手術当日は、ぐっすり眠れたのですっきり起きれた朝でした。
私は、1件目の手術だったので、9時前には入室でした。
担当ではない看護師さんが朝私のところに来てくれて、
「頑張ってくださいね。手術前に会いたくて。」
と言ってくれました。
たくさんの看護師さんからの
「いってらっしゃい」の言葉・・・。
そして、
「おかえり」「おつかれさま」の言葉・・・。
私も何度も何度も患者さんにかけてきた言葉でした。
でも、こんなに目頭が熱くなる言葉だったなんて、患者になるまで知りませんでした。
今回は
「いってらっしゃい」
ではなく
「いってきます」
という立場です。
手術室に入室しても、全く緊張もせず麻酔科の先生や手術室の看護師さんと話しながら準備が進められていきました。
そして、あっという間に眠りにつき、目覚めた時にはもちろん手術は終わっていました。
私は麻酔の醒めが良く、終わってすぐからのことを全て記憶にあり、ちゃんと先生や看護師さんと会話できていました。
あとで聞いたのですが、同じ部屋の子が2件目の手術でした。
その子は、麻酔がちゃんと醒めるのか、どのくらいぼんやりしてしまうのか不安で手術を待っていたそうです。
そんな時に私が帰室し、いつもと変わらず受け答えをしているのをカーテン越しに聞いて「あんなに普通なんだ。なら大丈夫だ。よかったと思って安心して手術に行けたよ。ありがとう。」と言ってくれました。
その言葉を聞いて、
あー私、同じ患者だけど、患者として他の患者さんの安心材料になれたとすごくうれしくて胸が熱くなりました。
こんなこともあるんだと・・・。
術後の私は、自分で言うのもなんですが、優等生な患者でした(笑)
一度も痛み止めは使用せず、静かに過ごすことができました。
辛かったことは・・・
腰が痛かったことと、麻酔後の喉の違和感でした。
傷も多少は痛かったけど、想像した程ではなく、全然大丈夫じゃんと思って過ごしました。
術後、ベッド上安静の私にたくさんの看護師さんが会いに来てくれました。
「○○さーん。会いに来たかったです。」
「おかえりなさい。大丈夫ですか?」
「術前、会いに来たかったけど、追いかけたけど間に合わなかったです。」
「何か取りますか?何か手伝いますか?」
「やっと仕事が終わって、会いに来れました。」
たくさんの言葉をかけてくれました。
担当じゃない看護師さん達が自ら足を運んでくれる・・・本当に幸せ者だなと感じました。
私が看護師ということを知っていて、抗がん剤治療中たくさんいろんな言葉をかけてきてくれた看護師さん達・・・。
たくさん支えてくれた看護師さん達・・・。
病気の話しも、雑談も、医療のこと、看護師としてのこと、6ヶ月間たくさんたくさん話してきました。
辛い治療なのに、一緒に笑ってくれた看護師さん達・・・。
本当に良い人たちに恵まれているなと、ベッドで動けない中、涙が流れました。
術後の初回歩行・・・
大丈夫かなと思っていましたが、スタスタといつも通りに歩けて、
「本当に術後?(笑)手術した人とは思えない(笑)」
と看護師さんに言われました(笑)
こうして初めての私の全身麻酔での手術日は過ぎていきました。
手術も様々で、いろんな手術があります。
創部の痛みの程度は、人それぞれです。
手術後は傷だけではなく、色々なところが痛くなってしまいます。
心もその中の一つです。
これから手術を受ける方、今たくさんの不安を抱えている方が少しでも安心して手術が受けられ、無事に終わることができるように今度は私が祈っています。