ビフォア・サンライズ 恋人たちの距離 (ネタバレ) | トムの映画感想文

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1995年/アメリカ映画

監督:リチャード・リンクレイター

脚本:リチャード・リンクレイター、キム・クリザン

製作:アニー・ウォーカー=マクベイ

音楽:フレッド・フリス

撮影:リー・ダニエル

編集:サンドラ・エイデアー、シェリ・ギャロウェイ

 

(あらすじ)

アメリカの学生ジェシー(イーサン・ホーク)はヨーロッパを旅行中、長距離列車の中でパリへ帰る途中の女学生セリーヌ(ジュリー・デルピー)と出逢う。

ふたりはふとしたことがきっかけで意気投合し、一緒にウィーンで下車。翌朝までの数時間をともに過ごすというストーリー。

 

 

 

 

 

★ ★ ★ ★ ★

 

後に2作の続編が作られる"ビフォアシリーズ"の記念すべき1作目

 

 

知的な雰囲気のジュリー・デルピーがとにかく美しい。

18年後のビフォア・ミッドナイトでも変わらず素敵。歳を取っても本当に魅力的な女優さんですよね。

 

 

本シリーズの特徴といえば、ひたすら会話が続く長回しのシーン。

特に大きなイベントが起きる訳でもなく、お互いの家族のことや、人生観、宗教観、男と女についてなど、本当にひたすら話し続けます。

なのにイーサン・ホークとジュリー・デルピーの自然な演技と、ふたりについていくカメラワークが心地良く、いつまでも観ていられます。

 

 

そして夕暮れ時の観覧車でのシーンは何度観ても良いです。

 

「黄昏に沈む街、それに観覧車。まるで、つまり……」

「私にキスしたいの?」

 

嗚呼。とても良い。

 

 

アメリカとパリ。強烈に惹かれ合いながらも、それぞれの生活があるふたりは1日限りの関係を約束し、夜の公園でロマンチックな時間を過ごします。

 

夜が明け、再びウィーンの街を歩くふたり。

刻一刻と迫る別れの時をゆっくり噛み締めるように過ごします。

そして別れる間際でお互いの気持ちを確かめ合ったふたりは、住所や電話番号も交換せず半年後に今立っている場所で再会を約束して別れます。

余韻の残るラストも良いです。

 

続編として9年後に「ビフォア・サンセット」、さらに9年後に「ビフォア・ミッドナイト」と続きますが、やっぱり1番キラキラしているふたりが見れる本作が大好きです。

 

 

 

 

本作の続きは9年後に公開されたビフォア・サンセットとして描かれています。果たしてあの後ふたりは再会できたのか。こちらもおすすめです。

 

 

 

リチャード・リンクレイター監督の作品。12年間という長期間に渡って撮影された大作。父親役のイーサンホークが素敵すぎる。