久しぶりに治療の経過についてお話ししたいと思います。

 

私はEC療法4クールが無事終了し、次の抗がん剤治療を行いました。

EC療法の時は、便秘、口内炎、味覚障害、嘔気、爪床色の変化、脱毛などの症状がありました。

同じ治療でも、毎回副作用は微妙に違っていて、そのたびに戸惑うこともありましたが、徐々に自分で対応できるようになっていきました。

「あーもう吐き気と闘わなくていいんだー。」

とEC療法が終わった時には思いました。

 

そして今回の治療はHPD療法。

前回までは便秘で悩まされていたのに、今回は下痢です。

便秘も辛ければ、下痢も辛い。

 

そして・・・皮膚トラブルです。

元々私は、皮膚はあまり強い方ではありませんが、思春期の時も運がよくニキビとかもほとんどできずにきました。

化粧品等は、アレルギーで蕁麻疹が出てしまったりするため、怖くて何年も同じところのものをずっと使っていました。

そんな中、顔が赤くなり発疹がたくさん出てしまいました。

触るとボツボツしているし、鏡もあまり見たくない・・・そんな日々が続きました。

そして、副作用で全身浮腫みが出てきてしまい、顔もまんまるになってしまいました。

 

「あーぁ、だいぶ見た目も変わってしまったな。あまり人と会いたくないな。」

 

とマイナスな気持ちでいっぱいでした。

 

元気な時は、皮膚にも体形にも気を付けてきたつもりでした。

35歳を過ぎた頃から、代謝も落ちたのか、徐々に体重は増えていましたが、気を付けてはいました(笑)

 

この時の私は、顔はまんまる、赤くて発疹だらけ、四肢は浮腫んで、おなかもぽっこり、髪もない。

本当に変わってしまいました。

 

しばらくは嫌だなと思っていましたが、これも自分。頑張っている証拠だと思うことにしました。

 

CVポートを抜去してしまった私は、細い血管での抗がん剤治療のため、刺すたびに静脈炎を起こしていました。

始めは真っ赤に腫れ、その後色素沈着のように残ってしまう。

治療の回数を重ねる度に、その数は増えていきます。

私は色白のため、その静脈炎の跡がとくに目立ってしまいます。

 

そんな時、産婦人科で働いていた時のことを思い出しました。

切迫早産の妊婦さん達。張り止めの点滴を常にしていました。

毎日24時間点滴しているため、血管も弱ってきて、たくさん点滴をした跡が残っていました。

そんな時にある妊婦さんが

「これは私の勲章だから。」と笑顔で話していました。

勲章かぁ・・・確かに。この跡は、おなかの赤ちゃんを一生懸命守った勲章だなと思いました。

痛々しい跡だけど、すごくかっこいいなと感じました。

 

そのことを思い出して、私のこの静脈炎も私が癌に立ち向かった証で、勲章なんだと思いました。

この跡が、最終的に残ってしまうのか、消えてくれるのかはまだわかりません。

でも、例え残ってしまったとしても、これは私が1番頑張った証です。

こうして過去に仕事で私と関わってくれた患者さんのことを時々思い出し、その言葉にたくさん思い直し、助けられていることに気付かされます。

 

見た目ばかり気にしていた私ですが、見た目の変化もその人の人生が表れていること、それが頑張ってきた証なら素敵なことなんだと少しだけ思えるようになりました。