学生時代の話。

ドラマ「のだめカンタービレ」が流行ったのもあり、楽器ができる清楚な彼女が欲しいなーなんて話をバイト先でしてると、2つ下の後輩が「バイオリン演奏してる子紹介しますよ!」と言ってくれた。

 

その当時は、ノリの良い後輩くらいの感覚やったけど、今思うと、ほんまにようできた後輩やったなー。

記憶が曖昧やけど、たぶんその場で、その子に連絡してくれて、その週末に会うことに。(ほんまできるヤツ笑)

 

梅田で昼間に待合せ。

初めて会う時に、飲みに行くんじゃなくて、カフェしよう!と言われたのが初めてで、これもええところの子って感じでなんか新鮮やった。

待合せ場所で待ってると、バイオンリンケースを背負った子が来た。

着てる服装とかも今まで俺のまわりにいたタイプの子とは違うし、バイオリン背負ってるし、「のだめやん!!」って感じで、こんな求めてる通りの子を紹介してくれるなんて…とちょっと感動。

 

早速、カフェでお茶することに。

「バイオリン背負ってたけど、練習の後やったん?」

「ううん。『恋のから騒ぎ』のオーディションがあって、そこでバイオリン弾いてきたの!」

「……え??さんまの『恋のから騒ぎ』??」

「そうそう!!」

って、初っ端からパンチの効いたエピソードを持ってる子やなーってめっちゃ印象に残った。

 

2、3回遊んだ後、その子が俺の家に行きたい。って言ってきた。

実家暮らしやったので、俺は「え?なんで?」って感じやったけど、なんかバイオリン弾ける子、家に連れてきたら、両親が驚くやろなーという浅はかな考えで家に来ることを了承した。

 

来るのはいいけど、まさかの土曜に来るっていう。。おかんはもちろん、おやじもおるっていうカオスなシチュエーション。

夕飯食べ終わって、そろそろその子が帰らんとあかん時間。

けど、ぜんぜん帰る気配なし。。おやじも痺れ切らしてそろそろ帰らなあかんやろ。と一言。

 

すると。。その子が急に、「気持ち悪くなってきたから、ちょっと寝かして欲しい。。」と、

「は?。。今までバリ元気やったやん!てか、嘘まる出しやん!!」

さすがに、両親も帰らさなあかんで、と俺に伝え、状況を見守るも、

その子「立ち上がられへん。。」とまさかの宿泊コースに。

 

俺の実家マンションやし、さすがに気まずすぎるって。。

とりあえず、その子を俺の部屋のベットで寝かせて、俺はリビングのソファーに寝ることに。

テンションだだ下がりで、そろそろ寝ようとしてた夜中の1時頃、その子が急にリビングに来て、

「体調治ったから、今から帰るね!!」

「はぁー??」

その子、京都で一人暮らしやで。。しかも、俺、酒飲んでるし。。

この子、俺を。。てか、俺の家族を、わざと困らせようとしてる。。。何目的なん??

 

この子はヤバいと思って、すぐに家の近くに住む親友に連絡、親友と一緒にその子を家まで送ることに。

車中、その子はずっと機嫌が悪いまま。信号で止まるたびに、「迷惑かけて悪いから歩いて帰る!!」て車から降りようとする。

 

この子いったいなんなん!?

 

なんとか京都の大学の寮まで送り、地獄のような一夜が終わった。

 

帰りの車中、親友にその日の一部始終を話すと、「バリヤバいなー!!」と爆笑!

他人事やな。。とちょっとイラっとしたけど、こんな夜中に助けてくれる親友には感謝しかないなーと思った。

 

まさかこの時、この親友に恐怖が忍び寄ってるなんて、俺も親友も知る由もなかった。。。

 

つづく…