香港電影紹介第66回は、ラム・ナイチョイ監督、三上博史、ユン・ピョウ、グロリア・イップ、安田成美 、緒方拳、共演の『孔雀王(日本公開バージョン)』です。
(画像はポニーキャニオン発売のVHSです)
《あらすじ》
チベット高原の古代遺跡で異変が起き、裂けた地面から魔性ゆえに封印されていた少女アシュラ(グロリア・イップ)が666年ぶりに蘇った。
その頃、東京では裏高野の退魔師・孔雀(三上博史)が異様な空気を感じていた。
夜になると異形の怪物が人々に襲い掛かるが、そこに現れた一人の男、コンチェ(ユン・ピョウ)。
孔雀とコンチェ、そして事件に興味を持つ女、冴子(安田成美)はアシュラを封印すべく香港へ旅立った。
果たして彼らに世界の運命は救えるのか!?
当時、週刊ヤングジャンプに連載されていた荻野真先生の大ヒット漫画『孔雀王』の実写映画化作品なんですが、私自身も原作漫画の大ファンだったこともあって劇場公開された時は楽しみに観に行った記憶がありますね。
ただ、原作のエピソード(デパートにでる式鬼退治やアシュラによる地獄門の解放)から拝借している設定もあるものの、かなり映画オリジナルに変更されていて原作ファンとしては不満な点もありました。
キャストでいうと慈空役の緒方拳は全然似てないし、特に主役である孔雀役の三上博史が全くアクションが出来ないっていうのも残念でしたからね。
漫画だとガンガン闘ってますから。。
あと日本版と香港版とで主役のポジションが代わる為、陰の孔雀(三上博史)と陽のコンチェ(ユン・ピョウ)といった具合に双子の設定に変更されている点や、地獄門が開かれると復活する“皆魔障外神”(映画だけのオリジナルキャラ)がパンツ履いた巨大なハゲのオッサンだったのもガッカリした思い出がありますねぇ(苦笑)。
(原作では地獄門には“孔雀王”が閉じ込められていたんだけど、すでに世に解き放たれていたという展開!)
でも、映画ならではの見所ももちろんあって、呪われし子であるコンチェ抹殺のために裏高野十二神将がチベットのラマ寺院に乗り込んでくるシーンでの、コンチェ(ユン・ピョウ)VS宮毘羅(リュー・チャーフィ)率いる十二神将達とのスピーディかつアクロバティックなクンフーバトルはかなりオススメですね。
ユン・ピョウの軽やかな蹴り技はやっぱり最高です!
他にもポーリン・ウォン演じる魔族である羅我が化け物に変身するシーンなんかは、『遊星からの物体X』を彷彿とさせる特撮技術で、今観てもなかなかおぞましいシーンに仕上がっていますし、グロリア・イップ演じるアシュラも可愛いく、炎球を放つシーンも迫力ありますね。
日本公開バージョンは日本語吹き替えで(ユン・ピョウ=大滝進矢、グロリア・イップ=日高のり子、リュー・チャーフィー=池田秀一)、タイトルやキャストクレジットも日本語仕様になっています。
オープニングが当時人気だった安田成美の寝起き&出社シーンで始まるのは日本版だけのサービスカットですな。可愛いっす。
(香港公開バージョンではカットされています)
ちなみに、こちらは香港版DVD(香港公開バージョン。日本語字幕付き!)↓
香港公開バージョンはもちろん広東語収録。
タイトルやキャストクレジットももちろん中国語。
三上博史や安田成美も広東語で吹き替えされているのでちょっと変な感じはありますが。。
日本公開バージョンとは編集の仕方(シーンごとの時系列が違う)で、若干異なるが、こちらの方が話の繋がりがスムーズで分かりやすいかな。
日本では何故かいまだにDVD化されていないので、日本公開バージョン&香港公開バージョン両方収録で発売して欲しいところです。