火葬の日のことは今でも頭の中で鮮明に覚えていて、たまにあの時のことがフラッシュバックする。



8月に入って雨ばかりの日々。

でもこの日は朝からとても晴れていた。

夜中に何回も目が覚めて、隣に寝ている昇くんを確認し、反対側に寝ている旦那さんがちゃんと息をしてることを確認した。

昇くんが亡くなってから、旦那さんがちゃんと生きてることを確認したくなる。

1人置いていかないでって不思議な感情。



朝早めに起きて私の身支度をして、昇くんに化粧をした。

真夏ということもあり、顔は紫色になってきていた。

それでもやたらかわいい。

日に日に凛々しい顔になってきて、余計に愛おしい。

私たち夫婦にこんなかわいい顔の子が生まれるの?って思うくらい。


義両親は前日に来て我が家に泊まっていた。

旦那さんが用意してくれた朝ごはんはちょっとしか食べれなかった。

8時ごろ、葬儀屋さんが棺を持って来たので、昇くんを棺の中に寝かせた。

カラフルなお花もたくさん持ってきてくれたので箱の中にきれいに並べた。

義両親もお花を買ってきてくれてたので、そのお花も入れてお花畑だね~なんて言ってたけど、ふと昇くんを見ると、死んでる人みたいじゃん。。。ってちょっと震えて義母さんに「お花はもういい、もう入れないで」って言った。

義母さんも私の心理状況を伺いながら対応してくれてた。

パパママとお揃いで履こうねってニューバランスの靴と、おもちゃのガラガラ、プラレールの電車と病院で作ってくれた折り紙のお花や動物たちを入れた。



葬儀屋さんに用意していただいた大きな車に棺を乗せ、私も棺の横に乗車した。

旦那さんは義両親を乗せて車で後を追って来た。

我が家は幸か不幸か最寄りの葬儀場まで車で10分もかからないような距離にあった。

まさか自分の子供のために初めて来ることになるとは思ってなかった。

葬儀場に着くと私の両親も到着していた。

中に入ってしまうともう会えないかもしれないからと、車の中でご対面しましょうねって葬儀屋さんが気を使ってくれて、駐車場の車の中でみんなでお別れをした。



暑いのでどうぞ先に中にお入りください。と案内され、小さい棺を旦那さん、私のお父さん、義父さんと係りの人で運び入れた。

運んだ先は火葬炉の前。

蓋を開けてもう一度対面させてくれた。

やっぱりかわいい。

旦那さんと昇くんのおでこにチューをして最後のお別れ。

蓋を閉めようとした時にもう耐えられないってフラフラしてしまい、旦那さんに支えられた。

葬儀屋さんも同じように泣いてしまいっていて隅の方に退いていた。


献花をして炉のスイッチを旦那さんが押した。








待機部屋の和室へ案内されしんみりみんなでお茶を飲んだ。

私たちが不安に思っていた供養のこと、お墓のこといろいろ話した。

私の両親も義両親も信仰がそんなにあるわけじゃなく、仏教もそれほど詳しくない。

みんなで調べてみたけど、あなたたちがしたいようにすればいいよ。って言ってくれた。

生まれる前に亡くなった子は煩悩がなく清らかなのでお葬式しなくていいみたいということだったので、納骨も気がすむまで一緒にいて、気持ちが落ち着いてお墓のことなど考える余裕ができたら考えればいいね、ってことになった。



40分くらいで火葬が終わり呼び出された。

赤ちゃんの骨はほとんど残らないかもと言われていたが、立派に残っていた。

葬儀場の人と骨拾いをしながら一つ一つ骨の説明をしてくれた。頭蓋骨、耳の骨、肋骨、足の骨、、、

お腹の中で立派に育った赤ちゃんでしたねって言ってくれた。

全ての骨を小さな骨壷に移してくれた。






みんなで車に乗って我が家へ帰った。

まだ11時前だった。

全てが終わった。

何もかも全てが終わってしまった。

未来が変わったあの日から1週間で何もかもが変わった。