乳がんの手術をして、失ったものがあります。
それは、大切な胸だけではなく、手術後から患側の手指のしびれが残っていることです。
治るかなーと毎日思い続けていますが、全然改善されません…。
私は、仕事の内容の中で血管確保、つまり点滴や採血が得意でした。
それだけは自信がありました。
新生児から高齢者まで、血管を見つけることが得意で、先生に変わって血管確保をすることもあったほどです。
なぜ、得意だったのかというと、左手の人差し指の感覚がきっと長けていたのだと思います。
みんなが刺せない点滴を、呼ばれてすぐに刺せると、
「えーなんで。何が違うの?」
と同僚や先輩に言われることもありました。
その都度、
「私、左手の人差し指が使えなくなったら、もう使い物になりませんよ(笑)」
といつも笑って話していました。
その時は、まさか本当に使い物にならなくなる日がくるなんて、想像もしていませんでした。
もちろん、他の指でも血管は探すことはできます。
でも、左手の人差し指だけ違うのです。
他の指では触れない血管も、感覚として触れることができました。
線のようにすごく細い血管も、なぜかわかる気がしていました。
そんな大切な私の左手の人差し指・・・
しびれが改善されないと、前のようにはきっと血管を探すことはできないと思います。
仕事復帰の不安が、また一つできた感じがしました。
採血や点滴は、どの年齢も誰だって嫌なものです。
みんなきっと1回で刺して欲しいと思っているはずです。
私も、患者になって改めてそう思うようになりました。
だからこそ、左手の人差し指は、私の大事な大事な商売道具でした。
お願い・・・仕事復帰までに、元に戻ってと祈るばかりです。
私の大事な商売道具まで、奪わないで欲しい。
これから、患者さんのためにまだまだ働いていきたい。
そして、患者さんのために苦痛を最小限に看護をしたい。
今は、このしびれが少しでも改善することを、神様に祈る毎日です。