『フロム・ポエティカル・スケッチ』モーニング・グローリー

神聖なほどに洗練されたメロディー!純真な白にその身を包んだまま、黄金に煌めく天国のドアを蹴り破って姿を見せてくれ。
この空のドコかで眠りを貪ってる太陽を、強引に叩き起こしてやってくれ。東の果てから秘密のリズムを、輝きに満ち溢れた轟音ギターを、パクってでも持ってこさせろ…爽やかな午前6時に漂う、魅惑的なドッペルゲンガーと一緒にね。
輝けるジョニー、戦場へ向かうソルジャーみたいに目覚めて、太陽に敬礼を済ませたら、シークレット・ブーツを履いた両足で俺たちの街にも立ち寄って欲しいんだ。
『フロム・ポエティカル・スケッチ』夕暮れマイ・スター

夕暮れの天使たちは、淡いブロンドを静かに揺らす…ジョニー、今まさに俯いた惑星が山の影に触れる瞬間、輝くROCKの光を灯し、上等なライダースでキメたら、夕暮れのベッドまで艶やかなメロディーを飛ばしてくれ!
俺の大切な人たちに投げキッスを投げてくれ!きっとお前が天国のカーテンをインディゴ・ブルーに付け替えてる間に、銀色のスコールが激しく降り注ぐ…無垢な瞳を閉じて健やかに眠る、儚げなタイガーリリィの上にね。だから西の果てから流れ着いたメロディーは、とりあえず静かな湖上で休ませてやってほしい。燃える視線で沈黙を埋めたら、銀色のペンキで薄闇を塗り潰すんだよ。やがてお前は旅を再開しなくちゃならない。そんな日が来れば狼たちは黙ってないし、卑しいハイエナたちが、ノルウェーの森の奥深くで真っ赤な両目を怪しく輝かせる。
俺たちの弱っちい体は、お前のメロディーに包まれてる。お前のROCKが彼らを守るんだ。
『フロム・ポエティカル・スケッチ』極冬最前線より

ジョニー、お前の絶対無敵のメロディーに、さらにガッチリ鍵を掛けた方がイイ。北の果ての凍りついた土地だって、当然お前のモノだ…ジョニーはソコに御影石の堅牢なスタジオを建ててみた。毎日その屋根は張り裂けんばかりに揺れ続ける…お前の轟音ギターでスタジオの柱を曲げちゃダメだぜ。

ジョニーは俺の忠告なんて聞いちゃいないから、惑星の裏側まで見通せるほど大口を開けた太平洋の上を、重い足音を響かせながら意気揚々と進軍していく。嵐のようなROCKは解放されたんだ…鋼鉄の筋肉に守られて。ジョニーのROCKが世界を支配してるから、俺は顔を上げられるはずもない。

見てくれ!今まさに規格外のモンスターは、その分厚い毛皮を隆々とした骨格にビチビチに張り付けて、呻きを漏らす岩山を軽く踏み跨いだ。奴はあらゆるモノを萎縮させ、口を閉じさせる…その凶悪な両手は、惑星を丸裸にして、細やかな生命力を絶対零度へ引きずり込む。

奴は断崖絶壁の上に玉座を作る。いくら戦士たちが叫んだところで虚しいだけ…嵐を相手に戦う悲しいベイビーたち。やがて天国が時代に微笑みかけると、モンスターは山奥の暗い洞穴へ追いやられてしまうんだけどね。
『フロム・ポエティカル・スケッチ』秋芸座

ジョニー、季節はフルーツをどっさり運んできて、血みたいに濃厚なワインの赤に染まっている。ずっとココにいればイイ…俺の家のルーフの影にね。ソコでお前は歌を書く…俺の新品の水色のジャガーにリズムを乗せて、喜びのメロディーを歌うんだ。そうすれば、ミス2011もみんなダンス・フロアに飛び出してくるぜ…だから花と太陽と雨をリリックに織り込んで、力の限りに歌うんだ。

ジョニーは歌う…
「小さな蕾は輝く太陽に向けてビューティフルな笑顔を投げる…極上の音楽が、勢いよく脈打つ血管を駆ける。メロディーは午前6時の女神の額にかかり、慎ましやかな午後4時の女神の頬に、ちょっとした彩りを添える。その内、ひと夏の風景は一つに溶け合ってシンガロング状態…大きな羽根を持つ入道雲が、季節の変わり目にメロディーをバラ蒔くんだ…」

「…大気に住まうピクシーたちはフルーツの匂いを食べて生きながらえ、欲望は軽やかに黒い翼を羽ばたきながら、ローズガーデンを宛もなくブラブラする…そして木立の合間でひっそりと歌になるんだろう」
…ジョニーは座ったまま使い込んだマーチンを弾いて、そんな歌を作った。そしてようやく立ち上がると、必要なモノだけを手に、俺たちの視界から消えてしまった…殺伐とした国境の向こう側へ。でもココには、たくさんの黄金が残ったんだ。
『フロム・ポエティカル・スケッチ』真夏の条件

今日も堂々と俺たちの街のメイン・ストリートを闊歩するジョニー、お前の情熱的なリズムギターのあらゆるストロークを我が物として、その古いジャズコーラスから燃え上がる灼熱のギターリフを支配するんだ!
ジョニー、お前は時々この場所に黄金のカーテンを掛けて、俺たちが住む街のオークの大木の下で体を休めた…俺たちがお前のフルオーダーのギブソンや、輝くマッシュルーム・カットに見入っていた間にね。

