前回はラインバッカーの
タックルの説明をしました。

もう一つの重要な要素


『ヒット』

について説明したいと思います。
私は立命館でラインバッカーとして
プレーをしていましたが
ヒットの練習をしなかった日は
1日たりともありません。



しかしヒットというのは
タックルとは全く必要性が違ってきます。



まずヒットとは何かと言うと
自分をブロックしてくる相手に対して
ヘルメットと掌、合計3点をぶつけて

『相手をどける』

もしくは

『ランニングバックを走りにくくする』


という目的があります。



タックルとは根本的に違う部分があります。


それが何かと言うと












『最終目的はその相手ではない』


という事です。








タックルの場合
ボールキャリアをタックルすれば
そこでプレーは止まります。



しかしヒットの場合
ヒットしたからと言っても審判は笛を吹いてくれません。

プレーの途中なのです。







タックルの際は

『自分の重心と相手の重心を可能な限り近づけて相手を持ち上げる』

と説明しましたが
ヒットの場合は

『自分の重心と相手の重心を離して当たる』

というポイントが必要で
タックルとは全く違う物となっています。


ヒットとタックルのポイントは
動作の連続性が決定的に違い
タックルをよく失敗する人は
ボールキャリアに対してヒットのアプローチをしているからになります。







ヒットのステップは
相手に対していかに小さくステップを踏み
ヒットした瞬間に相手と体の距離を開けるか

が重要になります。


タックルは相手の近くに
相手の近い側の足を踏みこんで倒しますが
ヒットは相手から離れた、自分の近い場所に踏みこんで大腿二頭筋、大臀筋、背筋、僧帽筋に力を入れてヒットします。
✳︎その後上腕二頭筋にも力をいれますが。


実はその瞬間にも
前回お話しした抜きテクニックを使ってます。


片方の足をだして
膝を数センチ下げてから力をいれますが
その瞬間に一緒、脱力してその後爆発的な
力を出してます。


アラバマ大学のラインバッカーの
練習動画ですが、タックルの練習とは違い
オフェンス役の選手と明らかに身体の
距離が離れているのが分かります。

相手に対して触れてからスタートするので
抜きテクニックの使い方を見るのは難しいのですが距離を取るイメージは凄くわかりやすいとおもいます。


ラインバッカーのヒットの場合
私は自分の靴の半分くらいを踏み出して
相手に対してヒットすることをイメージしてました。

それだけイメージしても
実際はもっと大きく一歩を出してしまっている
というのが現実です。


アメフト人生の中で
完璧なヒットができたのは
大学生の2年生の夏の練習で
師匠O島コーチに指導してもらいながらできた
一回のヒットだけです。


それだけヒットって難しいんですよね。


ラインバッカー、アメフトって
奥が深いです。





次回は
素晴らしき関西学院の強さ
について立命館の僕が数回にわたって説明したいとおもいます。