復讐劇が終わる時 | 私は家族と生きる。~毒親育ちが母になった~

復讐劇が終わる時

15年ぶりにピアノの蓋を開けた。




私と毒父の確執の始まりになったもので、私は音楽の道に進ませてくれなかった父を恨んでいた。


その道はいずれ途中で途切れると少し考えればわかったはずなのに、わざわざ一流の先生を探してきてまで私に音楽の夢を見せた母を恨んでいた。




18歳で音楽を諦めて全く違う大学に進学し、就職後ボーナスをためて電子ピアノを買った。

いつか自分で稼いだお金で音楽の勉強をし直すのだと、休日の度にスタジオを借りて本物のグランドピアノを弾きに行った。




けれど仕事に家事に育児に忙殺されるうちに、いつしか私の中での優先順位は下がっていき、最終的には置きっぱなしのまま埃をかぶっていた。






そして今日、ふとしたきっかけで蓋を開けて弾いてみたら、急に気づいてしまった。


あの頃思い描いていた事を実現させるタイミングが今来たんじゃないかって。



仕事と家庭と子育ての基盤を固めた。

父は私を認めざるを得ない。

父なんかに依存しなくても、自分の力で未来を選べる大人になった。


父と完全に決別した18歳の時の思いを今昇華させられたら、私の人生を懸けた復讐劇は幕を閉じるんじゃないか。


18歳の私はそれを望んでいるんじゃないかって。




なんか、よくわからないけど、ひとりでわんわん泣いた。


そして我に返った後に思ったのは、そんな簡単な事に今の今まで気づかなかったのは、きっとまだそのタイミングじゃなかったんだろうという事。


何か変化が起こるときは、今までなら気にもとめない何気ない出来事が、正しい順番で起きていく。