昔々あるところに・・・と

物語を始めたいところですが

これからお話する物語が

いつ、どこで起こった

出来事なのか

誰にもわかりません。


過去、現在、未来

どの時間や場所であっても

起こり得る出来事だからです。


だからこの言葉で

この物語を始めたいと

思います。


「ありとあらゆる全ての時代

    何億光年も広がる

    宇宙の果てに

    明るい緑色と

    澄み渡った青色が

    一つの光を放ち

    キラキラと輝く

    美しい星が浮かんでいました。


    その星には

    カノンという名の10歳の

    女の子が両親と一緒に

    山奥にたたずむ

    一軒家に住んでいました。

    

    カノンは

    桜色の髪と

    真紅の瞳を持つ

   好奇心旺盛な

   明るい女の子です。


   ある晩

   カノンは強い風が

   窓を叩きつける音を聞いて

   目を覚ましました。

   

   遥か遠くから

   誰かがカノンを呼んでいる

   ような気がするのです。


   カノンは

   ドキドキ、ワクワク、

   とした気持ちを

   抑えながら

   軽やかな足取りで

   ベッドを飛び降りると

   両親に気づかれないように

   そっと玄関の扉を開けて

   外に躍り出ました

   

   外に出てみると

   春の花の香りがする

   強い風が吹いています。


   強い風なのに

   どこか柔らかくて

   優しい

   不思議な

   春の風。


「おかしいな

今は冬なのに」


カノンは

そんな疑問を持ちながら

目の前に広がる

野原を見ました。


その瞬間

とても不思議な光景が

カノンの瞳に

飛び込んで来ました。


10歳ぐらいの

少年とも少女とも

区別がつかない

2人の子どもが

無邪気な明るい笑い声を上げながら

野原を走っていたのです。


ひとりの子どもは金色の髪に

金色の服と光をまとい


もうひとりの子どもは銀色の髪に

銀色の服と光をまとっていました。


二人とも

背中に純白の白い羽が生えていて

瞳は明るい紫色の瞳をしています。


金色と銀色の光を放つ

二人の子どもは

瞬く間も無くカノンの目の前を

疾風のごとく

通り過ぎようとしましたが

カノンは思い切って

2人に声をかけました。


「こんばんは

    君たちどこにいくの?」


二人の子どもは

カノンの目の前を2歩か3歩ほど

通り過ぎましたが

ふと立ち止まり

驚いた表情でカノンを見つめ

こう叫びました。


「驚いた!

   君、僕たちの姿が

   見えるの?」


カノンも

ドギマギとする胸を

抑えながら

答えました。


「ええ、あなたたちの姿が

    はっきりと見えるわ!!

    ひょっとして

    他の人には見えないの?」


金色の子どもと

銀色の子どもは

自分たちの姿を

見つけてくれた子どもと

出会うことが出来たのは

初めてだったので

嬉しい気持ちを隠しきれずに

ウキウキとした声で答えました。


「君が僕たちの姿を

    見つけるまでは

    僕たちの姿をはっきりと

    見た人は誰も居なかったよ。」


子どもたちは

しばらく笑顔で見つめあった後

自己紹介を始めました。


「私の名前はカノン

    あなたたちの名前は?」


「僕たちに名前は無い。

    あえて必要なら

    金色に光っている方を

    『太陽』と呼び

     銀色に光っている方を

     『月』と呼べばいい。


    年齢は

     君と同じに見えるけど

     僕たちの本当の年齢は・・・

     いや、やめておこう

     世の中には知らない方が

     幸せなこともあるからね。」


そう言うと

『太陽』と『月』は

クスクスと笑い出しました。


カレンは

とても素直な性格だったので


「そうかあ

    世の中には知らない方が

    幸せなこともあるのか〜」


と納得した後で

一番聞きたかった疑問を

『太陽』と『月』にぶつけました。


「背中に白い翼が

    ついているけれど

    あなたたちは天使なの?」


『太陽』と『月』は

目をキラキラと輝かせながら

答えました。


「そうだよ

    僕たちは天使だよ💗

    でも宇宙人と呼びたければ

    宇宙人と呼べばいいし

    妖怪と呼びたければ

    妖怪と呼べばいいよ。

    あっはっはっはっ🤣


    僕たちはこれから

    暗闇に光を灯す遊びを

    するところさ♬

    良かったら

    君も一緒に来るかい?」


カノンは面白そうだと思ったので

ぜひ一緒に連れて行って欲しいと

願い出ました。


『太陽』と『月』は

片方の手を繋ぎあい

もう片方の手を

カノンに差し出しています。


カノンと2人の天使が

手を繋いだ

その瞬間!!

花吹雪が舞い上がり

3人の子どもたちは

忽然とその場所から

姿を消してしまいました。


(つづく)