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『チョコレート・ソルジャー』


ラーチェン・リムタラクーン監督、“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン、カズ・パトリック・タン 他。



《あらすじ》
男に浮気され、やけ酒をあおっていたデュー(“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン)は、女性ばかりを狙う誘拐組織“ジャガー団”に目をつけられる。

しかし、誘拐されそうになったデューを救い出してくれた1人の男がいた。
彼はHIP-HOPダンスと酔拳を融合させた「泥酔拳」を駆使して仲間とともに組織を追いかけるサニム(カズ・パトリック・タン)だった。

サニムと仲間達は大切な女性をジャガー団に誘拐されたり殺されたりしており、復讐と救出計画を企てていたのだ。
デューは「泥酔拳」を学び、囮となってジャガー団のアジトに忍び込むのだが。。。



再開の前にまずこれ。

セル版DVDの発売は10月28日だけど、レンタル版は7日から始まっていたみたいで、(アマゾンで予約してあるんだけれど)我慢できずに早速借りてきました。
ゲオだと新作も1泊2日50円。安っ(笑)



『チョコレート・ファイター』に次ぐ主演2作目の本作。
HIP-HOPダンスに酔拳をミックスした“泥酔拳”というオリジナリティのあるアクションを構築している点は評価したいところだが、正直に言うと少し物足りない出来ばえになっておりました。



今回はロックバンドのドラマーという役どころのジージャーちゃん。
彼氏に浮気された揚句に破局、バンドもクビになり一人ぼっちになり泣いてしまうような普通の女の子です(可愛いっす!)


若い女性を誘拐し、女性の持つ分泌液(フェロモン)から香水を作っている変態組織(笑)の“ジャガー団”にさらわれそうになったデューを助けたサニム(カズ・パトリック・タン)から“泥酔拳”を学ぶまでが前半。
始めは普通の女の子でかなり弱っちくて逃げまわっているような役なんで、修業シーンで無理矢理お酒飲まされているシーンとかもう凌辱ですよ。
なんかかわいそうに思えてきます。


で、“泥酔拳”とかって表現されるとジャッキーの“酔拳”みたいな拳技を想像してしまいがちですが、酔いながらHIP-HOPダンスをしている、いわゆるカポエイラ的なアクションですね。
アクロバティックな脚技がメインになっています。

もちろんお酒を飲んで酔っ払った動作もありますが、あまりお酒自体は重要なアイテムではなさそうです。(ラストバトルでは飲んでいないから)

一応“泥酔拳”の定義としては「痛みが増せば増すほど、酔いも増す」んだそうですが、なんかよくわからない(苦笑)
多分、痛みが続くと感覚が麻痺してきてハイテンションになる(高揚する)ということなのかな!?



中盤はサニムの過去やデューの仲間になるための試練など、無駄に長く感じてしまうシーンが多く、かなりダレてしまう展開。
もっとテンポよく後半へ繋げて欲しかったところ。



終盤は、敵のアジトに乗り込んだデューと仲間達とジャガー団とのバトル。


1番の見所になってくるのが、断崖の吹き抜けのフロアに架かっている吊橋の上でのデュー&サニムVS女ボスとの死闘からだ。
(この女ボス、筋肉質で「サンダーアーム 龍兄虎弟」のアマゾネス軍団みたいな恰好してます♪)

ついに覚醒したデューVS女ボスの手下の男(茶髪&短髪)2人との闘い。
(短髪男の蹴りはなかなかいいね。功夫っぽい動きです。)

さらに、デューVS女ボスとの再戦。
(この闘いはどう表現したらいいんだろう?カポエイラVSカポエイラとでもいいますか、アクロバティックな蹴りの応酬になっていますよ)


もちろん、リアルヒッティングだしハイレベルな格闘の数々は見応えがある。
ただ、打撃の当たるタイミングというかリズムが悪く、ワイヤーを使った大技も見栄えがいまいちだったり、所々スローモーションでごまかしているように感じるのが不満だった点ですかね。
出来ればタイ映画にはこの先もノーCG、ノースタント、ノーワイヤーで他国との差別化として頑張って欲しいんですがね。



最後に、本作品は“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナンの喜怒哀楽の表情を楽しむ作品でもあります。
鏡の前で、微笑んだり、「チュッハート」と投げキッスしてみたりと女の子らしい可愛いい仕種を見せてくれているのも要チェックですね。


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↑こちらは『チョコレート・ファイター』

“ジージャー”を知らないという方は先ずこちらをチェック!!
父親役で阿部寛も出演&アクションも披露してくれていますよ。