全ては自分の責任なのだろうか?過去の罪に対する、償いだとでも、言うのだろうか?罰を与えているのだと?誰が?まさか神が、とでも言うのだろうか?ならば跪き許しを乞えば、俺は救われるのか?この乾いた手を合わせて、頭を血が出る程地面に擦り付けて、声が枯れるまで昼夜欠かさず懺悔しろと言うならば、いくらでもやってやるさ。だから、この俺を救ってくれ、とでも俺は言うのだろうか?
……実にくだらない。そしてなんてつまらないんだろう。
こうやって繰り返し問えば問うだけ、思考が狭くなっていくのを感じる。自分という存在が、どんどん小さくなっていくのを感じる。
誇りなど既に、これっぽっちも、ありはしないのです。その上、希望の光を、僅かな針の穴をも見落さない勢いで、血眼になって探し回っているのだから、タチが悪い。そうしてようやく掴んだ蜘蛛の糸、群がる烏合の衆を、今ならば迷う事無く片っ端から蹴落とすのだろう、二度と這い上がって来れないように徹底的に、やってやるのだろう。そうまでして俺は今、未来という名の希望を、救いを、安らぎを、貪欲に欲している。
なんて不細工な生き様だろう。
俺はただ。真っ白な紙にゆっくりと筆を下ろすように、赤児の肌に触れるように、慎重に丁寧に生きていたかっただけなんだ。草花が鮮やかに季節を彩るように、大地に根を張るよように、美しく強く生きていたかっただけなんだ。
ある日突然、そうやって少しずつ積み重ねてきた石は、簡単に崩されてしまった、ゼロに、振り出しに戻されてしまった。
それでも自分は生きているのだから、生きて行くしかないのだからと、涙を堪えながら、再び石を積み重ねた。ゆっくりと時間を掛けながら、一つ、また一つと。それは実に骨が折れる事だった、途方も無い事だった。
それでもようやく再び笑えるように、そして確かな希望を、肌で感じれるように、安らぎを手に、掴みかけていたんだ。
それをまたしても、またしても、崩されてしまったのだから、それも徹底的に、寸分違わず、同じ形で。
笑えるでしょう、可笑しくて可笑しくて、仕方がないのです。
もしあなたが、生きている人間ならば、きっと同じ様に、笑うでしょう。そして、気付くでしょう。二度と石を積み上げる事は無いと。
鳥が再び自由に空を飛び回る事はないのです。蜘蛛の糸下の烏合の衆に引きずり込まれ、地べたを這いずり廻るだけの、醜い化け物と化して、与えられた残りの余命をただ過ごす。
そんな人間に、なってしまったのです。
何かが違っていたら。
変わっていたのだろうか。
何かが、違っていたら。
そうやって、こうやって、何かのせいにしている内は何も変わらない。
そうやって、こうやって、何かのせいにしていかないと、生きて行けない人間には、なりたくない。
そんな当たり前の事、分かってた、ハズなんだけどね