千葉県の佐倉市にある国立歴史民俗博物館の
「URUSHIふしぎ物語-人と漆の12000年史-+」を見てきた。
先日金沢に旅行し、能登に行った際に漆のお椀を買ったことがきっかけ。
行った日に、たまたま博物館に在籍する研究員による講演会が
あったので参加してみることに。
その中でおもしろかったのは、漆は今も昔も高級品で、外交や貿易の「商品」の一つとして
流通していたということ。「商品」として強く意識されていることが印象的でした。
(ここで言う漆の高級品とは、日常使いするようなお椀ではなく、蒔絵や螺鈿が
施された華やかなもののことです。)
とくに江戸時代には、オランダ人が発注⇒日本の職人が制作⇒西洋で消費という
流れがあり、現代でいう「~別注」というようなことが行われていたらしいです。
例えば、日本の漆の箱は、本体と蓋は分離するが、西洋の箱は蝶番で蓋と
くっついているなど、西洋の生活や趣味嗜好に合ったものを制作していたらしく
結構柔軟に対応していた。
これには「売るため」の漆を施された商品があったということが言えると感じました。
さらには日本を真似て制作した、中国やベトナムでつくられた漆器もあったようで、
こちらも現代で言うと、メゾンブランドの商品をファストファッションが真似るような
流れがあったと言えると感じました(模倣品にしてはクオリティが高かったですが)。
そして明治以降になると、「~別注」という形ではなく、日本人が自ら開発・発案した
漆器が海を渡るようになりました。
こう見てくると、受け身から技術を高め、自発的に商品を開発していくという、
自分がいるファッション含めいろいろな分野の現代と同じ流れを進んでいっているなと、
おもしろさを感じました。
逆に言えば、今うまくいっていないいろいろな分野に、この流れはあてはめられそう。
そこを見つけたり、何かとつなげる仕事を今後はしていきたいと決意を強くした時間でした。