ーーー久々すぎて、緊張する。
なかなか、入る決心のつかない彼は、
足を動かせずにいた。
「じんたーん、何してるんだよ、早く入れよ。」
ふいに、肩を叩かれ、振り返るとそこにはさらに一回りは大きくなったように見える、ぽっぽの姿があった。
「ぽっぽ…」
変わったように見えて、変わらないその笑顔に思わず安堵の溜息を漏らす。
「みんな、待ちくたびれちまうぞ!」
促され、実に10年ぶりに、彼は”秘密基地”へ足を踏み入れた。
超平和バスターズはずっとなかよし
まず目に入ってくる、その言葉。
否応なく、あの夏を思い出させる。
「じんたん、遅いぞ!」
「誰のための集まりだと思ってんだか」
あなるとゆきあつが、交互にじんたんを責め立てる。
「まぁまぁ、来たんだからいいじゃない。」
昔と変わらず、間を取り持つのはつるこだ。
あの文字の上には、変わらず並ぶマグカップが6つ。
うだるような暑さの中、みんなの笑顔が、あの夏を思い出させてくれた。
「ごめん、遅くなって」
一気に昔の距離感を思い出したじんたんは、笑顔でみんなに謝る。
そして、この一言が言えずに過ごしたあの年月を、あの夏を思い出し、一人静かに笑みを零した。
「いやー、それにしても結婚ですか!」
あえて囃し立てるような口調でぽっぽが言う。
「社会人になってからはあんまり集まれなくなっちゃったけど、久々の集合が、まさかじんたんの結婚発表とはねー」
あなるがニヤニヤしながらそれに答える。
「いやー、30も過ぎての結婚なんて、別にめでたくもないんだけど、一番に言うのはみんなに、ここで、と思って、さ。」
少し照れ臭そうにじんたんは答えた。
「なにそれ、いまだ”イカズゴケ”の私への当てつけですかー」
あなるは、じとっとじんたんを睨んで言う。
「い、いやいや、お前、最近もバリバリ働いてるんだろ…!尊敬するよ!」
慌ててじんたんはフォローの言葉を述べた。
事実、あなるは今外資系のアパレルメーカーで宣伝マンとしてバリバリのキャリアを重ねていた。
むすっと膨れたあなるを見たじんたんは、話を変えるようにぽっぽに慌てて話しかけた。
「そ、そ、そういや、ぽっぽはまだ海外回ってるんだろ?」
「そうなんすよ!見てこれ!」
嬉しそうに壁に貼られた地図を指さすぽっぽ。
「行ったことないところを攻め続けた結果、もう陸地が見えなくなっちゃった!」
にかりと笑うぽっぽの指の先の地図は、海以外が見えないくらいに真っ赤だ。
「そんなに大きくなって、お前将来何になるんだ?」
ゆきあつが冷静にツッコむ。
「1つ国を回るたびに、なぜか体もでかくなるんだよねー。もう、めんまも俺に飛び乗れなくなっちゃうかなー。」
ふいに出たその単語に、全員がもう一度壁のあの文字を見る。
「めんま、もう生まれ変わったかな。」
漏らすようにつるこが言った。
あの日、僕たちに見つけられためんまは、その日から姿を現さない。
僕たちともう一度会うために、生まれ変わるのだと、そう言っためんまは、いまだ僕たちの前には現れていない。
めんまがいなくなった、あの場所では、今も風に揺られて青い花が笑っている。
しん、と空気があたりを包む。
思い出すのは、あの夏。
急に現れた幼馴染は、バラバラだった僕たちをもう一度繋いで、
大きな花火をあげて、
みんなでかくれんぼをして、
そして、笑顔で消えていった。
悲しい思い出になっていないのは、あのとき、めんまが、
笑顔と一緒に僕たちの後悔も持って行ってくれたから。
「懐かしいな。」
ぽつりと、じんたんが漏らした。
めんまがいなくなったその後も、5人は変わらず集まり続けた。
秘密基地でも、それ以外の場所でも。
社会人になると、実家に残ったじんたん以外は、全員都内に住まいを変えたこともあり、
なかなか秘密基地には来れなくなっていたけれど。
それでも年に1回は必ず会うようにしていた。
今年の夏、みんなで秘密基地に集まれないか、と電話したのはじんたんだ。
どこにいたって、5人で集まるとき、そこにはめんまもいる気がして、
超平和バスターズは常に6人だと思っていたけれど。
それでも、この場所で改めて結婚することを伝えることが、
ちゃんとめんまにも伝わると思ったからだ。
「気づいたら10年ぶりだね、この場所も。」
ゆきあつが言う。
「最近の子は秘密基地、とかやらないのかな。誰かに使われてるかな、とも思ったんだけど。」
と、つるこが答えた。
秘密基地の中は、10年前に訪れたときから、
いや、小学生だったあの頃から、何も変わらない姿でそこにあった。
「どうなんだろうなぁ。俺がたまにねぐらで使ってるせいかな。」
笑いながら、ぽっぽが言った。
「そういや、お前らが結婚してもう4年か?」
どこかしんみりした空気を変えようと、じんたんがゆきあつとつるこのほうを見て言う。
「そうね、子供ももう2歳だから。」
穏やかな顔でつるこが答えた。
「娘だったら、めんまの生まれ変わりかな、って思ったんだけどな。」
ゆきあつが言う。
「…お前のところに生まれ変わらせるかよ…」
ぼそりと呟いたじんたんのその一言をゆきあつは聞き逃さない。
「どういう意味だ?お前、まだめんまのこと独り占めする気か?」
「そういう意味じゃねぇよ、ただ…」
じんたんの胸倉を掴もうと歩み寄るゆきあつを止め、2人の間に入るつるこ。
「もう!いい加減にして!少しは大人になってよ、2人とも!
