抗がん剤治療が最後の日になる1週間前から、今までのことをたくさん思い出し涙が流れてきました。
入院した看護師さん1人1人に思い出があり、1人1人にお手紙を書いてお礼を言いたい位でした。その位、濃厚な時間を私はここで過ごし、たくさんのことを乗り越えてきました。
さすがに、1人1人にお手紙を書くわけにはいかなかったので、病棟へと異動されたお世話になったスタッフへお手紙を書かせて頂きました。
書きたいことがたくさんあって、感謝の気持ちが溢れ出してきて、涙を流しながら手紙を書きました。
きっと、現実的にはどこの病院で治療をしたとしても乗り越えられたのかも知れません。
でも、私はこの病院を選択し、ここで治療できて良かったと心から思っています。
私が入院すると、看護師さんや薬剤師さんなどが面会にたくさん足を運んでくれました。
異動しても尚、会いに来てくれるスタッフの方もいました。
辛い日々、たくさんそばにいてくれました。
気を紛れる楽しい会話をたくさんしてくれました。
本当にたくさんの優しさに包まれながら、治療出来てきたんだなと今改めて思います。
初回抗がん剤治療の前日…看護師の皆さんの働く姿が眩しくて、キラキラしていて、羨ましくなったことを今でもよく思い出します。
その日の夜は、一睡もできず隠れて泣いて朝を迎えました。
どうして癌になってしまったんだろう?
どうして私だったんだろう?
どうして今だったんだろう?
抗がん剤治療なんて受けたくない。
看護師として働きたい。
たくさんのことを考えて、長い夜を過ごしました。
何度どうして?と考えても答えなどなくて、見つかるはずもないのに、何度も何度もどうして?を考えていました。
あの日は、終わりが来るなんて思っていませんでした。
想像がつかない毎日ばかりで、何度も生きている方が辛いと思いました。
でも、看護師さん達にすごく支えられて今があります。
看護師さん達から頂いた優しさや看護は、直接看護師さん達に返すことはできないので、これから私が出会う患者さん達に返していけたらいいなと思っています。
そして、私は結婚もしていないですし、子どもも産んでいません。
世間の目はそのことに対して冷ややかなこともあります。
結婚していないから○○なんだと言う人もいます。
子どもがいないから○○なんだと言う人もいます。
確かに、その部分で経験していないことは多いのかもしれません。
でも、私はこうしてこんな辛い治療を頑張って来られた自分に、人生の金メダルをあげたいなと思っています。
足りない部分はまだまだたくさんある…でも、振り返れば頑張ってきた自分がいる。
何を言われても、頑張ってきた自分を認めてあげられる自分でいたいと思っています。
最後の抗がん剤治療の日は…窓から花火がキレイに見えました。
一生忘れられない日になりました。
そして私は、明日からも『看護師』として、今度は私が患者さんのそばにいます。