著者: 梨木 香歩
タイトル: 西の魔女が死んだ
さて、せっせと読書週間の私ですが、立て続けに二冊の本を読みました。
まず西の魔女が死んだですが、読み進むうちに少女時代の自分と向き合っているような、そんな感覚になりました。

居心地の良かった空間、お気に入りのマグカップ、登校拒否を起こしていたころ。クラスの女子のグループ行動についていけないでいるうちに、クラスの女子全員に「絶交状」を渡されてしまったときのこと。
「霊感」と呼ばれる感覚の妙に敏感だった頃。
まるでまいと一緒におばあちゃんの家にいるような、そんな感じを憶えました。最後、涙がこみあげてきちゃいました。
母の葬儀のあと、一人で車に乗っていて,こらえきれずに「お母さん!」って叫んだときのことを思い出しました。
(わー、暗くてごめんなさいm--m)



著者: 湯本 香樹実
タイトル: 夏の庭―The Friends
続いては夏の庭です。
最初、「ずっこけ三人組」を連想したのですが、しばらく読むと三人の子どもたちの家庭が見えてきて、とてもリアルになってきます。
おじいさんとの心の交流がなんとも言えず、暖かくて、実際、現代っ子たちはみんなこうなんだよなあ、純粋なんだよなあって思いました。
「あの世に知り合いがいるんだぜ」って言葉がいいですね。
映画になっているそうなので、機会があったら観て見たいなあって思いました。

たまたま「人の死」に関わる物語を続けて読んでしまいましたが、涙も浮かべたけれど、あったかあい気持ちも思い出しました。

「夏の庭」でおじいさんが戦争体験を話す場面がありますが、私の父も戦争体験をよく私に聞かせたのです。(父は母より一回りも年が上でしたので)
私は父の話を聞くのがいやでいやでたまりませんでした。
フィリピンのジャングルの中での生々しい前線の風景を父の声の向こうにありありと想像してしまっていたからです。
初めて人に銃を向けたときのこと、死んだ仲間の遺体をどかして自分の寝床を確保したこと、戦争に巻き込まれて死んだ現地の親子のこと。
父の話はいつもとても辛くて、私はいつも最後には泣き出してしまうのでした。
父は娘に語ることで、自分の犯してきたことの重荷をすこしずつ下ろしてきたのかも知れません。
死ぬまで私に語ることの出来ないこともあったんだろうなあってこのごろ思うようになりました。

そんなことを思い出しました。