが、その時点で観客は、この物語すべてが主人公の頭の中に埋め込まれたバーチャルトラベルなのかもしれないという思いにとらわれる仕掛けになっている。あえてネタばらしをしないことによって、安っぽい夢オチSFになってしまう寸前で踏みとどまっている感じがなかなかよい。
B級アクション映画のようでそうとも言い切れず、当時としては最先端の特撮技術を駆使しているようにも思われて、映画俳優アーノルド・シュワルツネッガーにとっては「ターミネーター」と並ぶ代表作なのかもしれないなどと思わされた次第。機会があればリメイク作品も観てみたいと思いました。