金持ちの考えていることは意味不明だ。
これが俗に言う“セレブ”ってヤツ?
うーむ。

《ねぇ、君、5億だよ?少ないの?》

5億か。
何に使うかホームレス生活5年の龍之介は、少ない脳ミソで考えてみた。
(まず、風呂だな。)
案外、普通。つまらない男。

《頼むよ。なんなら、うちの娘あげるよ。ねーねー》

なんか、ウザい。

《君、もうさ、ホームレスなんかやらなくていいんだよ。》

まさかだと思った。
無意識に閉じていた目を開いてみた。
『え?は?ん?………あー……』
城が自分の方に向かっていた。

《あと2メートルしか進めない》

悲しい。
なぜもっと進まないんだ。敷地いっぱい進めるはずだったんだ。
そうか、
《そうだったんだ》
我が家の設計は初めから、
《2ミリ!!







つづく
だぁれも聞いちゃいない。
風さえ無視。
段ボール抱え、唖然としていた。
イビキかいて四季折々の寝場所。またひとつ寝場所がなくなった。仕事もリストラされ親からは勘当され、秋葉原に行けばなんとかなるかと思ったが、なんとかならないのが現状。
……自分が情けなくてあの建物が憎くなってきた。
あんなところに建てたのだから、どうせラブホテルだろう。

嫌味なほど派手な外観は、個人の家には見えない。
個人が住んでいたとして、どんだけ金持ちやねん!!って感じだ。

《あ、あー、テスッテスッ。秋葉原のホームレスの皆さんおはようございます。》

おはようございます……。
《うちの娘知りませんか?》

は?

《真の乙女になるため乙女ロードにいったきり戻ってこないのです。》

へ?

《そこで、賞金を出すことに…………ピー!ズギャギャ!!》

放送が終わった…。
“乙女ロード”聞いたことがある。
秋葉原が男ヲタの聖地なら、その逆は乙女ロード。

池袋駅からヒューっていって、ぐりんとまがりダーッといったところが、サンシャインシティ。その目の前の通りを乙女ロードというって。しかし、ここは秋葉原。
まぁ、自分には関係ない。

『そうさ。賞金くらい出さないと冬はこせない』

《じゃあ賞金出します。グリーンジャンボと同じ5億》

“じゃあ”!?
ますます金持ちがわからない。







続くのか?


東京都千代田区秋葉原寄りのただっぴろい敷地が昨日までそこにあった。
が、今は、
『お城?ラブホテル?何?』
な、建物があった。
今日も今日とて、段ボールを広い集め、川のとなりに寝ていた者にとってその建物は、邪魔であった。
『秋葉原だからなんでもアリか…』
ぽつりと呟いた言葉は、だぁれも聞いちゃいない。
まぁ、あれだ見ちゃたもん。



続くらしいよ