二階へあがる急な階段を上ると、短い廊下に部屋が4~5つあった。
どの部屋にも2段ベッドが置いてある。狭いが、小ぎれいにされている
感じである。意外に思いつつ、僕が泊まる熊さんの部屋(部屋には動
物の名前が付けられている)に入った。
小さいながらもテレビまである。これで一泊2500円なんだから、やは
り僕の宿運はかなりのものだ。
一日の汗を流すべく風呂に入ることにした。しかし、これが曲者。
ユニットバスより狭く、ひざを折りたたまないと湯船に漬かる事が出来
ないのだ。足を伸ばしてゆっくり入りたかったが・・・・贅沢は言うまい。
明日また自転車で走らなければいけない訳でもないんだし・・・。
風呂からあがると、僕は必要なものを買い揃えるために函館の街へ出
た。必要なもの・・・・、ジーンズのベルト、自転車の盗難防止チェーン、
水。これらが一度にそろう場所、それは100円ショップである。
(函館に着いてからは僕はスポーツパンツと速乾Tシャツにバンダナと
言う格好を止め、ジーンズに普通のTシャツを着ていた)
100円ショップの場所はもちろん観光案内には載っていないので、観
光案内所で聞くことにした(それだって怪しいが・・・)。
大きく綺麗な函館駅に入ると、伊達公子似の美人が案内所に座ってい
た。
「あのー、この辺に100円ショップはありますか?」
と聞くと、伊達公子似のその人はクスリと笑い、地図を広げ親切に教え
てくれた。きっと旅人丸出しの僕の風貌と、100円ショップという倹約的
な店のイメージがピタリとはまったのだろう。しかしその笑顔はとても感
じのいいものであった。
駅から7キロほど離れた(意外と遠かった・・・)100円ショップに行き、
必要なものを買い揃えると、晩御飯を食べに吉野家に寄った。
(美味しいものは明日食べるのだ)
店を出る頃には日が暮れかかっていた。薄暗くなってきた道を、のんの
んへ向かって走る。走りながら、僕は何か違和感を感じた。
街燈がない。
これだけ都会で人通りも多いのに、街燈が殆どないのだ。地元の人は
慣れているのか、暗い中ビュンビュン飛ばして走っている。危険な街だ
ぜ・・・・。
部屋に帰ると散らかった荷物をまとめ、テレビをつけると二段ベッドの下
のほうに寝転がった。布団はよく干されていてとても気持ちが良かった。
天気予報によると、明日も晴れるらしい。観光するにはバッチリだ。
明日は早起きして朝市巡りをしよう・・・・・楽しみだな・・・・・・。
疲れもあって、夜の八時には就寝した。