鬱蒼と茂った木陰で、よく俺たちはお前の歌を聴いたよ…太陽が真っ赤に燃える車輪に乗っかって、天国の谷間を飛んでいく度に。いつまでも俺たちの青春グラフティーの隣にいてくれ。俺たちの住む苔むした裏通りで…清流の湖畔のテトラポットに腰かけて、お前の着てる毛皮のジャケットは全部脱ぎ捨てろ…ごちゃ混ぜの流れの中に飛び込んでしまえばイイ。俺たちの住む街は、真夏の瞬間を死ぬほど愛してる。
白銀の弦を爪弾く、俺たちの街のストリート・シンガーはなかなかクールだ。たぶん俺たちの街のテディ・ボーイたちは、もっと暑い国の同世代より不適だ。たぶん俺たちの街のダンサーは、全てから解き放たれて舞う瞬間、誰よりもビューティフルだ。たぶん俺たちに足りないモノなんかない…音楽にも、希望のリッケンバッカーにも、綺麗な山びこにも、天国みたいに澄みきった湖にも、きっと蒸し暑い真夏の熱気をシャットアウトする、フレッドペリーのポークパイ・ハットにもね。
『フロム・ポエティカル・スケッチ』春の行人坂

ジョニーは朝の霧に全身を濡らしながら、白い部屋の窓越しに爽快な下界を見下ろす…天使みたいな視線を、俺たちの住む極東の街にも向けてくれ。この街は『デザイン・フォー・ライフ』の大合唱で、お前の帰還を歓迎するだろう。

空想家たちが住んでる丘陵地帯が、お互いにウワサし合う…緑の渓谷は密かに聞き耳をたてた。俺たちの羨望の眼差しは、すべてお前のスーパーノヴァ・ハイツに向けられてる。早くソコから出てきて、オマエの力強いメロディーで俺たちの世界を照らしてくれ。

できれば東の丘を越えてすぐに来てくれ…俺たちの街に吹く風に「お前の着てる極上の三つボタンスーツにキスしろ」って頼んでおくから。朝から晩まで、お前の歌声にドップリ浸っていたい。お前のROCKを、お前を待ち焦がれて嘆いてるこの世界いっぱいにバラ蒔くんだ。

お前のアルペジオで、国境を彩ってくれ…お前の優しいキスを、あの娘の胸に投げてかけてやってくれ。そしてお前の黄金のキャスケットを、ゲッソリやつれたこの世界に被せてやってくれ…彼女の綺麗な黒髪は、お前のために束ねられたんだから。
『ヴィジョン・オヴ・ザ・ドウターズ・オヴ・アルビオン』前奏

~目はハートで感じる以上のモノを見ている~
『マリッジ・オヴ・ヘヴン&ヘル』続・閻魔語録(終)

六十一、思考は崇高。ハートは情熱。×××は芸術。手足は均衡。
六十二、空には鳥の王国が相応しく、海なら魚の王国が相応しい。同じように、軽蔑されてしかるべき奴らには相応しい軽蔑をくれてやれ。
六十三、カラスは「全部まっ黒なら良いのに」って思ってるし、フクロウは「全部まっ白なら良いのに」って思ってるよ。
六十四、オーバースペックは美しい。
六十五、もしライオンが姑息なキツネのアドバイスに耳を傾ければ、彼は狡猾になるだろうね。
六十六、トヨタ式は綺麗な道路を作るけど、改修されない凸凹の道こそが、天才の道だったりするのかも。
六十七、漠然とした夢物語を語るぐらいなら、クレイドルを蹴り飛ばせ。
六十八、ソコに歌がないのなら、全ては不毛だ。
六十九、分かりやすく噛み砕いて説明されても届かない真実なんて存在しないぜ。
七十、十分に!もしくは溢れるほどに。
『マリッジ・オヴ・ヘヴン&ヘル』続・閻魔語録

五十一、感謝を忘れなかった奴だけが、すべてを手に入れる。
五十二、世界が狂ってないなら、俺たちが狂ってるんだろう。
五十三、喜びのメロディーを塗り潰すことはできない。
五十四、君が星を見る瞬間、君は天才の片鱗を見るはず…だから顔を上げろ!
五十五、キャタピラーが卵のために一番美味しい葉っぱを選ぶように、エセ評論家は一番美しいメロディーに呪いをかける。
五十六、小さなワンフレーズを形にするにも、長い時間がかかるんだ。
五十七、呪いは絞らせる。祝福は緩ませる。
五十八、ワインは古いほど美味い。水は新しいほど美味い。
五十九、祈るだけじゃ変えられない!歌うだけじゃ動かせない!
六十、笑うな!喜びのメロディー。泣くな!悲しみのメロディー。
『マリッジ・オヴ・ヘヴン&ヘル』続・閻魔語録

四十一、朝は思考。昼は行動。夕方は食って、夜は寝ろ。
四十二、敵に付け入る隙を許す奴は、敵をよく知ってるんだ。
四十三、ハンマーが言葉に答えないように、ジョニーは祈りに答えないだろう。
四十四、怒った虎は、教育された馬より素早いぜ。
四十五、水溜まりには毒がある。
四十六、100%以上を理解しなきゃ、100%分かったことにはならない。
四十七、バカ野郎どもの叫びを聞け!ソレが命題だ!
四十八、揺らめく炎には眼差しがあり、吹く風には鼻孔があり、水には唇、惑星にはアゴ髭がある。
四十九、勇気に負ける奴は、臆病さに勝ち越すのかも。
五十、パンクはカントリーにアルペジオの弾き方を教わらないし、革命家も公務員に道案内を頼まない。