うちは息子だし、2人がこんなケンカしてるうちはめんまは私たちのところに来てくれないんだから!
さ、謝って!」
つるこの言葉に、気まずそうに相手を見るじんたんとゆきあつ。
「ほら、早く!」
「悪かった、服、伸びてないか…?」
ゆきあつが言う。
「いや、俺も悪かった。大人げないこと言って。」
答えるようにじんたんが言う。
「あっはっは!おかしー!」
あなるの笑い声が響き渡る。
「みんな、昔となーんも、変わってないじゃん!ほんと、ずっとなかよし、は永遠を超えるずっとですねー」
馬鹿にしたように言うあなるに、ぽっぽも便乗する。
「めんま、安心しろよ!俺たちは、”なーんにも”変わってないぞ!」
「ちょ、やめろよ、めんまに報告するの!」
「だいたい変わってるよ!昔なら殴り合ってた!」
からかわれた2人は照れ臭そうに、そう続けた。
変わらぬ5人を笑うように、あの花を風が大きく揺らしていたーーーーー
ーーー「ママー!素敵なお花見つけたのー!」
10歳になる、その少女は、青い花を持って、母親に見せに行った。
花屋を営んでるその家では、エプロン姿の母が駆け寄った娘を見て、嬉しそうに答えた。
「あら、これはブルースターね。とても縁起のいい花よ。」
「ぶるぅー…すたぁー…?」
自分の手にした花を不思議そうに見つめながら、少女は答えた。
「西洋ではお祝いに贈られる花ね。」
「ふぅん…!」
「あら、あなた、泣いてるの?」
母が少し心配そうに、娘を見る。
「あれ、ほんとだ!なんでだろう!」
知らぬうちに目から流れる涙を、不思議に思いながら拭うと少女は答えた。
「でもね、かなしい涙じゃないの!うれしい涙なの!
なんか、なんでかわからないけど、そう思うの!」
はかなげで、色素の薄い少女は、笑顔でその花を母に渡すと、
「またとってくるー!」ともう一度外へ飛び出した。
そんな少女を見て、母もなぜか涙を浮かべるのだった。
あの場所では、今も牛乳瓶に、白い花が6本。
しっかりと揺れて、咲いているーーーーー
=========
ふぅーーー。
今更の、あのはなーーー。
マジでいきなり、なんの話って感じよね。
わかる。わかりみ。わかりすぎるww
いや、私もこうなるとは思わなかった。
なんでってね。
パチンコですわ。
あのはなの、パチンコが出たことは知ってて。
やりたかったけど、機会に恵まれず、ついぞ今日やってきたんですよ。
やばかったw
リーチ演出のたびに、泣いちゃうw
これ、冗談じゃなく、ガチでねw
やばくない?パチ屋でパチンコ打ちながら泣いちゃうやつw
失恋癒しに打ちにきてんのかよ、なんだよwってなっちゃうよねw
もうさ、リーチの最後ボタン押すときとか、
画面にじんじゃってんのw
それくらい、あのはなはツボ。
涙腺のツボなのです。
もうさ、外したときとか、
悲しみひとしおよ。
なんで、かくれんぼ見つけてくんねーの?
みんなー…
じゃねぇよ!めんまーーーー!!!!!
って。
感情移入が尋常じゃない。
もう諭吉以上の何かを失わん勢いですよ。
で、触発されて、マンガなんか読み返しちゃって。
号泣ね。
無駄に3連休中日に号泣。
明日目腫れたらどうしてくれるんだ!w
で、急にあのはな考察とか始めちゃったわけですよ。
まず、あの話ってさ、絶対的に救いがないの。
超いい話だし、優しい世界だし、
みぃーつけた!
みつかっちゃった!
で大団円なんだけど、でも救いがないのよ。
だって、めんまはこの世にいないの。
変えられない事実。
もう、それが辛すぎて。
おばさんになった心には辛すぎて、
消化しきれなくなりまして。
最初はその消化しきれない思いを、感想にしたためようかと思ったんだけど。
それでも、報われないわ、と思って。
だって、
「じんたんへのだいすきは、およめさんになりたいなっていう そういうだいすきです」
って
もう、もはや呪い!
いや、いい話なんだけど。
ここ大好きで、これ打ちながらも泣きそうなくらい好きなんだけど。
でも、めんまはここにいないから!
乗り越えられられなくなるから!!
と思って、もうやるせない思いが爆発しそうになって。
よし、これは。
私なりのアフターストーリーを書こう、と。笑
なんか、みんな、時とともにちゃんと乗り越えたんだよ、って
自分の中で決着つけないと、今夜眠れないなってw
10代かよ、ってくらい、心が叫びたがっちゃったからww
思いのままに、書きなぐってしまいました。
ここまで読んでる人いるのかなw
ていうか、最初から読んでる人いるのかなw
いいか、自己満日記なんて、そんなもの。
とりあえず、私の中では、
時を超えて、他の人を愛する決意をした、じんたん
後悔を乗り越えて、改めて世界を学びに行ったぽっぽ
恋より仕事に生きるあなる(今を生きる、もう1つの形として)
めんまへの思いを乗り越え、ずっと隣にいた人に気づいたゆきあつ
何があっても支え続けたつるこ
そして。
生まれ変わっためんま。
というのが自分の中の、一番しっくりくる形でした。
たぶん、人によっては、
失恋を支えあう、あなるとゆきあつ、とか。
あなるがじんたんへの想いを叶える、とか。
その人だけの、あのはなのその後があると思ってます。
なので、
あー、こうやって考える人もいるんだぁ
くらいに思っていただけたら幸いです。
はー
書きなぐってすっきりした!w
さて、仕事しますかww