リアス式海岸にビビる 9月8日(金) | モラトリアムな日々

モラトリアムな日々

隙あらば壁に張りつき、酒あらば飲んでしまう。そんな日常です。

Sさんの話によれば、以前僕のような自転車旅をする大学生が、この

ユースホステルを訪れたことがあったそうだ。

しかも彼はママチャリ。おまけに相当貧乏旅行。Sさん、ママチャリで

はここから先の峠ラッシュを乗り切るのは不可能と考えたらしく、彼と

自転車を車に乗せ、50キロ先の釜石まで乗せて行ってあげたそうだ。

その時大学生が言ったセリフが


「峠いくつあったか数え切れませんね」


であったという。彼は数日後に、北海道最北端である宗谷岬に無事到

着し(立派ですね)、このユースホステルに一報入れた。そして最後に

こう言ったという


「次からは電車で旅します」


Sさんは笑い話としてこのエピソードを話してくれたが、僕にはあまり笑

えるものではなかった。なぜなら、僕が明日走るルートは、


「ママチャリで最北端に到達した豪傑が、回避したルート」


と言う事になるからだ・・・・・。Sさん、


「つらいぞ~、明日は(笑)

 特に一個目と二個目の峠がつらい(笑)

 釜石まで行けばなんとかなるような・・・・・

 いやその後も辛いけど(笑)」


と、酒の酔いも手伝ってか(笑)を散りばめて話していたが僕は内

心不安を募らせていた。

不安が募るもう一つの理由に、この岩手のリアス式海岸を通って

北に向かったという記録を見たことが無かった事もある。多くの人

はのっぺりした日本海側を通っていくようだ。さらに僕の心の支え

である自転車漂流講座にまで、三陸のリアス式海岸を名指しでキ

ツイ地形にあげている。


午前4時、目を覚ますと少し酒が残っていた。まあ水を飲んで1時

間も走れば汗とともに抜けるだろう・・・・。

他の部屋で寝静まる人たちを起こさぬよう、静かに荷物を運び出

し暗闇の中懐中電灯を使いパッキングする。自販機でお茶を買い

一気に飲み干すと、陸前高田ユースホステルに別れをつげ、暗闇

の中を走り出した。


今日は辛い一日になるだろう・・・・・・。